「戯言」の意味は読み方で変わる!使い方や類語・英語表現も解説

小説をはじめ、アニメなど様々な場で使われる「戯言」という言葉ですが、実は読み方によってニュアンスが異なることを知っていますか?「戯言」の読み方と意味、使い方について、詳しく解説します。「戯言」の類語や英語訳など関連用語も参考にしてみてください。

「戯言」とは?

「戯言」の意味①馬鹿げた話

「戯言」の意味は、“馬鹿げた話”です。「いい加減で面白くもなんともない話・何の意味もないような話」などの意味もあります。この意味の場合は、「たわごと」と読みます。

「戯れる(たわむれる)」というと、ふざけたり、からかったりすることを指しますが、「戯言(たわごと)」の意味もこの「戯れる」に由来するようです。ふざるけること・愚か者という意味の「戯け(たわけ)」に似たニュアンスです。

「戯言」の意味②冗談

「戯言」の意味は、“冗談”です。この意味の場合は「ざれごと・ぎげん・けげん」と読みます。「ざれごと」という場合の「戯れる(ざれる)」は、「犬がざれる(じゃれる)」でも使われる表現です。

一般に、「冗談」の意味で使う場合には「ざれごと」という読みを使用します。「ぎげん」「けげん」も間違いではありませんが、伝わりやすさを考慮すると「ざれごと」を使った方がよいでしょう。なお、「戯言(ざれごと)」は「戯れ言」と書きます。

「戯言」の漢字が表す意味

「戯」を「ぎ」と読む単語には「戯画」や「遊戯」などが挙げられます。

「戯画」は「滑稽な絵」を、「遊戯」は「楽しんで遊ぶ」という意味で、おどけたり、笑わせたりという「戯言」の意味に通じるものがあります。

「戯言」の使い方と例文とは?

肯定的なニュアンスで使いたい場合は「ざれごと」と読む

「戯言」は、「馬鹿げた話」という意味の「たわごと」と読むと、否定的なニュアンスになり、「ざれごと」と読むと「冗談」「ユーモラスな話」というような肯定的なとらえ方になるのがポイントです。誤解を生まないためにも、その文脈や状況に応じて、「たわごと」と「ざれごと」という2つの読み方を区別する必要があります。

「ざれごと」と読み取ってほしい場合には、「戯れ言」という表記を用いると、スムーズなコミュニケーションにつながるかもしれません。

「ユーモラスな話」「冗談」の意味で使う場合

「戯言」を「ざれごと」と読み、「冗談」という意味で使う場合には、次のような表現が可能です。

例文
  • 戯言ばかりで話が進まない。
  • 戯言を言っている場合ではない。

「冗談」や「ユーモラスな話」という意味では「ざれごと」と読みますが、人によっては「たわごと」と読まれるかもしれません。読み方によってニュアンスが変わってくる表現です。

「戯言をぬかすな」は「馬鹿げた話」の意味に

「戯言をぬかすな」は「たわごと」と読む例のひとつで、「馬鹿げた話をするな」と叱責するような場面でよく使われる表現です。小説などで見かけたことがあるという人もいるかもしれません。

例文
冗談を言ったつもりが、戯言ばかり言うなと叱られてしまった。

この例文は、冗談を言って場を和ませようとしたのに、ふざけているとみなされ叱られてしまった、というような状況です。

「戯言」の類語とは?

「冗談」「洒落」などが「戯言(ざれごと)」の類語

「戯言(ざれごと)」という肯定的なニュアンスで使用する場合は、「冗談」「洒落(しゃれ:人を笑わせる、気の利いた文句)」などが類語に挙げられます。「クスっと笑いを誘うような話」という意味の言葉が類語です。

「戯言(たわごと)」の類語は「寝言」

「馬鹿げたこと(話)」という意味の「戯言(たわごと)」の類語としては、「寝言」が挙げられます。

「寝言(ねごと)」は文字通り、「眠っているときの無意識の言葉」という意味もありますが、「筋の通らないこと」「馬鹿げた話」という意味もあります。たとえば、「寝言ばっかり言っていないで仕事をしろ」という風に、「戯言(たわごと)」の意味でも使用できる表現です。ほかにも、「うわ言」「空言」などが「戯言(たわごと)」の類語です。

「戯言」を英語表現とは?

「戯言」は英語で”silly talk”や”nonsense”など

「戯言(たわごと)」「馬鹿げた話」という意味の英語表現は、“silly talk”“nonsense”が挙げられます。「silly」とは「馬鹿な・愚かな」という意味で、「nonsense」は「無意味な言葉・たわごと」という意味です。

「say silly things」や「talk nonsense」という風に使うのが一般的で、「She talked nonsense to me(彼女は戯言を言った)」や「Don’t talk nonsense(戯言をぬかすな)」という使い方ができます。

「冗談」という意味では”joke”や”kidding”

冗談やユーモラスな話という意味で「戯言(ざれごと)」という場合の英訳は、“joke”“kidding”が適当です。「Don’t tell such jokes」や「Don’t be kidding」(いずれも「冗談を言うな」の意味)という使い方ができます。また、「悪意のない軽い嘘」という意味の「white lie」という表現も「戯れ言」の英訳として紹介されることがあります。

まとめ

「戯言」は、「たわごと」と読むと「馬鹿げた話」、「ざれごと」と読むと「冗談」という意味になります。読み間違いや言い間違いひとつで、まったく異なる印象を与えてしまうため、くれぐれも誤りのないようにしたい言葉です。これを機に、読みと意味をしっかりと結び付けて覚えておきましょう。