「ステレオタイプ」の意味は?使い方を例文とともに解説

社会には様々な考え方の人がいますが、「ステレオタイプ」というとどのような考えを指すのか知っていますか?「ステレオタイプ」の意味と使い方を分かりやすく解説します。誰もが効いたことのあるような「ステレオタイプ」の具体的な例とあわせて、「ステレオタイプ」とは何かをマスターしましょう。



「ステレオタイプ」とは


まずは「ステレオタイプ」の具体例の前に、まずはその意味から解説します。「ステレオタイプ」には以下のような意味があります。

社会に浸透している固定観念・イメージ

「ステレオタイプ」とは、社会に広く浸透している固定的な概念やイメージ、という意味です。元々は社会学や政治学で主に用いられていた言葉でしたが、今ではビジネスなど様々な場での会話で使用されています。

他の言葉でいうと、「型通りのイメージ」や「紋切り型の考え」の事を「ステレオタイプ」と表現することができます。

英語「stereotype」に由来する

日本語で使われている「ステレオタイプ」は英語の「stereotype」が定着したものです。古くは印刷術で使用されていた「ステロ版」が語源で、ステロ版の印刷物同様に、型抜きして作られたかのように同じ、という意味から生まれた言葉です。

英語の「stereotype」は日本語で使われている「ステレオタイプ」と相違なく、定型・典型・決まり文句などといった意味で使用されています。

固定的で新鮮味のない考えにも使う

固定観念・型通りのイメージといった意味の「ステレオタイプ」は、すでに完成したもので新鮮味がない、というような意味合いでも使用されます。既出の考え方なので新鮮さも面白みも感じられない、といった嫌味なニュアンスで「ステレオタイプ」ということもあるのです。

「ステレオタイプ」の具体例


社会に広く浸透している固定観念という意味の「ステレオタイプ」。実際にはどういったものを思い浮かべますか?具体例をいくつかピックアップして紹介しましょう。

「O型はおおざっぱ」は典型的な例

最もわかりやすい身近なステレオタイプの例は血液型です。O型はおおざっぱ・A型は神経質、というようなイメージは日本では広く浸透していますが、実はこれらは日本人が持つ血液型に対する「ステレオタイプ」です。

他にも、

  • AB型は変わり者・二面性がある
  • B型は自己中心的・楽観的
  • O型はおおざっぱ・現実的
  • A型は神経質・まじめ

というように、それぞれに様々なイメージが定着しています。もちろん、A型の人がみなまじめで神経質かというとそうではなく、「ステレオタイプ」として定着している概念にすぎません。

「日本人はアニメ好き」もステレオタイプ

日本のアニメーションは海外でも高い評価を得ていますが、その影響もあってか「日本人はアニメが大好き」という「ステレオタイプ」を持つ外国人は多いものです。「オタク」というイメージも、「ステレオタイプ」のひとつといえるでしょう。

一方で、アメリカ人はジャンクフードが好き・社交的、といった「ステレオタイプ」も日本では根強いものです。また、日本国内でも、大阪の人は明るく社交的・田舎の人は親切だけどおせっかい、という風に地域による「ステレオタイプ」もあります。

仕事に対する「ステレオタイプ」も多い

仕事や職業に対する「ステレオタイプ」もたくさんあります。たとえば、

  • 保育士や看護師は女性の仕事
  • 教師はまじめ
  • 大学教授は変わり者
  • 営業職は飲み会が多い

といったものが挙げられます。言うまでもなく、こうした考えはあくまでも固定観念・イメージにすぎず、実際にはすべて一律に断定することはできません。

「ステレオタイプ思考」には要注意

「ステレオタイプ」は社会に浸透している考え方であり、ついつい鵜呑みにしてしまいがちですが、なんでも固定観念や思い込みで判断してしまう思考の事を「ステレオタイプ思考」と言います。

先に挙げた例がそうであるように、ステレオタイプのすべてが正しいとも限りません。また、時代とともに変わっていくこともたくさんあります。既存の考えを鵜呑みにしてばかりいると、偏見や差別へつながることもあります。自分の経験や感覚も大切にしたいものです。

「ステレオタイプな人」とは


「ステレオタイプ」という言葉を使い、「ステレオタイプな人」という表現をすることがあります。紋切り型の人、型にはまった人という意味ですが、実際にはどういった特徴があるのでしょう。「ステレオタイプな人」の特徴をまとめました。

自分の意見がない

「ステレオタイプな人」は固定観念にとらわれやすい人、という意味合いも持ちます。表現を換えると、多数派の意見に流されやすく、自分の意見を持っていない人という意味になります。自分の意見ではなく、「ステレオタイプ」で物事を考えがちなのが特徴です。

個性がない

「自分の意見がない」に通じる部分がありますが、「ステレオタイプな人」は個性がない人が多いとも言われます。たとえば、流行など周囲の動向には敏感なものの、人に同調しすぎて埋もれてしまうのも「ステレオタイプな人」の傾向です。

平均・平凡を好む

固定観念・想定通りのイメージを好む「ステレオタイプな人」は、大きな変化を嫌うのも特徴のひとつです。平均的で平凡な日々を望むことが悪いわけではありませんが、一方で競争心が低くチャレンジ精神に乏しいといわれることもあります。

「ステレオタイプ」の類語・対義語

最後に「ステレオタイプ」の類語と対義語を紹介します。言い換えたい場合はもちろん、意味の把握にも役立ててみてください。

類語は既成概念・典型など

「ステレオタイプ」の類語には、次のようなものがあります。

  • 既成概念
  • 典型
  • 典型例
  • 紋切り型態度

また、文脈にもよりますが、「画一的」や「最たる例」といった言葉での言い換えも可能です。

「偏見」との違いはマイナスイメージと主観

「ステレオタイプ」と似た意味の言葉に、「偏見」があります。「偏見」とは文字通り、偏ったものの見方のことで、とりわけ、好意的ではない先入観・判断を指します。

「ステレオタイプ」には肯定的・否定的両方の考えが含まれる点で異なり、「ステレオタイプ」は必ずしもマイナスな考え方・イメージとは限りません。また、「ステレオタイプ」が社会や集団に定着していることが前提ですが、「偏見」は主観を伴う個人的な先入観も含む点もポイントです。

意味には違いがあるものの、「ステレオタイプ」が偏見や差別につながったり、助長したりする例は珍しくありません。切り離せない関係にあることは、覚えておきたいポイントです。

対義語は四字熟語の「融通無碍」

「ステレオタイプ」の対義語としては、考えや行動にとらわれることがなく自由、という意味の「融通無碍(ゆうづうむげ)」という四字熟語が挙げられます。「融通」は通ること、「無碍」は妨げがないこと、という意味で、「融通無碍」は何の障害もなく、自由でのびのびしているという意味になります。

実は、「ステレオタイプ」には「融通無碍」という四字熟語以外にはこれといった対義語がありません。「融通無碍」という言葉が難しすぎとる・使いにくいという場合には、「型にはまらない考え方」「従来とは違うものの見方」という風に、「ステレオタイプ」を否定するような言い回しで表現することになります。

まとめ

「ステレオタイプ」は社会で浸透している考え方やイメージのことで、固定観念や紋切り型の考えを表します。「ステレオタイプ」が必ずしも悪いというわけではありませんが、中には差別や偏見へとつながるものもあります。物事のとっかかりとしては便利な「ステレオタイプ」ですが、自分の物差しや経験で考えることも大切です。