「退職の挨拶メール」マナーと書き方!社内・社外への例文も紹介

会社を退職する時の挨拶メールに悩む人は多いようです。いつ送ったらよいのか、一斉に送ってもよいのか、などなどです。ここでは退職メールの書き方のポイントや送り方のマナーなどを、社外と社内に分けて紹介します。取引先や上司にあてた例文も紹介しています。

【社外】への「退職メール」の書き方と例文

退職メールを送る時期は退職まで1ヵ月を切ったら

社外に送る退職報告のメールは、引き継ぎの時間を考慮して、退職日まで1ヵ月を切ったあたりで送るのがマナーです。あまり早すぎると間が空きすぎて相手先が忘れてしまったり、引き継ぎのタイミングが合わないなど業務の進行に差し支えが出ることも考えられます。また遅くとも3週間位前までには退職の連絡を入れ、直接出向いての挨拶や後任の担当者の紹介などを手際よく行います。

メールには退職日と引き継ぎ内容を明確に書く

社外への退職メールは、「退職の報告と引き継ぎ」を目的としています。そのため、退職日と最終勤務日、引き継ぎの内容(後任者や後任者の紹介の予定、業務の引き継ぎについての確認事項など)を簡潔に記します。

退職理由は「一身上の都合」とし、私的な内容は書かない

退職メールを送る際には、退職理由は「一身上の都合」とし、退職の具体的な理由や退職後の予定や連絡先など、私的な内容は書かないようにします。

取引先・お客様への例文(件名例と本文例)

社外への退職メールの例文を紹介します。件名には、相手が一見してすぐに内容がわかるように、退職の連絡という言葉とともに社名と名前を入れるとよいでしょう。

件名:退職のご連絡(株式会社〇〇 鈴木一郎)

株式会社〇〇 △△部
〇〇△△様

いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の鈴木一郎です。
私事で大変恐縮ですが、このたび一身上の都合により、〇月〇日をもって株式会社〇〇を退職することになりました。最終出社日は〇日の予定です。
〇〇様には一方ならぬご高配を賜り、心より感謝しております。あらためてお礼を申し上げます。
後任は、△△部の〇〇が務めさせていただきます。退職までに万全の引き継ぎを行いますので、どうぞご安心ください。
つきましては、〇〇ともどもご挨拶に伺わせていただきますので、追って日程のご都合をお伺いする予定です。
残りわずかとなりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
まずはとり急ぎ、退職のご連絡まで申し上げます。

(メール署名)

【社内】への「退職メール」の書き方と例文

退職メールを送る時間は最終日の業務終了後が一般的

社内に送る退職の挨拶メールは、特に社内の規程などがない場合は最終勤務日の勤務時間が終了してから送るのがマナーです。あくまでも個人的な挨拶のメールであるため、業務時間内に個人的なメールを送るのは問題だと考える人もいることを考慮しましょう。

社内への一斉送信は一般的となっている

大きな会社で部署ごとに部屋が分かれていたり、人数も多かったりするなど、全員に直接挨拶ができない場合は、複数人に向けて一斉送信で挨拶メールを送ることも一般的に行われています。同じ内容の挨拶文を複数人に送信するのは退職の挨拶ということでマナーとしては問題ありませんが、メールの使い方の点では会社によっては規程が定められていることもあります。宛先の人数が多い場合などは事前に上司などに確認しておいた方がよいでしょう。社外に送る場合も同様です。

これまでの感謝の気持ちを簡潔に書き、私的な内容は控える

社内の同僚や他部署の関係者に一斉送信で退職メールを送る場合は、私的な事柄はなるべく控え、退職理由は「一身上の都合」とするのがよいでしょう。感謝の気持ちなど伝えたいことがたくさんあったとしても、簡潔な表現にとどめます。あくまでも、業務連絡の延長であることを意識することが大切です。

