「閑話休題」は、話題を切り替える際に使用される四字熟語ですが、細かい意味を知らずに誤った使用例の多い四字熟語でもあります。「閑話休題」の正しい意味と使い方をはじめ、類語・対義語から英語表現まで幅広く解説します。
「閑話休題」とは
四字熟語「閑話休題」の意味は”無駄話から本題に戻る”
四字熟語「閑話休題」の意味は、“無駄話から本題に戻ること”です。もともとは書き言葉として使用されていたもので、余談から本題へと筆を戻す際に「閑話休題」と使っていたようです。
「閑話」とは暇な時にする無駄話、「休題」とは話をやめたり話題を変えたりすることを言います。そこから、「閑話休題」で「無駄話をやめて本題に戻る」という意味として使用されています。
「本題から話をそらす」は真逆の意味・誤用
「閑話休題」は時折、本題から離れる場合に使われることがありますが、それは誤りです。先にも示したように、「無駄話をやめて本題に戻る」というのが「閑話休題」の本来の意味ですので、「話を脇道にそらす」というのは真逆の意味になってしまいます。「閑話休題」の最も多い誤用ですので、注意しましょう。
「閑話休題」の読み方は”かんわきゅうだい”
「閑話休題」の読み方は、“かんわきゅうだい”です。「閑話」の「閑」には、「静か」という意味もありますが、「暇」「無駄」という意味もあります。あまり知られていませんが、「閑」は「かん」という音読みのほか、「ひま」という訓読みも持つ漢字です。
「閑話休題」の由来・語源は”水滸伝”にあり
「閑話休題」は、古代中国の歴史小説「水滸伝(すいこでん)」に由来するとされています。日本語にして「閑話をとりて休題し」という表現が、「閑話休題」の語源となっているようです。なお、元々は書き言葉として使用されていた「閑話休題」ですが、現代では話し言葉としても使用されています。
「閑話休題」の使い方と例文とは?
「閑話休題」は実際にはどのように使うのでしょう。具体的な使用例について紹介します。
「それはさておき」のように接続詞的に使われる
「閑話休題」は、接続詞のように文頭で使うのが一般的です。たとえば、「閑話休題、本題に入りましょう」と使うと、「余談はおしまいにして、本題に入りましょう」という意味になります。「それはさておき」という風に、話を一区切りして本題に戻る場合にも使うことができ、「閑話休題、~~の話に戻ります」という表現も可能です。
次の話題に移る際にも使うことができる
「無駄な話をやめて本題に戻る」というのが「閑話休題」の元々の意味ですが、次の話題に移る場合にも使われています。たとえば、「閑話休題、次に来月のキャンペーンについて話します」とすると、「さて」と同じようなニュアンスとなります。
雑談や休憩の後に、場を引き締めたり、仕切り直したりする場合にも便利な表現です。
余談に入るときは「閑話休題」は使えない
話題が変わるシーンや本題に戻す場合などに「閑話休題」とすることはあっても、余談を始める際に「閑話休題」という言葉は使うことができません。話題を切り替える場合でも、その後に話すべき本題(主題)を始める際に「閑話休題」とするのが使い方のポイントです。
「閑話休題」の類語とは?
「閑話休題」の類語にはどのような言葉があるのでしょう。日常的にも使いやすい表現をいくつか紹介します。
閑話休題の類語は「余談はこれくらいにして」
「閑話休題」の分かりやすい類語のひとつが、「余談はこのくらいにして」という表現です。「余談はこのくらいにして本題に戻りましょう」などという表現は、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。ほかにも、「話を戻しますが」なども「閑話休題」の類語です。
話題を転換するような表現も類語にあたる
余談を終わりにする、というニュアンスの表現以外にも、「さて」や「ところで」といった表現も、「閑話休題」の類語と言えるでしょう。ほかにも、話題を変える場合に用いる「それはさておき」「それはそうと」なども、「閑話休題」の類語です。
「閑話休題」の対義語とは?
「閑話休題」と反対の意味の言葉には、以下のようなものがあります。
閑話休題の反対語は「余談ですが」や「余談ながら」
「閑話休題」が余談から本題へと戻ることを意味するので、その反対語は、「本題から余談に移る」表現が該当します。たとえば、
- 余談ですが
- 余談ながら
が「閑話休題」の対義語です。
また、「ちなみに」や「ついでに」も「閑話休題」の対義語に当たります。いずれも、これまで述べてきた事柄と関連した情報ではありますが、本題とは異なる事項を述べる場合に使う表現です。
「閑話休題」の英語表現とは?
「閑話休題」は、英語で表現したい場合にはどういった表現を使うのでしょう。
英語では「さて」を意味する「now」を使う
「閑話休題」を別の日本語に言い換えると、「さて」ということができます。この「さて」に当たる英語で一番シンプルな表現が「now」です。
「now」には「今」という意味以外にも、「さて」という意味があり、「Now, Let’s move on the next topic(閑話休題[さて]、次のトピックに移りましょう)」などと使うことができます。
まとめ
「閑話休題」は古代中国より伝わった四字熟語のひとつで、「無駄な話はやめて本題へと移ります」という意味で使用される言葉です。「余談ですが」と話がそれる際に「閑話休題」と使うのは誤用で、正しくは本題(主題)にもどる場合や新しいトピックに移る際に使います。誤用にはくれぐれも注意してください。