「換骨奪胎」の意味とは?由来から類語・英語まで解説!例文あり

四字熟語「換骨奪胎」とはどのような意味なのでしょう。中国に由来する「換骨奪胎」の意味と使い方を、例文を交えながらわかりやすく解説します。また、「オマージュ」や「パクリ」など類語との違いについても記載しています。あわせて参考にしてみてください。



「換骨奪胎」とは

「換骨奪胎」は「かんこつだったい」と読みます。その意味を紹介する前に、まずは「換骨奪胎」という四字熟語の由来・語源からみていきましょう。

「換骨奪胎」の語源は中国、『冷斎夜話』に由来あり

「換骨奪胎」の語源は、中国の『冷斎夜話(れいさいやわ)』という書物にあります。これに記載された詩文を作る「コツ」に関する一節が「換骨奪胎」の由来となっているようです。

そこでは、「換骨法(元の内容を生かして自分の言葉にする)」と「奪胎法(言葉を手本とし内容を作り変える)」という手法が詩文の「コツ」として語られていて、これらが「換骨奪胎」という表現につながっているとされています。

意味は「先人の形式に工夫を加え、独自のものにすること」

詩文をうまく書く「コツ」である「換骨法」と「奪胎法」をあわせた「換骨奪胎」は、「先人の形式を利用しながら自分のものに作り変えること」「工夫を加え自分独自のものにすること」という意味で使われる四字熟語です。詩文のコツとして紹介された手法が、そのまま四字熟語として現代に伝わっているといえるでしょう。

「換骨奪胎」はわかりやすく言うと「オマージュ」

「換骨奪胎」は、「骨を換え胎(ここでは子宮の意味)を奪う」というその漢字の見た目からも仰々しい雰囲気もありますが、カタカナ語の「オマージュ」と似たような意味ということができます。

「オマージュ」とは、「尊敬する先人の作品に影響を受け、似たような作品を創作すること」という意味の言葉で、「この小説は○○のオマージュだ」という風に、作られた作品を「オマージュ」ということも可能です。芸術や文学作品などに対して使用します。

「換骨奪胎」のように、「先人(の作品)に影響を受ける」「先人(の作品)を尊敬する」というニュアンスを含むのは、「換骨奪胎」と「オマージュ」の共通点といえるでしょう。

「換骨奪胎」の使い方と例文

「換骨奪胎」は実際に文章や会話ではどう使うのが正しいのでしょう。使用シーン・使用例を紹介します。

「換骨奪胎された作品」などと使う

「換骨奪胎」は、詩文をうまく作る「コツ」としての語源があるように、現代でも何らかの作品に対して使う表現です。そのため、「うまく換骨奪胎された作品だ」という風な使い方が一般的です。

また、「この映画は、古典を換骨奪胎したものだ」という風に、「換骨奪胎する(した)」と言う使い方をすることもできます。

「模倣」の意味で使うのは本来は誤用

「換骨奪胎」を「模倣」の意味で使う人もいますが、厳密には誤用です。「模倣」とはつまり、「マネをすること」ですが、「換骨奪胎」は「何らかの手を加えて自分のものにする」「作り変える」というニュアンスを含む表現で「模倣」とは異なります。

しかし、時代とともに言葉の意味は変わるもので、近年では「模倣」や「焼き直し(部分的に手を加え、新しい作品であるかのように見せること)」という意味で「換骨奪胎」を使うことも許容されつつあるようです。ただし、「換骨奪胎」の意味に含まれる「先人への敬意」というニュアンスを考慮すると、ただ単にマネしただけ・少し文章を付け足しただけという「模倣」や「焼き直し」は、厳密には「換骨奪胎」とは言い難いものです。

「先人の形式をとらえながらも独自の工夫を凝らし、オリジナリティあるものにする」という「換骨奪胎」本来の意味も忘れないようにしましょう。

「換骨奪胎」の類語

「換骨奪胎」の類語にはどのような表現があるのでしょう。似た意味の四字熟語のほか、話し言葉として使いやすいフランクな表現も併せて紹介します。

四字熟語では「点鉄成金」が「換骨奪胎」の類語

「換骨奪胎」と同じ四字熟語では、「点鉄成金」という表現が類語に当たります。

「点鉄成金(てんてつせいきん)」とは、「ほかの人が作った平凡な文章を素敵な作品に仕上げること」という意味の四字熟語です。「平凡なもの」を「素晴らしいもの」に作り変えるというニュアンスが特徴的で、「換骨奪胎」のように元の作品を尊敬したり、自らをへりくだったりするようなニュアンスはありません。

「リメイク」も「換骨奪胎」の類語のひとつ

「換骨奪胎」はやや難しい表現ですが、もう少しフランクでわかりやすい表現を使うと、「リメイク」と言い換えることができます。映像作品に主に使われる「リメイク」という言葉は、伝統的な作品や人気を博した作品を、現代の技術や時代背景に合うように新たに製作する、という意味のカタカナ語です。

「リメイク」は、「元々の内容を生かして、言葉を書き換える」「内容はそのままに自分の言葉にする」という意味で、「換骨奪胎」に共通する部分があります。時代を超えて愛されるような名作はもちろん、海外作品を日本の文化に即した形で「リメイク」することもよく見受けられます。

他にも「インスパイア(インスパイアされた)」なども類語といえるでしょう。「インスパイア」は主に芸術の分野で、「触発された」「影響を受けた」という意味でつかわれます。

「換骨奪胎」は「パクリ」とは違う?

日常的にもよく使われる表現のひとつに「パクリ」という言葉があります。すでにあるものを模倣したり、非常によく似た作品を製作・発表したりすることが「パクリ」と言われ、主に、作品の「盗用」という意味で使われています。

「換骨奪胎」は最近でこそ「模倣」という意味で用いられる例もありますが、本来は「(先人の作品に)工夫を加え、独自のものにすること」を指します。形式は利用するものの、作品そのものはオリジナルであるのが「換骨奪胎」の本来の意味です。そのため、「パクリ」と「換骨奪胎」は類語とは言えません。

また、「換骨奪胎」は過去の作品に対する尊敬の念が含まれますが、「パクリ」はネガティブなニュアンスで使用される点でも異なります。

「換骨奪胎」を英語にすると?

「換骨奪胎」を英語で表現する場合にはどういった単語を用いるのでしょう。「換骨奪胎」の英訳を紹介します。

英語では「adaptation」を使う

英語で「換骨奪胎」という場合、「adaptation」を使います。「adaptation」は、「適応」「適合」の意味でよく知られる単語ですが、「改作」という意味も持ちます。たとえば、「~を換骨奪胎したものである」は「This is an adaptation from~」と表現します。

他にも、「modification(部分的修正・改造)」や「recasting(単語や句を換えること)」などの単語を使うこともあるようです。

まとめ

「換骨奪胎」は、上手に詩文を作るコツから生まれた四字熟語で、「先人の形式に工夫を凝らし、自分のものを作る」という意味があります。わかりやすい単語にすると「オマージュ」や「リメイク」が「換骨奪胎された作品」といえるでしょう。最近では「模倣」の意味で使われること増えているようですが、本来は「手を加えオリジナリティを持たせた作品」が「換骨奪胎」です。細かいニュアンスの違いにも注意したいものです。