個人的に伝えたい事柄がある場合は、直接伝えるようにしましょう。

社内への退職メールは「返信」がないことを前提に書く

社内へ向けての退職メールは、返信の必要がない前提で書きます。あくまでもお世話になった感謝の気持ちを伝える最後のご挨拶であるため、簡潔に済ますことが大切です。

退職の挨拶メールを受け取った場合は、業務連絡で必要なことがある場合を除いて返信の必要はないといえます。個人的に連絡をしたい場合は、個人のメールアドレスなどに連絡を入れるのがよいでしょう。

上司へは直接挨拶していれば送らない選択肢も

退職日には、上司への挨拶は直接行うことでしょう。直接挨拶を行うのであれば、メールでさらに挨拶文を送る必要はないといえます。しかし退職日の当日に挨拶する予定だったのが、上司の突然の出張で予定が合わなくなったなど、予定していた挨拶ができなかった時はメールで挨拶を送りましょう。

同僚への挨拶もできる限り直接行うのが望ましく、小さな会社などで全員に挨拶を行える環境であれば、メールの挨拶は不要であるといえます。

社内への例文(件名例と本文例)

社内への例文を紹介します。

社内への一斉送信の例文

同僚や関係部署へ一斉送信する場合の例文です。最終勤務日の勤務時間終了後に送信する場合は、会社業務で使用していたメールの署名を外す配慮をすることで返信不要ということが伝わります。

件名:退職のご挨拶(〇〇部 加藤)

各位
お疲れ様です。お忙しいところ失礼いたします。
〇〇部の加藤です。

私事で恐縮ですが、このたび一身上の都合により〇月末をもって退社することになり、本日が最後の出社日となりました。
本日まで、皆様には大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。
入社以来〇年という短い間ではありますが、多くのことを学ばせていただき、感謝の気持ちで一杯です。
なお、私の担当しておりました〇〇業務は△△へ引き継ぎを行っております。
今後のご連絡は、△△までお願いいたします。
最後になりましたが、皆様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
略儀ながらメールにてご挨拶いたします。

加藤一郎

上司への例文

件名:退職のご挨拶

〇〇部長

お疲れさまでございます。
△△です。

本日が最終勤務日となり、業務が終了しましたのでご挨拶申し上げます。
〇〇部長には入社以来、大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
社会人として未熟な私を根気強くご指導いただきましたこと、改めてお礼申し上げます。
今後は新しい活動の場でより一層努力していく所存です。
なお、△△さんへの業務の引継ぎは予定通り完了いたしましたことをご報告いたします。
最後になりましたが、〇〇部長の一層のご健勝とご活躍をお祈りいたしております。
本日ご挨拶ができなかったため、略儀ながらメールでご挨拶を申し上げます。

加藤一郎

「退職メール」の目的

退職メールの目的は「社外」と「社内」で違う

退職する時に送るメールには2種類の目的があります。1つは退職することを報告するメールで、主に社外の取引先やお客様に向けて、この日に退職するということをお知らせするとともに、後任の紹介などを添えて仕事の引継ぎも考慮に入れたメールです。退職までの引き継ぎ業務のステップの一つでもあります。

2つ目は、お世話になったことへの感謝を伝える目的で送る挨拶のメールです。こちらは主に社内の人に向けて勤務の最終日などに送ることが一般的です。

目的が異なるため、「社外」と「社内」書き方には注意しましょう。

まとめ

「退職メール」は2種類あり、社外の取引先などに送る、引き継ぎの連絡を含めた退職の連絡のメールと、社内の人に送る、退職にあたって感謝を伝える挨拶のメールです。どちらの場合も、退職という私的な事柄に関するメールですが、業務の一環であることを忘れずに書くことが大切です。親しい同僚に個別にメールを送る場合でも、会社から貸与されたメールを使用していることを念頭に置き、簡潔な内容を心がけましょう。

ビジネスメールのマナー全般もあわせて参考にしてみてください。