「ご冥福をお祈りします」の意味や使い方は?返し方も例文で解説

訃報に際し、「ご冥福をお祈りします」と言うことがあります。定型句として覚えている人も多く、よく使われる表現ですが、誤用も多いものです。故人・遺族に失礼のないよう、正しい意味と使い方を確認しておきましょう。誰に?いつまで?ペットには使える?といった疑問にもお答えします。

「ご冥福お祈りします」の意味とは?


「ご冥福お祈りします」を耳にしたことがあるという人でも、詳しい意味まで知っているという人はあまりいないのではないでしょうか。まずはその意味から解説します。

「ご冥福」の意味は「死後の幸福」

「ご冥福をお祈りします」は、「亡くなられた後の幸福をお祈りします」という意味です。

「ご冥福」の「冥」は、死後の世界を意味する言葉で、「冥福」とはつまり死後の世界での幸福という意味になります。亡くなった方が安らかに過ごせますように、という祈りを込めた言葉なのです。実際に使う際には、敬意を示す言葉「謹んで」を頭につけて、「謹んでご冥福をお祈りします」とすることもあります。

本来は文章で使う「書き言葉」

「ご冥福をお祈りします」は、本来は文章で使う「書き言葉」です。主に弔電の文章や、訃報を受けた後の手紙やメールなどの文章で使います。

ただし、近年では話し言葉として葬儀場などで使われるケースも増えているようです。従来の使い方とは異なりますが、マナーとしては許容されつつあります。

「ご冥福をお祈りします」の使い方は?

対象は「亡くなった本人(故人)」であること

訃報に際し使う言葉は、「ご冥福をお祈りします」以外にもいくつかあります。詳しくは後ほど紹介しますが、ほかの言葉との一番の違いは「ご冥福をお祈りします」の対象が「亡くなった本人」である点です。

通夜や葬儀の場で使われる言葉は、遺族の哀しみに寄り添うものから故人を悼む言葉まで様々ですが、「ご冥福をお祈りします」は「故人」に対する言葉となっています。そのため、「○○様(故人名)のご冥福をお祈りします」という言い方もよく使われます。

ペットに使う例も増えている

犬や猫などペットも大切な家族の一員という考え方は今や珍しいものではありません。大切なペットを厳かに見送りたいと思う家族も多く、ペットの訃報に触れる機会も増えているのではないでしょうか。

そんなペットへの訃報にも「ご冥福をお祈りします」は使うことができます。故人に対する言葉ですので、「○○ちゃん(ペットの名前)のご冥福をお祈りします」というと、ペットが安らかに眠れるようにといったニュアンスです。

「いつまで」という明確な期限はない

葬儀のマナーでは、いつ・どんな時にといった状況を抑えておくのが大切です。ただし、「ご冥福をお祈りします」という言葉に関しては、明確な期限はないとされています。

死後の幸福を祈る「ご冥福をお祈りします」は、通夜や葬儀から、四十九日の法要、さらには初盆やお彼岸など折に触れて使用されることがあるようです。「いつまでならOK」「これ以降はNG」といった決まりはないので、数か月後に訃報を聞いたという場合でも、亡くなられた方を思い言葉をかけるのであれば使用しても問題ありません。

「ご冥福をお祈りします」への返信は?

ビジネスシーンでは、メールで訃報のやりとりをすることも珍しくはありません。メールでも「ご冥福をお祈りします」は使える表現ですが、問題はその返信です。「ご冥福お祈りします」と言われた場合にはどう返すのが正しいのでしょう。

「お気遣い頂き」と感謝を伝える

メール・会話を問わず、「ご冥福をお祈りします」と言われたら、「ありがとうございます」と感謝の言葉を返します。「ご丁寧にありがとうございます」「お気遣い頂きありがとうございます」などとするのが一般的です。

「恐縮です」「痛み入ります」という表現も

近しい人を亡くした状況では、「ありがとうございます」という一般的な感謝の言葉はためらわれることもあります。そうした場合には、「ご丁寧にご連絡をいただきまして恐縮です」や「お心遣い、痛み入ります」といった表現も使用可能です。

