「三者三様」という四字熟語の意味を正しく知っていますか?なんとなく受け流しがちな「三者三様」の詳しい意味と使い方について解説します。また、「十人十色」「三人三様」などの類語との違いにも触れています。細かい違いを抑えて正しく使いましょう。
「三者三様」の意味とは?
「三者三様」の意味は”人それぞれで違うこと”
「三者三様」の意味は、“人それぞれで違うこと”です。三人いれば、三通りの考え・やり方・形などがあるということを表した四字熟語です。「考えややり方が人によって違うこと」「人それぞれであること」を表現したい場合に「三者三様」と言います。
「三者三様」の使い方と例文とは?
「三者三様」は違いを肯定
「人それぞれ違う」という意味を持つ「三者三様」は、互いの違いを肯定するような場面で用いられる表現です。
また、意見が食い違った場合には、「三者三様の考えがあって当然だ」という言い方もできます。
「三者三様」という言葉そのものは、悪い意味で使われることはあまりありませんが、「会議では三者三様の意見が飛び交い、いまだ結論が出ていない」という風な表現をすることもあります。
「三者三様」は性格や考え、行動にも使える
違いを肯定したい場合によく用いられる「三者三様」は、人の性格や考え方のほか、行動(やり方)に対して使うこともできます。
- 勉強のやり方は三者三様で、人によって異なる
- 私たちはそれぞれ、三者三様に行動した
- 同一チームのメンバーではあるが、彼らは三者三様に仕事を進めている
いずれも、「各人がそれぞれのやり方(方法・方針)で動いている」という意味合いで「三者三様」を使用している例です。
「三者三様」の類語とその違いとは?
「三者三様」の類語は”十人十色”や”百人百様”
「三者三様」の類語には、「十人十色(じゅうにんといろ)」があります。「十人十色」はよく知られている通り、「十人いれば十通りの考えややり方がある」という意味で、転じて「考えややり方、好みなどは人によってそれぞれ異なる」という意味で使われる表現です。
「三者三様」「十人十色」のいずれも「数」を使った表現ですが、他には「百人百様(ひゃくにんひゃくよう)」という言葉もあります。百人百様」もまた「人それぞれ」という意味ですが、数字が大きいだけに、規模の大きい事柄に対して使うのが一般的です。少人数を比較する場合には、「三者三様」が適切と言えるでしょう。
「三人三様」は”三人”に限定した表現
「三者三様」と同様に、「三」という数字を使った言葉に「三人三様」があります。「三人三様」は、「三人の考えなどがそれぞれ違うこと」という意味の言葉で、「人それぞれ」というニュアンスでは「三者三様」と似た表現です。
ただし、「三人三様」は「特定の三人」を指して、行動や考えなどが異なることを示す際に使う点が特徴です。そのため、「三人三様」は、二人や四人以上では使用できません。一方の「三者三様」の「三者」は、あくまでも例えに過ぎず、人数を問わずに使える点で異なります。
「千差万別」なども三者三様の類語
「三者三様」の類語はほかにもいくつかあり、たとえば「千差万別」などが挙げられます。「千差万別(せんさばんべつ)」とは、「様々な種類があり、それぞれが異なっている」という意味の四字熟語です。
「千差万別」の一番の特徴は、人だけでなく「もの」に対しても「千差万別の品物」などと使うことができる点にあります。
「三者三様」の英語表現とは?
「三者三様」は英語で”So many men, so many minds”
英語にも、「三者三様」と同じような意味の表現はあります。下記はいずれも「三者三様」と同じように、「人それぞれ」というニュアンスを表現します。
- So many men, so many minds.(たくさんの人がいるなら、たくさんの考え方がある)
- Different people have different opinions.(人が違えば、意見も違う)
- Each has his own way of doing.(各々が自分なりのやり方を持っている)
まとめ
「三者三様」は、「人それぞれ」「意見や考えはみな違う」という意味で使われます。「三者三様」の「三者」はあくまでも例えで、「十人十色」や「百人百様」と同じ意味の表現です。人数を限定せずに使える表現ですが、大人数に対して「三者三様」というと規模が違いすぎて違和感を覚える人もいます。比較的少ない対象について言う際に使うのがベターです。
新たに入社した三名は、個性や経歴は違うものの三者三様の良さがある