「糾弾」の意味とは?「非難」との使い分けや例文・類語も紹介

「厳しく糾弾する」などと使う「糾弾」とは、どのような意味の言葉なのでしょう。「糾弾」の詳しい意味と使い方について、例文を用いながら解説します。また、一緒におさえておきたい「非難」との違いや、「糾弾」の類語、英語訳もあわせて確認してみてください。

「糾弾」とは?

「糾弾」の意味は”罪を問いただし、咎めること”

「糾弾」の意味は、“罪や責任を問いただし、それを咎めること”です。相手の罪(過失)を明らかにして、非難したり責めたりすることが「糾弾」です。

「糾弾」の語源はそれぞれの漢字にある

「糾」という字には、「取り調べる」という意味があります。「弾」には、「罪を問いただす」「責め立てる」といった意味があり、このふたつを重ねると、「罪を明らかにして、責める(咎める)」という意味になることが分かります。

なお、「糾弾」には、元々「糺弾」という漢字が使われていたようですが、時代の変化とともに、現在使われている「糾弾」となったようです。

読み方は「きゅうだん」が正、「きょうだん」は誤り

「糾弾」の読み方は、“きゅうだん”です。「糾弾」を「きょうだん」と読む人もいますが、これは誤りです。「糾」を使ったほかの熟語には「紛糾」「糾明」などがありますが、「ふんきゅう」「きゅうめい」というように、いずれも「きゅう」と読むのが特徴です。

「糾弾」と「非難」の違いとは?

「非難」は広い意味で”欠点を取り上げ、責めること”

「糾弾」と似た意味の言葉に「非難」が挙げられます。

「非難」は、「欠点や過失を取り上げ、責める」という意味があり、よく耳にする言葉です。「糾弾」と意味が似ていますが、「非難」は広く一般的に使います。たとえば「彼の思い上がった態度を非難する」といったように、他人の良くない点を指摘する場合にも当てはまります。

「糾弾」は不祥事や罪など明らかに「悪い」とわかっている相手に対して使いますので、ニュアンスの違いに注意しましょう。

「糾弾」の使い方と例文とは?

「糾弾する」「糾弾される」という言い方が一般的

「糾弾」という言葉は、「糾弾する」や「糾弾される」といった使い方をします。例えば、以下のような使い方が可能です。

  • 不正献金問題の渦中にいる政治家をマスコミが糾弾した
  • 業績悪化の原因を糾弾するだけでは、結局何の解決にもならない
  • 情報漏えいの責任を厳しく糾弾されても仕方のないことだ

一対一ではなく、大勢が責める場合に使う

「糾弾」の使い方の一番のポイントは、「大勢が責める際に使う」という点です。上司が部下を非難する場合のように、一対一の状況では「糾弾」は使いません。「彼は私を糾弾した」とは言わないのです。「糾弾」は、大勢の人が責めたり咎めたりする場合に対してのみ使用します。

そのため、たとえば、「政治家をマスコミが糾弾した」というと、「複数のマスコミが非難した」というニュアンスになります。また、「世間全体が非難した」という場合にも「糾弾」という言葉は使うことができます。

「糾弾」の類語とは?

「糾弾」の類語は”弾劾”や”問責”

「糾弾」の類語には、“弾劾”“問責”が挙げられます。

「弾劾(だんがい)」には、「罪や不正などを調べ、公にし、その責任を問う」という意味があり、「不正をはっきりさせる」「知らしめる」といったニュアンスを持つ言葉です。この「弾劾」は「糾弾」の類語ですが、「糾弾」には「公にする」というニュアンスがない点で異なります。

「問責」とは、「問いただす」「責任を問う」様を指す言葉で、「糾弾」の類語といえる表現です。ほかにも、「批判(誤りなどを指摘し、評価すること)」なども「糾弾」の類語といえるでしょう。

「糾弾」の英語表現とは?

「糾弾」を英語で表現するとなると、どういった英訳になるのでしょう。英語訳を紹介します。

英語では「impeach」や「denounce」と表現

英語で「糾弾する」は、「impeach」を使います。たとえば、「They impeached a minister for bribes(大臣の収賄について糾弾した)」といった使い方が可能です。また、非難する・弾劾する、という意味の「denounce」も「糾弾」の意味で使用されることがあります。

他にも、日本語で「罪に問う」という意味の「accuse someone of something」や「責める」という意味の「blame someone for something」といった言い回しも、「糾弾する」の意味で使うことのできる表現です。

まとめ

「糾弾」とは、「罪を問いただし、咎める」様に使う言葉で、「糾弾する」「糾弾された」という風に使います。一対一の関係ではなく、大勢が責める場合に使う表現なので、日常のワンシーンではあまり使用しませんが、ニュースではよく用いられる表現です。ビジネスパーソンとしてもぜひとも押さえておきたいワードです。