「媒介」の意味とは?不動産など業界別例文と類語との違いも解説

「媒介(ばいかい)」は不動産売買や金融商品の売買においてよく使用される言葉です。「媒介手数料」などの専門用語とも関係が深く、きちんと意味を押さえておきたいところでしょう。

この「媒介」の詳しい意味と使い方を、例文を交えて紹介します。また、「媒体」や「仲介」などの類語との違いも必見です。

「媒介」とは?

「媒介」の意味は”仲立ちをすること”

「媒介」の意味は、“二つのものの間に立ち、両者を仲立ちすること”です。「接点のない者同士を橋渡しする」「間に入って関係を築く」といった行為を意味する言葉です。

また、「媒介」には、「病原菌をうつす」という意味もあります。

「媒介」の読み方は”ばいかい”

「媒介」の読み方は、“ばいかい”です。

「媒介」の使い方と例文とは?

「媒介」という言葉はどのように使われるのでしょう。一般的な使用例から、不動産・金融など業界別の使用例も紹介します。

「媒介する」という表現が一般的

「媒介」という言葉は、「媒介する」という表現が一般的です。たとえば、

  • 昔の顧客に頼まれ、取引を媒介する
  • 蚊が媒介することによって感染する病気は少なくはない

などといった使い方ができます。「媒介する」という表現では、病気や病原体に関する話題でもよく使用されます。

不動産では「間に立って契約を成立させること」

不動産の売買や不動産広告で、「媒介」という表示を見かけることがあります。不動産の取引で「媒介」というと、売主と買主の間に立ち、その不動産会社が契約を成立させることを指します。

なお、不動産の「媒介」では、売却物件の販売活動・条件の調整役・契約書類の作成・重要事項説明などが主な業務です。

金融用語では「有価証券の売買仲介のこと」

金融業界でも「媒介」という言葉を使用することがあります。金融商品の取引において「媒介」というと、有価証券の売買の仲立ち・仲介を意味します。法律上は、契約の成立のために第三者が尽力することと、定義されているようです。

「媒介手数料」は売買において媒介した際の手数料

不動産や金融商品の売買において「媒介」した場合、所定の手数料が発生します。それが「媒介手数料」です。「仲介手数料」と称される場合もあります。

「媒介手数料」は、媒介に際して生じた諸費用やその報酬として生じる費用で、取引内容はもちろん、不動産会社や金融機関など相手先によっても異なります。「媒介」を依頼する場合は、取引の前に、どれほどの手数料が発生するのかあらかじめ確認しておくことが大切です。

「媒介」の類語とは?

「媒介」と似た意味の言葉にはどういったものがあるのでしょう。類語とその違いについても紹介します。

「媒介」の類語は”仲介”や”橋渡し”

「媒介」の類語は、”仲介”や”橋渡し”です。「取引を媒介する」は、「取引を仲介する」「取引の橋渡しをする」と言い換えることができます。

他にも、間に入る・あっせんする・紹介する、などと言い換えられる場合もあります。

不動産においては「媒介」と「仲介」に微妙な差も

不動産業界で「媒介」や「媒介手数料」という表現が使われることは先述しましたが、不動産取引の「媒介」と「仲介」にはニュアンスに差があります。

一般に、「媒介」は、不動産業者が大家さんから売却したい物件を預かって募集している場合が多いのに対し、「仲介」は広告を受け取り案内しているという場合が多いと言われています。そのため、どちらかというと「媒介」のほうが営業担当者も物件に関して詳しいケースが多いようです。

もちろん、いずれの場合でも契約時にはきちんと「重要事項説明」が行われるべきであり、購入する場合にどちらが良くてどちらが不利というわけではありません。

「媒体」は主に”仲立ちするもの・情報手段”に関して使う

「媒介」と似た表現に「媒体」が挙げられます。「媒体」もまた、「仲立ちするもの」という意味があり、「媒介」の類語といえるでしょう。

しかし、「媒体」という言葉は主に情報伝達の手段となるものに対して使われるのが特徴です。たとえば、新聞やラジオ、テレビなどのメディアを指して「宣伝媒体」などということがあります。

また、情報を記録させるもの(USBメモリーやSDカードなど)にも「記録媒体」という言葉をよく使用します。

「代理」との違いは意思表示の仕方

「媒介」と混同されがちな言葉に「代理」が挙げられます。「代理」とは、他人に代わって何かを処理すること・職務を行うことという意味の言葉です。一方の「媒介」は、あくまでも「仲立ち」に過ぎず、間に立って物事がうまくまとまるように世話をする、という意味なので、厳密には意味が異なります。

また、「代理」の場合は、本人に代わって意思表示をすることがありますが、「媒介」の場合はあくまでも仲介なので本人に代わって意思表示をすることはないのが一般的です。

「媒介」の英語表現とは?

「媒介」を英語で表すとどうなるのでしょう。「媒介」の英語訳は次の通りです。

「媒介する」は英語で”meditate”

「媒介する」の英訳は“meditate”です。ただし、文章表現として使う場合には、「intermediary(仲介者・媒介)」とすることが多いでしょう。たとえば、

  • act as an intermediary in a transaction (取引を媒介する)
  • play an intermediary role(仲介役を務める)

などと使います。また、「病原菌を媒介する」という表現では、「spread(広がる)」や「carry(運ぶ)」が一般的です。たとえば、

  • A is spread by the mosquito(Aは蚊の媒介で伝染する)
  • B is carried by the fly(Bはハエが媒介する)

と使います。

まとめ

「媒介」は、「ふたつのものの間に立ち、両者を仲立ちすること」あるいは「橋渡しをすること」といった意味を持つ言葉です。不動産売買などでよく用いられる表現ですが、「虫が媒介する病気」というように、病原菌が広まる様を表す言葉としてもよく使います。日常からビジネスまで広く使える言葉ですので、ぜひこの機会におさえておきましょう。