宗教ごとに違う?「ご冥福」の類語・例文

「ご冥福をお祈りします」は、実は故人や遺族の宗教によって使用を控えるべきという意見もあります。その理由と、代わりに使える言葉を例文で紹介します。

元々は宗教を問わずに使える表現

「ご冥福をお祈りします」は宗教によって控えるべきとされるのは、「冥福」が仏教に由来するという見解からです。しかし、「冥福」は、正しくは仏教用語ではなく、本来は宗教を問わずに使用できる表現です。「ご冥福お祈りします」は、どの宗教の人に使っても問題はありません。

一方でキリスト教では天国が、浄土真宗では極楽浄土が、という風に、明確に死後の世界が定義されている宗教では、「冥福」(死後の幸福)という概念が不適切という見方もあるようです。誤用ではないものの、捉え方に個人差があるため、宗教によっては使わないほうが無難です。

キリスト教では「安らかな眠り」

では、キリスト教で故人を思う言葉をかけるとしたらどういった言葉になるのでしょう。キリスト教では、「安らかな眠り」という言葉を使い、「安らかな眠りにつかれますよう、お祈りいたします」という表現が一般的です。

神道では「御霊のご平安」

神道の場合は、「御霊(みたま)」という言葉を使い、「御霊のご平穏をお祈りいたします」とします。なお、神式の考え方では、亡くなった人は先祖とともに家を守る神様になる、とされています。

浄土真宗は「哀悼の意を表します」が無難

仏教の中でも浄土真宗では先述したように「極楽浄土」という考え方があります。そのため、死後の幸せは約束されたようなものなので、この場合は「哀悼の意を表します」という亡くなられたことに対する悲しみを表現する挨拶にとどめておくのが無難です

身内など遺族に対する「お悔やみの言葉」

「ご冥福お祈りします」は故人に対する言葉ですが、亡くなった方の身内、つまり遺族にかける言葉にはどういったものがあるのでしょう。通夜や葬儀での挨拶にも使える言葉を紹介します。

身内など遺族には「ご愁傷様です」

遺族によく使うのが「ご愁傷様です」という言い回しです。「愁傷」とは、嘆き悲しむという意味の言葉で、「ご愁傷様です」は不幸に際し「御気の毒に」という意味で、遺族との会話で使う表現です。通夜や葬儀の受付での挨拶としても定型句となっています。

遺族には「この度はご愁傷様です。○○様(故人)のご冥福をお祈り申し上げます」などと続けることもあります。なお、「ご愁傷様です」は弔電などで書き言葉としては使用できませんので注意しましょう。

「お悔やみ申し上げます」も定型句

「お悔やみ申し上げます」も通夜・葬儀でよく使う言葉で、「この度は誠にご愁傷さまです。心よりお悔やみ申し上げます」などという表現も一般的です。

「お悔やみ」とは、人の死を悲しむ・弔うという意味があり、「お悔やみ申し上げます」とは「故人の死を悲しんでおります」「故人の死をとても残念に思います」というような意味となります。遺族に対して使う言葉としては定型句として覚えておいてよいでしょう。

「哀悼の意を表します」は書き言葉

話し言葉ではなく、書き言葉としては「哀悼の意を表します」という表現があります。こちらは、弔電などの文章で使う表現です。

「哀悼」とは人の死を悲しみ、悼むという意味の言葉で、「哀悼の意を表します」で故人を思い、心を痛めています、というような意味になります。弔電では、「謹んで哀悼の意を表します」という風によく使われます。

英語では「R.I.P」

英語で「ご冥福お祈りします」という場合には、「May your soul rest in peace.」という表現を使います。「rest in peace」の頭文字を取って、「R.I.P.」と書かれることもあります。

また、遺族に対して悲しみや残念な気持ちを伝える表現では、

  • I’m sorry for your loss.
  • I pray his/her soul may rest in peace.

といった言葉が用いられます。いずれも、定型文として覚えておくとよいでしょう。

まとめ

「ご冥福をお祈りします」は、故人の死後の幸せを祈る言葉で訃報を受けた場合や通夜・葬儀の場で使用されます。誤用ではないものの、キリスト教や浄土真宗など宗教によっては好まれない表現ですので、相手の宗教に注意して使うのがポイントです。宗教に不安が残る場合には、ほかの言葉に言い換えた方が無難です。