「デリカシーがない」の「デリカシー」とは?意味と使い方を解説

「デリカシーのない人」とは誰もが一度は聞いたことのある表現かもしれませんが、「デリカシー」という言葉そのものについては知らない人も多いものです。また、「デリカシーがない」とはどんな人を指すのでしょう。「デリカシー」の意味と使い方について解説します。

「デリカシー」の意味や語源とは?

デリカシーの意味は「神経が細かいこと・気配りの繊細さ」

「デリカシー」の意味は、”神経が細かいこと・気配りの繊細さ”です。周囲への気遣いや細やかな心配りを「デリカシー」と言います。気配り・心配りに限らず、感情の繊細さという意味もあります。

語源は英語「delicacy」

日本語で使われている「デリカシー」は英語の「delicacy」に由来します。英語でも、神経が細かいこと・精巧さ・気配り・優美さなどといった意味があり、カタカナ語の「デリカシー」と大きな違いはありません。

「デリカシー(delicacy)」は、繊細なという意味の形容詞「デリケート(delicate)」の名詞に当たります。この「デリケート(delicate)」はラテン語の「うっとりさせるような」という言葉が語源とされていて、繊細な美しさのイメージに近いかもしれません。

「デリカシー」の使い方とは?

「デリカシー」という言葉はどういった使い方がされているのでしょう。その代表的な使い方を紹介します。

「デリカシーの(が)ない人」が一般的な表現

「デリカシーのない人」という言い方は誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「デリカシーがない人」という言い方をすることもあり、どちらの表現もよく使われています。

「デリカシーがない」は、気配りの繊細さがない、つまり、配慮がなく失礼であると言う場合に使用される表現です。ビジネスシーンでは特に、仕事とは関係のないことをあれこれと詮索する人に対して「デリカシーがない」と言うことがあります。ビジネスを問わず使われる表現で、プライバシーにかかわるようなことや気にしているような繊細な話題に対してズケズケと物を言うような態度も「デリカシーがない」の代表的な例です。

「デリカシーに欠ける」という言い方も

「デリカシー」という言葉は、「デリカシーに欠ける」という表現がされることもあります。「欠ける」という言葉を使うことで、「デリカシーが(全く)ない」のではなく、配慮が足りない・気配りが行き届いていない、というようなニュアンスの表現です。「デリカシーがない」よりも、やや柔らかい表現になりますが、失礼な状況であることは変わりありません。

「デリカシーのない男(女)」の特徴とは?

「デリカシーがない」という表現は、同性間でももちろん使われますが、男女間の会話で使われることが何かと多い表現です。「デリカシーのない人」とはどういった人なのでしょう。その特徴は以下の通りです。

体型・容姿の話をする人

体型や容姿に関して質問・指摘するような人は「デリカシーのない人」の代表的な例です。「太った?」や「むくんでるね?」といった体型に関する話題は、女性は特に気に障る人も多いものです。また、「しばらく会わないうちに老けたね」というように、容姿に言及するのもデリカシーに欠けます。

女性だけでなく、男性に対しても体型や容姿に関してとやかく言うのは無遠慮です。他にも、髪の毛が薄くなった・メタボ・体臭などは男性でも気に障る話題です。男女を問わず、体型や容姿の話は避けたほうがよいでしょう。

話を聞かない一方的な人

相手への気配り・心配りは発言だけでなく、態度にも表れます。たとえば、相手の話には耳を貸さず、一方的に話を続けるような人や聞く耳を持たず主張を押し通そうとするような人は、「デリカシーのない人」と言えるでしょう。

また、同様のケースで、話を最後まで聞かない・相手を遮るように話す・わかったようなふりをして話を横取りするような人も「デリカシーがない」と言えます。

相手の気持ちに立てない人

体型や容姿の話題を持ち出す・話を聞かない、といった先述の項目にも通じる部分がありますが、相手の気持ち・立場にたって物事を考えられないのも「デリカシーがない人」の特徴のひとつです。たとえば、仕事で失敗して落ち込んでいる人に追い打ちをかけるように、失敗した時の状況や上司の反応を面白おかしく問いただすことは、デリカシーのない行動と言えます。

場の状況を見て行動することを「空気を読む」といいますが、空気を読めない人はデリカシーがない例が多いのも特徴です。

健康・お金の話題は出さないのがベター

「デリカシーのない人」にならないためには、上記以外にも、健康やお金に関するトピックは持ち出さないのがベターです。たとえば、「持病はどう?」と健康を気遣ったつもりが、「病気のことを聞くなんて無神経だ」ととられることもあります。お金の話題も同様で、意図していなくても、品がないととられる懸念が残ります。

「デリカシーがない」の類語とは?

「デリカシーがない」とはよく聞く言葉ですが、ほかの言葉で表現する場合にはどういえばよいのでしょう。言い換えにも便利な類語を紹介します。

デリカシーの類語は「気遣いがない」や「無神経な」など

「デリカシーがない」の類語は、配慮が足りない様子を表す言葉が該当します。たとえば、

  • 気遣いがない
  • 配慮に欠けた
  • 考えなしな
  • 無遠慮な

といった言葉は、類語の代表的な例です。ほかにも、

  • 無神経な
  • 心無い
  • 品のない

などといった言葉も、類語に当たります。相手の行動によって「デリカシーがない」とされる内容が若干異なるので、状況にあわせて言い換えてみてください。

まとめ

「デリカシー」とは、気配りや感情の繊細さを意味する言葉で、「デリカシーがない」とすることで、無神経な・心無い・配慮に欠けた、というような意味になります。「デリカシーのない人」にならないためには、容姿や体型、お金の話題は避け、一方的なコミュニケーションにならないような配慮が必要です。相手の立場にたった丁寧なコミュニケーションが良好な関係作りのポイントです。