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「お元気で」は敬語でどう言い換える?ビジネスメールでの使い方

別れ際の挨拶として「どうぞお元気で」という言い方をしますが、ビジネスシーンではあまり用いられていません。仕事での「お元気で」は、どう言い換えればよいのでしょう。メールの文末に使えるフレーズなど、ビジネスでの別れ際の挨拶について解説します。

「お元気で」の敬語は?ビジネスでの使い方

別れ際の挨拶として、「それではお元気で」や「どうぞお元気で」といった言い方をすることがあります。プライベートな場面はさておき、ビジネスシーンではどう使われているのでしょう。まずはその使い方から紹介します。

「お元気で」はビジネスではあまり使われない

そもそも、ビジネスシーンで「お元気で」という言葉はあまり用いられていません。

別れ際に「お元気で」と言うと、しばらく会わないことを連想させます。仮にしばらく会わないとしても、ビジネスでのおつきあいは続いていくものです。そのため、関係が終わることを連想させるような「お元気で」という表現は、ビジネスシーンではあまり好まれません。

また、退職される方に対して「お元気で」ということもありますが、中には「上から目線」として取る方もいます。はなむけの言葉として使うのであれば、「お元気で」という言葉だけでは不十分なようです。

「どうぞお元気で」よりも「ご自愛ください」などがベター

「お元気で」という言葉には、「健康に注意してください」や「日々を健やかに過ごしてください」といった思いも込められています。こうした意味合いから、ビジネスシーンではより丁寧な「ご自愛ください」といった言い方のほうが、よく使用されています。

「ご自愛ください」とは、自分の体を大切にしてください、という意味の言葉です。「お元気で」と同義語で、敬語表現として使うことができます。

なお、「お体をご自愛ください」と言われることもありますが、これは誤用です。「体」という意味が重複することになるので、「ご自愛ください」だけで十分です。

皮肉めいた意味もある「お元気で」

健康を気遣うような意味がある一方で、「お元気で」には皮肉めいた意味もあります。「今後そちらの会社とは付き合いません」「今後は一切連絡しない」といった意味合いで「お元気で」と言われることも、ないわけではありません。

ビジネスシーンではあまり使われない言葉ではありますが、「お元気で」という際はぜひとも笑顔で言いたいものです。

メールや手紙で使える「お元気で」の言い換え

別れ際の「お元気で」という言い方は、「ご自愛ください」以外にもいろいろな言い方があります。メールの絞め文としても使いやすい、丁寧なフレーズをいくつか紹介します。

「お元気で」を「つつがなくお過ごしください」に

「お元気でお過ごしください」というように健康を気遣う表現では、「つつがなくお過ごしください」が便利です。「つつが(恙)」とは、病気などの災難・災いを意味します。「つつがなく」というと、病気などの災難がないということになります。

同じ意味合いでは、「ご健康にご留意ください」というストレートな言い方もあります。「留意」とは、心にとめ、気を付けてくださいという意味です。

どちらの表現でもよいのですが、「つつがなくお過ごしください」のほうが気品もあり、健康面だけでなく、平穏無事にといった願いが込められるのでおすすめです。

「お元気で」を「またお会いできるのを楽しみにしています」に

ビジネスで「また一緒に仕事をしたい」と言ってもらえるのは非常に光栄なことです。また、「一緒に仕事をしましょう」といった意思を示すことは、信頼関係の表れでもあります。

そうした意味から、ビジネスシーンでは別れ際に、「またお会いできるのを楽しみにしています」という言い方もよく用いられています。別れ際やメールの絞め文としてもおすすめの表現です。

より丁寧にいうのであれば、「またお会いできますことを楽しみに致しております」や「またご一緒できることを楽しみにしております」といった言い方もあります。

「お元気で」を「ご健勝をお祈り申し上げます」に

ビジネス文書や手紙、スピーチなどの絞め文として、定型句ともなっているのが「ご健勝をお祈り申し上げます」という表現です。
「健勝」というのは、元気な様子・健康な様子を表す言葉で、「これからも健やかに過ごされることを願います」といった意味になります。

文書やメールでは、絞め文として、「末筆ながら皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」とすることもあります。

目上の人に「お元気で」と言われたら?返事のパターン

取引先など目上の人に「お元気で」と挨拶をされた場合、めったにないことだけに、返答に困ることもあります。「お元気で」の返し方を紹介します。

「お元気で」の返事は「ありがとうございます」

「お元気で」という言葉には、相手の健康への気遣いが込められています。そのため、「お元気で」と声をかけてもらった際には、その気遣いに対して「ありがとうございます」と、まずは感謝の言葉を返します。

続いて、「またお会いできるのを楽しみにしています」や「○○様もご自愛ください」というように、先に紹介したような「お元気で」を丁寧に述べるフレーズを添えます。相手の気遣いに対し、こちらからも気遣う言葉を返すのがマナーです。

まとめ

「お元気で」という言い方は、口頭・メールともに、ビジネスではあまり用いられません。中には皮肉ととられることもありますので、より丁寧な言い方を心がけるのがおすすめです。本文で紹介したように、健康を祈るような言い方はいくつかありますので、異なる言葉で言い換えるとコミュニケーションもうまくいきます。