「お手数」の意味と使い方を解説!正しい読み方と英語表現も

「お手数おかけします」は誰もが一度は耳にしたことのあるフレーズでしょう。しかし、この「お手数」という言葉の意味と使い方を正しく知っていますか。「お手数」を使った様々なフレーズを、使用シーンとともに紹介します。今更聞けない読み方も必見です。



「お手数」とは

「お手数おかけします」や「お手数ですが」という場合の「お手数」はどのような意味なのでしょう。

「お手数」は「手間」のこと

「お手数」の「手数」とは、一言でいうと、「手間」という意味の言葉です。もう少し詳しく言うと、「手数」には、「あることをするための労力・動作・手間」といった意味があり、「手数の多い仕事」というと、労力や手間がかかる仕事を意味します。

また、「多い」という言葉を用いなくても、「その労力(動作)が多く面倒である」といったニュアンスも持つ言葉です。それに尊敬の意味を持つ「お」を付けた言葉が「お手数」です。相手を敬った表現なので、自分の動作・労力に「お手数」は使うことはしません。

読み方は「おてすう」が一般的

「手数」には、「てすう」「てかず」の二通りの読み方があります。どちらでも問題ありませんが、「お手数おかけします」や「お手数ですが」という意味で使う時は、「おてすう」という読みを使うのが一般的です。

なお、「てかず」という読みは、碁や将棋の「手」の数という意味で用いられることが多い読み方です。

「お手数」の使い方と例文

手間・労力という意味の「お手数」という言葉は、実際にはどういった使い方が正しいのでしょう。よく使う表現や便利な表現を例文とともに紹介します。

「お手数ですが」はクッション言葉

「お手数」はよく、「お手数ですが、ご確認ください」という風に、前置き・クッション言葉として使われる表現です。この場合は、「お手間をおかけしますが」という意味になり、時間を割いてもらう申し訳なさ・感謝のニュアンスを含み、文字通り、言葉を和らげるようなクッションの役目を担います。つまり、「お手数ですが」とすることで、同じ内容でも柔らかい印象を持った文章となるのです。

「お手数をおかけしますが」は依頼・お願いの表現

「お手数ですが」と同じニュアンスの表現に、「お手数おかけしますが」というものもあります。意味は「お手数ですが」と同じですが、「(時間・労力・費用などを)そのために使う」という意味の「かける」という言葉を使った表現です。

特に、依頼内容を明記したうえで、「お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします」と締めくくるのもよくある例で、ただ「宜しくお願いします」と依頼するよりも気持ちのこもった表現になります。

「お手数ではございますが」はやや丁寧

「お手数ですが」「お手数をおかけしますが」という表現とともに用いられるのが「お手数ではございますが」という表現です。「ございます」は丁寧語のひとつで、「お手数」という言葉だけでなく、ビジネスシーンではよく用いられます。

なお、「お手数ではございますが」の使い方は、先の2例と変わりありません。文の頭につけてクッション言葉として使うことができます。

「お手数をおかけして恐縮ですが」もOK

「恐縮(きょうしゅく)」とは、「恐れ入ること」という意味の言葉で、相手に迷惑をかけたり、逆に厚意を受けたりした際に申し訳なく思うことを表します。「お手数をおかけしますが」という表現にも、すでに「申し訳ない」というニュアンスが含まれてはいますが、「恐縮ですが」と言葉にすることでよりお詫び・感謝の意図が強くなります。

「お忙しいところ」とセットで配慮ある表現に

「お手数」という言葉は、「お忙しいところ」という言葉とともに用いることもよくあります。たとえば、「お忙しいところお手数をおかけしますが」や「お忙しいところお手数ではございますが」といった表現です。

