「むしろ」の意味と使い方!敬語や文頭での使用例文と類語も解説

「AよりもむしろBの方がおすすめです」と使う「むしろ」という言葉には、どのような意味があるのでしょう。また、「むしろありがとう」などと文頭で使う表現は正しいのでしょうか。本記事では、「むしろ」の詳しい意味と使い方について、例文を交えながら解説します。敬語での使用例や言い換えにも使える類語・英語訳など関連用語も紹介します。



「むしろ」とは

「むしろ」の意味は「どちらかといえば」

「むしろ」には、「どちらかといえば」「いっそ」という意味があります。二つの物事を比較したうえで、「どちらかといえばこちらを選ぶ(望ましい)」「いっそこちらの方がよい」と言及する場合に用いる表現です。特に、「むしろ」はAとBを比較した際に、後者を選ぶというニュアンスで用いられることが多いのも特徴です。

「むしろ」を漢字で書くと「寧ろ」

「むしろ」は、漢字では「寧ろ」と表現します。この「寧」という字は、「丁寧(ていねい)」などで使う字ですが、漢文で「~する方がよい」という意味で用いられていたことから、同じ意味を持つ「むしろ」の漢字として当てられたとされています。

「むしろ」の使い方と例文

「むしろ」は物事を比較する際に用いる表現

「どちらかといえば」という意味を持つ「むしろ」という言葉は、物事を比較する際に使います。

例文
  • こんな暑い日にはキンキンに冷えたものよりも、むしろ汗が噴き出るほど辛い物を食べたくなる
  • 部長の好みで言うと、懐石料理よりもむしろ居酒屋の方が盛り上がると思う

また、次のように、比較対象が明確な場合は、省略される場合もあります。

妹の方がむしろしっかりしている

というと、「妹の方が、(兄あるいは姉よりも)しっかりしている」という意味です。

「むしろ」は接続詞ではないが文頭で使うことも

「むしろ」は、接続詞ではないため、文頭に用いて、前後の文をつなぐようなはたらきはありません。しかし、文頭で使うことも多く、たとえば、「むしろありがとう」という表現は会話でよく用いられます。この場合は「迷惑などではなく、どちらかといえば感謝している」「煩わしいどころか、どちらかというと助かった」といった表現を省略したものであると言えるでしょう。

なお、「むしろ」は副詞に属します。「副詞」は、「ほかの言葉を詳しく説明する」という働きを持つ品詞で、「むしろ」は文章中の他の単語に「どちらかといえば」「いっそ」という意味を付け足すのが役割です。

敬語表現の中でも「むしろ」は使用可能

「むしろ」は副詞なので、敬語形があるわけではありませんが、敬語表現の中でも使うことは可能です。

例文

(相手の謝罪を受け)お詫びしなければならないのはむしろ私の方です

「むしろ」の類語

「むしろ」の類語は「どちらかといえば」「いっそ」

「むしろ」の類語では、「どちらかといえば」や「いっそ」が挙げられます。いずれの単語も、「むしろ」の意味を表す際に用いられるように、言い換え表現としても使える単語です。

また、「いっそ」は、とりわけ、意に反したものを選ぶ際に「どうせ」の意味で使用することも可能です。たとえば、「文句ばかり言うならいっそやめてしまえ」などやや強いニュアンスでも使うことができます。

「むしろ」と「かえって」は使用によって意味が異なる

「むしろ」と似た意味を持つ単語には、「かえって」も挙げられます。「かえって」は「期待されることとは反対に」「逆に」といった意味があり、予想される結果とは逆の事柄が発生した際に使用します。たとえば、

例文
  • 仕事が休みの日の方が、むしろ調子がよい
  • 仕事が休みの日の方が、かえって調子がよい
という風に、「むしろ」と「かえって」は言い換えが可能な場合もあります。

一方で、「むしろ」は「Aより、Bの方がよい」と比較して後者を選ぶような場合にも用いる単語です。そのため、文脈によっては言い換えができない場合や言い換えることで意味が変わってしまう場合もあります。

「むしろ」英語表現

「むしろ」は英語で「rather」を使う

「むしろ」を英語で表現する場合には、「rather」を使用します。「rather」には「どちらかといえば」「むしろ」といった意味があり、次のような使い方が可能です。

例文
  • I would rather stay at home than go out.(私は出かけるよりもむしろ家にいたい)
  • I rather go shopping.(むしろ買い物に行きたい)

他にも、「instead(その代わりとして)」を使用することもあります。

例文

Instead I got tired(わたしはむしろ疲れた)

まとめ

「むしろ」は、二つの事柄を比較して「どちらかといえば(後者の方がよい)」「いっそ(~の方がよい)」という場合に使います。本来副詞ですが、会話では明白な事柄を省略して「むしろありがとう」のように文頭で用いることもよくあります。ビジネスシーンをはじめ、日常会話でも使える表現なので、これを機に活用してみてください。