「彼はとても聡い人だ」というと、どういった人をイメージしますか?「聡い」の読みと意味をはじめ、使い方を例文で解説します。また、「聡い」の類語・対義語や英語訳など、関連用語も併せて紹介します。
「聡い」の意味や読み方とは?
「聡い」の意味は”感覚が鋭く理解が早いこと”
「聡い」の意味は、“感覚が鋭く理解が早いこと”です。また、「その分野に長けている・得意とする」という意味も持つ言葉です。
「聡い」の読み方は”さとい”
「聡い」の読み方は“さとい”です。
「聡い」の使い方と例文とは?
「聡い」は人の性質・特徴を表す表現
「聡い」は人の性質や特徴に言及する際に使用します。たとえば、「彼は聡い」「彼女は聡い」といった使い方が一般的です。ほかにも「彼は新入社員の中でもっとも聡い」といった使い方もできます。
では、「聡い」はどのような人に対して使うのでしょう。
一般には、鋭い観察力を持つ人・豊富な知識を備えた人・確かな決断力を持つ人・対応力に優れた人などが「聡い」と称されます。できるビジネスパーソンのイメージがぴったりかもしれません。
「利に聡い」は”利益に敏感な様”
「聡い」は「利に聡い」という表現でもしばしば使用されます。「聡い」の持つ「感覚が鋭い」「敏感である」という意味を使った表現で、「利に聡い」は「自分の利益になる事柄に敏感である様」を意味します。
「目聡い」や「耳聡い」という表現も
「聡い」を使った表現には、「目聡い(めざとい)」や「耳聡い(みみざとい)」もあります。
「目聡い」とは、「観察力があり素早く見つけること」「細かいところによく気が付く」という意味です。たとえば、「ビンテージ品を目聡く見つける」などと使います。一方で、「目聡い」にはネガティブなニュアンスもあり、「細かいことを気にする」「揚げ足取りをする」といった意味でもよく使用されます。
一方、「耳聡い」とは、「聴覚が鋭く、ほかの人が聞き逃すような音も素早く聞くことができる」「情報や噂をほかの人より早く入手する」という意味です。「このあたりのことは、耳聡い彼女に聞けばなんでもわかる」などといった使い方が可能です。
「聡い」の類語とは?
同じ読みをする「敏い」が類語
「聡い」の類語は「敏い」です。この「敏い」もまた、「さとい」と読みます。意味・使い方ともに「聡い」と同じですが、その漢字の意味から、「敏い」は「理解が素早い」、「聡い」は「賢い」のニュアンスが濃いと判断されることもあります。
「聡い」の類語は”賢い”や”賢明”も
「聡い」の言い換え表現として使える類語には、「賢い」や「賢明」が挙げられます。「賢い」とは、頭の回転が早い様・優れた知恵を持つ様・要領がよいことを指して使用します。「賢明」もまた似た意味があり、物事を素早く判断し、適切に対処する様などに用いる表現です。
また、「鋭い」も「聡い」の類語といえるでしょう。「鋭い」とは、頭の回転が早い様・反応が早い様などに使う表現で、臨機応変で素早い対応を指すこともあります。「勘が鋭い」という使い方もその一例です。
「聡い」の対義語とは?
「聡い」の対義語は”愚か”や”鈍い”
「聡い」と反対の意味を持つ言葉は「愚か」「鈍い」です。「愚か(おろか)」とは、頭の回転が鈍い様・劣っている様・考えが足りない様を意味します。「感情に流されるとは愚かなことだ」という風な使い方が可能です。
「鈍い」は、頭の動きや動作、反応が遅いことを意味する言葉です。「反応が鈍いとビジネスチャンスを逃してしまう」などと使うことができます。
「疎い」は”聡い”の対義語とは言い難い
「聡い」の対義語として「疎い」が挙げられることがあります。「疎い(うとい)」とは、本質を見抜く力に欠けている様・事情に詳しくないこと・理解していない様を指して使います。たとえば、「情報に疎い」というと「情報に詳しくない」という意味です。一方、「情報に聡い」というと「情報を得るのが早く、理解力・対応力に長けている」という意味になります。
「疎い」は「聡い」の対極の意味にあるようにも思えますが、「聡い」の対義語として使われるのは「愚か」や「鈍い」です。厳密には対義語ではないので注意しましょう。
「聡い」の英語表現とは?
「聡い」は英語で”smart”や”sensitive”
「聡い」を英語にすると「smart」「sensitive」となります。「smart」は頭の良い・賢明なという意味の単語で、「sensitive」には敏感な・感受性の鋭い、といった意味があります。
他にも、「discerning(洞察力のある)」や「bright(利口な)」も「聡い」の意味で使うことのできる単語です。
まとめ
「聡い(さとい)」とは、理解が早く賢明である様・感覚が鋭く判断力がある様・特定の分野に長けている様を表す際に用いる言葉です。一般には、褒め言葉として使うことができますが、「目聡い」と使うと「細かいことにすぐ気づく」だけでなく「細かいことを気にする」「揚げ足をとる」などとネガティブな意味にもなります。関連用語の使い方には少々配慮が必要といえるでしょう。