「なるべく」の敬語表現は?ビジネスで使える言い換え・類語も

「なるべく早くお願いします」と言いたい時、ビジネスシーンではどう表現するのが適切なのでしょう。実は「なるべく」という言葉は、場合によって失礼に当たることがあります。今回は、「なるべく」のビジネスシーンでの使い方や役立つ敬語・類語表現について解説します。

「なるべく」はどう使う?正しい意味

「なるべく」という言葉は、文脈や使い方によっていくつかの意味にとることができます。詳しい意味から解説します。

「なるべく」には「可能な範囲で」という意味がある

「なるべく」は、「可能な範囲で」という意味です。相手に何かを依頼する場合などに使うことができます。たとえば、「なるべく早く作成してください」というのは、「可能な限り早く作成してください」という意味になります。

また、「相手にこうしてほしい」という気持ちを「強調」するような意味もあり、「なるべく出席してください」というのは「可能な限り出席してください」という意味になります。

「なるべく早くお願いします」は「至急」の意味も

「なるべく早くお願いします」という言い方もよくある表現です。

「可能な範囲で早く」という意味ですが、この場合は特に「至急」の意味で使われることも少なくありません。そのため、「なるべく早くお願いします」と言われた場合には、のんびりと構えるのではなく、至急案件として対応するのが正しい解釈です。

類語は「できるだけ」「可能な限り」「できれば」

「可能な範囲で」という意味の「なるべく」には、できるだけ・可能な限り・できれば・できる限り、などといった類語があります。どの類語も、そのまま置き換えて使うことが可能です。

また、「なる丈(なるたけ)」という言葉も、「なるべく」の類語のひとつです。「なる丈」という言葉は、地域によって使用頻度に差があるため誤解されやすいのですが、厳密には方言ではありません。「なるべく」の類語として、同じ意味で使用することができます。

「なるべく」は敬語表現ではない

「なるべく」という言葉は、「成る」という単語に助動詞の「べし」(連用形)がついたもので、漢字で書くと「成るべく」となり、敬語表現ではありません。ビジネスシーンで使うこともありますが、目上の人に使う際には配慮が必要だというのは覚えておきたいポイントです。

「なるべく」の敬語表現、ビジネスでのルールは?

「可能な範囲で」「できる限り」といった意味のある「なるべく」という単語は、ビジネスシーンでもよく使われています。ここでは、ビジネスで使う際の注意点を紹介します。

同僚や部下には使用可能、上司はNG

先述したように、「なるべく」という言葉は敬語表現ではありません。そのため、仕事で使う際、同僚や部下には使用可能ですが、上司や取引先など目上の人には使わないほうが無難です。

例えば、「なるべく早くお願いします」という言い方は、フランクな印象を与えてしまうだけでなく、場合によっては上から目線ともとられかねません。「なるべく」という言葉を使うのであれば、部下や対等な関係である同僚にとどめておくのがおすすめです。

ビジネスでは「できるだけ」が適切

ビジネスのかしこまった間柄や上司など目上の人には、「なるべく」ではなく「できるだけ」といった言葉を使うのが適切です。ほかにも、「可能な限り」といった表現もビジネスシーンでおすすめの表現で、「なるべく」の代わりに使うことができます。

「なるべく」と「できるだけ」の違いに注意

「なるべく」の敬語表現は「できるだけ」ですが、厳密にいうとそれぞれニュアンスが異なります。

たとえば、「なるべく早く作成してください」と「できるだけ早く作成してください」という表現では、「できるだけ」を使った文のほうが「なんとかして早く仕上げないと」という印象を受けます。これは、「できるだけ」という言葉が「最大限の努力」といったニュアンスを含むからです。

「できるだけ」はビジネスシーンでも使える表現ではありますが、使い方によってはひっ迫した印象を与えかねません。不要に急かすことのないよう、配慮が必要です。

「なるべく早く」はどう書く?ビジネスメールで便利な言い換え

「なるべく」を敬語にすると「できるだけ」という表現になりますが、特にメールで書く場合には異なる言葉に言い換えたほうが良いケースもあります。ビジネスメールやビジネスシーンでおすすめの言い換えフレーズを紹介します。

自分が対応する場合は期日を明確に

「なるべく早めにご連絡差し上げます」というように、自分が対応することに対して「なるべく」を使うことは、ビジネスシーンでも問題ありません。ただし、「なるべく」という表現だけでは、相手とってはあいまいです。できるだけ期日を明確に示すのがおすすめです。

たとえば、「なるべく早めに対応いたしまして、遅くとも金曜日にはご連絡差し上げます」という言い方をすると、「なるべく」がいつなのかが分かるので、相手も都合をつけやすくなります。誤解も生じにくく、双方にとってプラスにはたらきます。

「なるべく早くお願いします」は「早急に」が便利

ビジネスメールでも敬語表現の「できるだけ」を使い、「できるだけ早く」や「できる限り早く」と書くこともありますが、特に文字にした場合には「早急に」という表現が便利です。「早急にご対応頂きますようお願い申し上げます」というように使います。

「早急」は至急よりも緊急性は低いとされていますが、目上の人に急いでお願いしたい案件がある場合に便利な表現です。「できるだけ早く」というよりも、重要度が伝わりやすいという側面もあります。

まとめ

ビジネスシーンで「なるべく早く」という言うこともありますが、敬語としては不向きです。「できるだけ」や「可能な限り」といった類語に言い換えるのが無難です。また、ビジネスでは「なるべく」というあいまいな表現ではなく、期日を明確にする表現も好まれます。誤解が生じにくく、良好な関係につながるのでおすすめです。