相手への配慮がより一層感じられるのが特徴で、「お忙しいところ」以外にも「ご多忙のところ」や「ご多忙中に」という言い方をすることもあります。

訂正依頼などでは「お手数をおかけして申し訳ございません」

書類や日程変更などを依頼する場合には、「お手数をおかけして申し訳ございません」とします。特に、こちらの都合で変更をお願いするような場合に用いる表現です。既に対応してもらったことに対し、「お手数をおかけして申し訳ございませんでした」という風にすることもあります。

「お手数おかけします」は誤りではない

「お手数」は、「お手数をおかけします」という表現で紹介してきましたが、「お手数おかけします」という風に助詞の「を」を省くことがあります。「を」を省略した「お手数おかけします」という表現も、間違いではありませんが、文字にした場合には特に違和感を覚える人もいるようです。

そのため、文字で書く場合には「を」を省略せずに「お手数をおかけします」とするのがベターです。

「お手数」の類語・言い換え表現

「お手数」という言葉は、様々な形で用いられていますが、似たような意味の言葉は他にもあります。類語や言い換えに使える言葉を紹介します。

「ご面倒」は言い換えに便利な類語

「お手数」の類語のひとつに「ご面倒」があります。「面倒」とは、手間がかかってやっかいなこと・わずらわしいこと、という意味の言葉で、尊敬の「ご」をつけることで、相手に「面倒」な思いをさせる意味で使用します。

たとえば、「ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします」や「ご面倒をおかけして申し訳ございません」という風に、「お手数」の言い換え表現としても使用することが可能です。

「お手間をとらせてしまい」も類似表現

「お手数をおかけして恐縮ですが」という表現と同様の意味で使える表現に、「お手間をとらせてしまい」という言い回しがあります。簡単に言うと、面倒なことを受けてくれた場合に使う表現です。

「お手数」は「おかけして」と言いますが、「お手間」は「かける」ではなく「とらせてしまい」という風にするのがポイントです。「お手間をおかけして」とは言いませんので、注意しましょう。

「ご足労おかけしますが」という表現も

たとえば、相手にこちらに来てもらうように依頼するような場合には、「ご足労おかけして申し訳ございません」や「ご足労おかけしますがよろしくお願いいたします」といった言い方も「お手数おかけしますが」の類似の表現として使用できます。

「ご足労」とは、相手が歩く・行く・来るなどする場合に使う表現で、「ご足労おかけしますが」とは相手が出向くことへの感謝の気持ちを表した言い回しです。

「ご迷惑をおかけしますが」は使い方に注意が必要

「お手数をおかけしますが」と似た表現には、「ご迷惑をおかけしますが」という言い方もあります。たとえば、「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします」という風な使い方をされることがありますが、実はこの表現はおすすえめできる言い回しではありません。

「迷惑」とは、不利益や不快感の事ですので、「よろしくお願いします」と後に続けてしまうと「不利益ですがよろしく」という意味になり失礼なのです。「ご迷惑おかけしますが」という表現は、必ず、「申し訳ございません」など謝罪の言葉と使うのがマナーです。

「お手数」を英語にすると?

「お手数ですが」や「お手数をおかけしますが」を英語にすると、どうなるのでしょう。国際社会でも欠かせないフレーズですのでぜひおさえておきましょう。

「I’m sorry for your inconvenience」は定型句

英語では、「お手数をおかけいたします」という意味で「I’m sorry for your inconvenience」という定型句があります。以下のように、感謝の言葉を添えて使うのが一般的です。

  • I’m sorry for your inconvenience.Thank you for your cooperation.(お手数をおかけいたします。ご協力に感謝します/よろしくお願いいたします)

また、日本語の類語として紹介した「ご面倒」を使った表現では、

  • I’m sorry for bothering you
  • I’m sorry to trouble you

という言い回しもあります。

まとめ

「お手数」は、「お手数ではございますが、ご確認ください」や「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」という風にビジネスシーンではよく使う必須の表現です。感謝や謝罪のニュアンスを含む表現で、文章全体を和らげてくれるような効力もあります。相手に配慮した表現なので、積極的に使いたいものです。