// 「久方ぶり」の意味と正しい敬語の使い方とは?目上の人にはNG? | TRANS.Biz

「久方ぶり」の意味と正しい敬語の使い方とは?目上の人にはNG?

「久方ぶり」という言葉は、その漢字からおおよその意味がイメージできます。その一方で、使い方は単純ではなく、特にビジネスシーンで「久方ぶり」を使う場合には注意が必要です。「久方ぶり」の使い方と正しい敬語表現について解説します。

「久方ぶり」とは?

「久方ぶり」の意味は”長い時間が経っていること”

「久方ぶり」の意味は、“長い時間が経っていること”です。

「久」という漢字から分かるように、”久しぶり”や”久々”といった言葉の類語です。「久し振り」と同様に、「久方振り」と書かれることもあります。

「久方ぶり」の読み方は”ひさかたぶり”

「久方ぶり」の読み方は“ひさかたぶり”です。

「久方ぶり」は敬語表現ではない

「久しぶり」に対して、「久方ぶり」という言葉はかしこまった印象を受けるかもしれませんが、厳密にいうと「久方ぶり」は敬語表現ではありません。

「久方ぶり」は、やや改まった丁寧な言い方ではありますが、敬語とは異なります。そのため、敬語で接するべき相手に安易に使ってしまうと失礼に当たることがあります。

ビジネスシーンではNG?「久方ぶり」の使い方とは?

「久方ぶり」という言葉は、しばらく会わなかった人に挨拶代わりに使うことのできる便利な表現です。ただし、先述したように、使う相手によっては失礼に当たることもあるため、注意が必要です。詳しい使い方を紹介します。

「久方ぶり」は”久しぶり”の代わりに使える

「久方ぶり」は、「久しぶり」という言葉の代わりにそのまま使うことができます。挨拶として「久方ぶりです」という言い方も可能です。

他にも、「久方ぶりにお会いしましたね」や「久方ぶりに勉強会を開催します」「社長にお会いするのは久方ぶりです」というような使い方もできます。「久方ぶり」の持つ意味そのものが単純なので、文章でも使いやすい表現です。

「久方ぶりでございます」とは言わない

「久しぶり」の代わりに使うことができますが、「久方ぶりでございます」という言い方はあまりしません。誤りというわけではありませんが、丁寧な表現にさらに「ございます」を付けることで違和感が生じてしまいます。

また、「お久しぶりです」というように、丁寧の接頭辞「お」をつけて「お久方ぶりです」という言い方もありません。挨拶として使う際は「久方ぶりです」とシンプルに使います。

ビジネスシーンでは相手によって使い分けを

「久方ぶり」という言葉は、やや丁寧な言い方で、ビジネスシーンで使うことも可能です。ただし、敬語表現ではないため、取引先や上司に対して「久方ぶりです」と挨拶をしてしまうのは、失礼に当たることがあります。

取引先でも、担当者同士親しくしている場合などには使っても差し支えませんが、かしこまった間柄で「久方ぶり」を挨拶代わりに使うのは控えるのがマナーです。相手との関係性によって使用を検討してください。

なお、目上の人であっても「先日久方ぶりにゴルフに出かけまして」というように、話の流れで使用するのは問題ありません。

「久方ぶり」の正しい敬語表現とは?

取引先や上司に対して「久方ぶり」を敬語で使いたい場合には、「ご無沙汰しています」や「久しく」を使った言い換えが可能です。敬語表現について詳しく解説します。

目上の人には「ご無沙汰しております」が無難

かしこまった間柄では「久方ぶりです」ではなく、「ご無沙汰しております」という挨拶が無難です。「ご無沙汰」とは、長い間連絡をしていないことを意味する言葉で、一般には、2~3か月ほど間が空いた場合に使用します。

「ご無沙汰しております」のほかにも、「ご無沙汰して申し訳ございません」という言い方もあります。「申し訳ございません」という直接的なお詫びの言葉をつけなくても、「ご無沙汰しております」にはお詫びの意が入っているので、失礼には当たりません。

「久方ぶり」ではなく”久しく”という言い方も使える

「久方ぶり」という言葉に近い単語を使うのであれば、「久しく」という言葉も便利です。「ご無沙汰しております」をより丁寧に表現する場合や、よりかしこまった表現を選びたい場合には「久しく」を付け加えるのもおすすめです。

たとえば、「久しくご無沙汰を重ね、申し訳なく存じております」という風に使うことができます。「久しくご無沙汰いたしましたが、お変わりありませんでしょうか」という表現もあります。主に手紙やメールにおける言い方になりますが、目上の方への挨拶文として覚えておきたい例文です。

まとめ

「久方ぶり」とは、長い時間が経っていることを意味する言葉で、久しぶり・久々といった言葉の同義語です。「久方ぶりです」と挨拶代わりに使うことができますが、敬語ではないため、目上の人に使う際には配慮が必要です。そのため、ビジネスシーンでは「ご無沙汰しております」という挨拶表現が一般的となっています。