「チームビルディング」の意味とは?目的や方法を事例を交えて解説

人事研修の分野で「チームビルディング」という言葉を使うことがありますが、具体的な意味を知っていますか?実は、コミュニケーションを目的とした「飲み会」も「チームビルディング」ひとつと言われる場合があります。「チームビルディング」の目的や実際の事例についても見ていきましょう。

「チームビルディング」とは?

「チームビルディング」とは「組織作り」を意味する言葉

「チームビルディング」の意味は、「チームのメンバーが一丸となって取り組んでゆけるための組織作り」です。メンバーそれぞれが個性や能力を生かして主体的に関われるような組織・共通の目標(ゴール)を達成するためにチャレンジできる組織作り、などを指して「チームビルディング」と使います。

「組織作り」の手法・研修・アクティビティを指すことも

「チームビルディング」は「メンバーが個性を発揮しながら主体的にかかわり、かつ、一丸となって目標達成を目指す組織作り」という意味に加え、そのための「手法」「研修」などを指しても使われる言葉です。そのため、

  • 従来の研修に加え、チームビルディングを導入する

といった表現で使われることもあります。

「チームビルディング」の目的とは?

「チームビルディング」は近年、研修の一環として取り入れる企業が増えています。その目的には次のようなものが挙げられます

「チームビルディング」最大の目的は課題解決力の向上

「チームビルディング」は、主に、チーム全体の問題解決力の向上のために行われます。

仕事というのは、課題の連続です。その課題を一つ一つクリアすることがプロジェクトの達成には必要です。「チームビルディング」によって、メンバー一人一人の能力を発揮できる組織ができていれば、バラバラで未成熟なチームよりも高い成果が期待できることは明らかでしょう。

このように、チーム全体のパフォーマンス力向上が「チームビルディング」の最大の目的です。

組織としての一体感を高めるという目的も

パフォーマンスの向上に加え、組織そのものの一体感・連帯感を高めるのにも「チームビルディング」は効果的です。

「チームビルディング」では、チームの目標・ゴールを共有し、その目標達成が意識されます。チームメンバー全員が共通の目標を持っているという認識は、自ずと、組織としての一体感につながります。メンバーそれぞれのモチベーションの向上にも組織としての一体感は役立ちます。

「チームビルディング」のアクティビティの事例と方法とは?

チームの高いパフォーマンスを引き出すためにも有効な「チームビルディング」ですが、具体的にはどのように行われるのでしょう。

チーム形成の初期には「他己紹介」や「名前リレー」

「チームビルディング」では、目標を共有することも大切ですが、メンバーのことを理解し、信頼関係を構築することも重視されます。そこで、チームが形成されたばかりのころに用いられるのが「他己紹介」や「名前リレー」です。

「他己紹介」とは、ペアで自己紹介をし、その相手について、さらに別の人に紹介するという方法を言います。「名前リレー」とは、「Aさんの隣のBです」「Aさんの隣のBさんの隣のCです」という風に、名前をつなぎながら自己紹介をする手法です。

こうしたアクティビティは、「キックオフミーティング」や「決起集会」などでよく用いられるものです。形式は様々ですが、まずはメンバーを集め、互いのことを知り、「チーム」としての認識を持つことが、「チームビルディング」の初期に意識される事柄です。

コミュニケーションをとりながら問題解決に挑む「脱出ゲーム」

「チームビルディング」の手法では「脱出ゲーム」や「人狼ゲーム」もよく知られています。

「脱出ゲーム」とは、用意されたストーリーに沿って与えられた課題や謎をクリアしていく、ゲーム形式のアクティビティです。ゲームとはいえ、実際にメンバー同士がコミュニケーションをとりながら問題解決に挑みます。

「人狼ゲーム」は心理ゲームの一種で、村人の中にまぎれた人狼(人に化けたオオカミ)を見破るというゲームです。村人の中には、霊媒師・占い師などのいくつかの役割を持つ人がいて、その人たちの働きによって「人狼」が推測できるようなしかけがしてあります。参加者の性格も伺えるアクティビティです。

合意形成を図る「NASAゲーム」

「チームビルディング」のアクティビティには、「NASAゲーム」と呼ばれるものもあります。

「NASAゲーム」では、メンバーが不時着した宇宙船の乗組員という設定で、用意されたアイテムを「生存に必要なもの」に分類、優先順位をつけていきます。様々な考えを話し合いの上で一つの案をまとめるという「コンセンサスゲーム(同意形成)」の一種です。

体を動かすスポーツも「チームビルディング」には有効的

あらかじめルールがあり、目標の設定・共有がしやすいアクティビティのひとつとして、「スポーツ」も挙げられます。研修として企業が取り組むのには難しい一面もありますが、普段行わないこと・職場を離れて新鮮な気持ちで取り組めることなどから、「チームビルディング」にスポーツを活用する例もあるようです。

外部研修を取り入れるのも一つの方法

「チームビルディング」は、チームとして仕事をする場合は常に意識したい事柄ですが、実際に企業があらゆるアクティビティを運営するには、相応のスキルも求められます。そのため、専門機関へ「チームビルディング研修」を依頼することも少なくはありません。

第三者が入ることで、新しい発見があったり、より専門的な研修につながったりといった成果も期待できます。

まとめ

「チームビルディング」とは、「チームとしての目標を個々のメンバーが共有し、一丸となって取り組める組織作り」を意味する言葉で、そのための研修内容・アクティビティを指すこともあります。「チームビルディング」を適切に行うことで、メンバー同士の信頼関係・一体感はもちろん、個々のパフォーマンス向上も期待できます。その手法は様々で、より高い成果を生み出すために、専門の研修期間・外部組織に委託する例も増えているようです。