「虚無感」の意味と使い方は?「虚無感に苛まれる」や類語も解説

「虚無感に苛まれる」というと、どういった状況をイメージしますか。この「虚無感」の意味と使い方について、詳しく解説します。あわせて、とっさの言い換えに便利な類語や対義語、英語表現など関連用語についても紹介しましょう。

「虚無感」とは?

「虚無感」の意味は”大事な部分が抜け落ちたような虚しい感覚”

「虚無感」の意味は、“大切な部分が抜け落ちてしまったような虚しい感覚のこと”です。

「虚無感」の「虚無」という言葉には、「何も存在せず、むなしいこと」という意味があります。それに感情や感覚を意味する「感」という言葉を付け足すことで、「何も存在しないような虚しい感覚」「物事の価値や意味が見いだせず空虚な感情」といった意味となっています。

「人生には何の意味もない」という感情も「虚無感」のひとつ

「生きる目的が見いだせない」「人生はまったくもって無意味だ」といった感情は、誰もが一度は抱いたことのあるものかもしれません。こうした「人生の意味が見いだせない」「人生には何の意味もない」という感情もまた、「虚無感」が意味するもののひとつです。

「虚無感」の使い方と例文とは?

空しい感情を表す「虚無感」とは、どういった使い方をされるのでしょう。例文とともに紹介しましょう。

「虚無感に包まれる」「虚無感にとらわれる」と使う

「虚無感」は感情の一種なので、「虚無感を抱く」という言い方をすることができます。ほかにもよく使われる言い回しとしては、「虚無感に包まれる」や「虚無感にとらわれる」が挙げられるでしょう。たとえば、

  • ここ最近は虚無感にとらわれた生活をしている
  • 虚無感に包まれることは誰しもが一度は経験することだ

といった使い方が可能です。

「包まれる」というと、「虚無感にすっぽりと覆われている」といったニュアンスになります。「とらわれる(囚われる)」とは、自由な発想が妨げられる様に対して使う表現で、この場合は「虚無感に占領されてしまい、他の物事が考えられない」といったニュアンスとして使うことが可能です。

「虚無感に苛まれる」は心や体が苦しい様を表す

「虚無感に苛まれる」もまた、よく目にする表現です。「苛まれる(さいなまれる)」は、「心や体が苦しめられる」という意味で、「虚無感」によって「むなしい感情にもがき苦しんでいる」というニュアンスになります。たとえば、

  • 愛犬の突然の死に虚無感に苛まれている

というと、「愛するペットを失い、どうしようもない喪失感に心を痛めている」といった様子がうかがえます。

「虚無感に襲われる」は予想外の状態に対して使う

「虚無感に襲われる」は、予想外の出来事や予期せぬ事態に対して使う表現です。

そもそも、「襲う」という言葉には、「不意に攻めかかる」のように「不意に」というニュアンスがあります。そこから、「虚無感に襲われる」もまた、突然の事態に触れて虚無感に包まれる場合や想像以上の激しい虚無感を覚えた場合に使う表現です。たとえば、次のような使い方ができます。

  • 明日のプレゼンのデータが消えてしまい、焦りを通り越して虚無感に襲われている

 

「虚無感」の類語とは?

「虚無感」をほかの言葉に言い換えるとなると、どういった言葉が適切なのでしょう。「虚無感」と似た意味の言葉を紹介します。

「虚無感」の類語は”空虚感・無気力・喪失感”

「虚無感」の類語には「空虚感」「無気力」「喪失感」などが挙げられます。それぞれ以下のような意味を持つ言葉です。

  • 空虚感:心が空っぽな様、心のよりどころがなく虚しい感情
  • 無気力:自ら何かに取り組もうというやる気・意欲がないこと
  • 喪失感:大切なものを失ったときに覚える苦しさや悲痛な感情のこと

「無気力」は虚しさを伴わない場合、単にやる気が起きないという場合にも使用可能です。一方、「喪失感」は「何かを失った場合」のみに使う言葉で、使用シーンが限定されるのが特徴です。

「虚無感」の対義語とは?

「虚無感」とは反対の意味の言葉を紹介します。

「虚無感」の対義語は”充足感・満足感”

「虚無感」の対義語には、「充足感」「満足感」が挙げられます。いずれも、「思い通りになり十分に満たされる気持ち」といった意味があり、「大切なものが抜け落ちたような感覚」という意味の「虚無感」と反対の意味の言葉です。

「充足感」の「充足」という言葉には、「欠けた部分を満たす」という意味があるため、主に、「何かを補うことで満足した」というニュアンスで使われるのが特徴となっています。

「虚無感」の英語表現とは?

「虚無感」の英語訳を紹介します。英語では次のような表現を用います。

「虚無感」は英語で”empty”を使って表現する

「虚無感」は英語で「empty feeling」を表します。「empty」は「空の」、「feeling」は「感覚」「感情」という意味です。つまり、「empty feeling」は直訳すると「空の感情」となり、「虚無感」の意味で使用できるのです。

また、「empty」の名詞形「emptiness(空虚・空っぽなこと)」を使った「sense of emptiness(虚無感)」という表現もあります。「emptiness」だけで「虚無感」を表現することもあるようです。以下に、英語での使用例を記載します。

  • I have never felt such a emptiness(このような虚無感を覚えたことはない)
  • She experienced sense of emptiness(彼女は虚無感を覚えた)

まとめ

「虚無感」とは、「何か大事なものが抜けてしまったような虚しい感覚」を表す言葉です。「生きている意味が見いだせない」などという場合にも使用されます。「虚無感」の解消には、家から出て外を出歩く・泣いたり笑ったり感情を解放したりするとよいとも言われています。自分なりのリフレッシュ方法が見いだせるといいかもしれません。