「雲散霧消」の意味とは?例文つきで使い方や類語表現も解説

ゲームや歌のタイトルとしても使われている「雲散霧消」にはどのような意味があるのでしょう。四字熟語「雲散霧消」の詳しい意味について、例文を交えながら詳しく解説します。類語や英語表現も参考にしてみてください。

「雲散霧消」とは?

「雲散霧消」の意味は”跡形もなく消えること”

「雲散霧消」の意味は、”物事が一度に消えて、跡形もなくなくなってしまうこと”です。「雲」や「霧」が消えてしまう様子を、跡形もなく消えることの例えとして用いた四字熟語です。

「雲散霧消」の読み方は”うんさんむしょう”

「雲散霧消」は、”うんさんむしょう”と読みます。読み方はさほど難しくはないのですが、誤字が多いので書く際に注意が必要です。

「雲散霧消」は「消えてなくなる」という意味から、「雲散無消」と誤表記される例を時折目にします。先述したように、「雲」と「霧」を例えとして用いた表現ですので、「雲散霧消」と書くのが正解です。書き間違いに注意しましょう。

「雲消霧散」という表現もあり

「雲散霧消」と似た表現には、「雲消霧散(うんしょうむさん)」が挙げられます。「雲散霧消」の「散」と「消」の位置を変えた表現で、「雲散霧消」も「雲消霧散」も意味は同じです。

よく似た表現だけに誤表記ととらえられがちですが、「雲消霧散」は、「雲散霧消」の誤りではなく、同じ意味の別の言葉として覚えておきましょう。

「雲散霧消」の使い方と例文とは?

「雲散霧消となる」とは”消えてなくなること”

「雲散霧消」は、「消えてなくなってしまう」という意味で「雲散霧消となる」「雲散霧消となった」という使い方をよくします。たとえば、次のような使用が可能です。

  • 新規プロジェクトの話は雲散霧消となった
  • 操作を誤り、努力して作った資料があっけなく雲散霧消となった
  • 政治家の公約は雲散霧消することが多いので期待していない

「雲散霧消」は気分が晴れる様を表す際にも使える

「雲散霧消」は、「消えてしまって残念だ」という意味合いで使うこともあれば、雲や霧が晴れるように心が晴れる様を表す際にも使用できます。たとえば、

  • 繁忙期を乗り切り、雲散霧消の心地である
  • 友人に相談したことで悩みも雲散霧消となり、気分が晴れた

といった使用が可能です。「物事が消えてなくなる」という意味だけでなく、わだかまりや心のもやもやに対しても使える点は大きな特徴です。

「雲散霧消」の類語とは?

雲散霧消の類語①「跡形もなく消える」「消滅する」

「雲散霧消」は、「跡形もなく消える」や「消滅する」という言葉に置き換えることができます。「悩みが雲消霧散となった」という意味で使う場合には、「すっきりとする」と言い換えられることもあるでしょう。

また、少し難しい表現では、「灰燼に帰す(かいじんにきす)」が「雲散霧消」の類語として挙げられます。「灰燼に帰す」とは、「跡形もなく消え灰になってしまう」という意味で、「築き上げてきたものがすべてなくなってしまう」という意味です。「灰燼と化す」とも言います。

雲散霧消の類語②「露と消える」

「雲」や「霧」に似た言葉を使うのであれば、「露と消える」という表現もあります。「露(つゆ)」は太陽が上がるとともに消えてしまうことから、「露と消える(露となって消える)」は人の命のはかなさの例えとして用いられたのがはじまりです。そこから、「亡くなる」「はかなく消える」という意味で使われる表現となっています。

四字熟語では「雲消雨散」や「雲散鳥没」も類語

「雲散霧消」と同じ四字熟語では、「雲消雨散」や「雲散鳥没」などが類語です。「雲消雨散 ( うんしょううさん )」「雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)」のいずれも例えを用いた表現で、「雲散霧消」と同様に「跡形もなく消えてなくなる」という意味があります。

「雲散霧消」の英語表現とは?

英語でも「mist(霧)」を使った表現がある

「雲散霧消」と似た意味の英語表現には、「mist」を使ったものがいくつかあります。たとえば「vanish like mist」は、「霧のように消えていく」という意味です。ほかにも、「disperse like mist(霧のように消滅していく)」や「go up in smoke(煙のようにはかなく消える)」などといった表現も使うこともできます。

まとめ

「雲散霧消」は「跡形もなく消えること」という意味の四字熟語で、「雲」や「霧」がその影もなく消えてなくなる様に例えた表現です。物理的になくなってしまうことだけでなく、悩みやわだかまりなど目に見えないものに対しても使うことができます。「雲散霧消」は「無消」とする誤字も多いので、漢字にはくれぐれも注意しましょう。