「社訓」とは?「社是」や「経営理念」との違いと英語表現も解説

「社訓」とは会社が社員が守るべき教訓としてオフィスの壁などに掲げられていることがありますが、「社是」や「経営理念」とはどのように違うのでしょうか。今回は「社訓」の意味と例に併せて「社是」や「経営理念」との違い、「社訓」の会社での使われ方、さらに英語表現も解説します。



「社訓」の意味と例文

「社訓」とは「会社の教訓」という意味

「社訓」とはその会社で働く社員がどのようなことに心がけて事業に従事すべきなのかを定めたもので、その会社の教訓と言い換えることができます。社員が守るべき会社の基本的な指針を語句や文章化して掲げます。

「社訓」の例

「社訓」は社員がその会社に従事する者として守るべき行動規範や指針を定めたもので、社員へのメッセージとして会社が作成するものです。そのため会社の経営目的を反映したメッセージとなり、社員にとってわかりやすい語句やフレーズになります。

例えば、「堅実に礼節を重んじる」のように社員の就業態度を促す社訓もあれば、サービス業ならば「お店はお客様のためにある」のように社員の顧客に対する考え方が社訓になっていることもあります。

「社訓」を使った例文

  • 「わが社の社訓は各部署のオフィスに額縁に入れられて飾られている」
  • 「学校に校訓があるように、会社には社訓がある」
  • 「社風が社訓という形になって表されている」 

「社是」との違いとは

「社是」とは「会社の経営方針」のこと

「社訓」とよく混合されることのある「社是(しゃぜ)」とは「会社の経営方針」のことです。「社是」はその会社が追及する理念や社会にどのようにかかわりどのような立ち位置でありたいのかなどを語句やフレーズによって表し、一社につき1つの社是が設けられます。

「社是」の「是」とは「よいこと」や「正しいこと」という意味があることから、「社是」は「会社にとって正しいこと」と言い換えることもできるでしょう。

また社是は会社の方針として社内で示されるだけでなく、社会とのかかわりを謳っていることもあり、社外にも提示されます。

「社訓」との違いは対象が異なる

「社是」と「社訓」との違いは、「社是」が会社の経営方針なので社内と社外に向けて示されるのに対して、「社訓」は社内でのみ示されて社員が守るべき教えとして知らされます。

提示する対象が異なるため、文章表現の違いとして表れます。「社是」は内外に向けたメッセージになるので断定的に表現されることが多いのですが、「社訓」は社員への教えなので社員が会社への従事態度を宣言するような口調が用いられることもあれば、「~すべし」や「~せよ」といった命令的な表現が使われることもあります。

「社是」に関しては、当サイトの別記事にて詳しく解説してありますのでご参照下さい。

「社是」の意味は目的とは?「社訓」や「経営理念」との違いも解説

「経営理念」との違いとは

「経営理念」とは「経営者が企業経営に持っている考え方」のこと

「経営理念」とは、その会社の経営者が企業経営にあたりどのように考えているのかをまとめたものです。会社の使命から経営目的、社会とのかかわり方や最終目標などその内容は多岐になり複数になることがあります。

「経営理念」の別の言い方として、企業理念や経営哲学、経営信条などもあります。

「社訓」には「経営理念」が反映される

「社訓」と「経営理念」の両方とも社内に向けられたものですが、「経営理念」は経営者が考えるその会社の存在意義に関わることなので社内全体に浸透すべき事柄であるのに対して、「社訓」はその会社で働く個々の社員に向けられています。

「社訓」は「経営理念」を実現するための行動規範として作成されることから、「経営理念」は会社の経営者の考える経営方針を知るためにあり、「社訓」は経営理念をもとに作られた社員への教えだと区別することができます。

「経営理念」と「社是」の違い

「経営理念」は「社是」とも混合されやすいのですが、その理由はどちらも会社の経営方針に関する考え方が反映されているからです。しかし厳密にいうと、「社是」はその会社の経営上の方向性を示すのに対して、「経営理念」は経営者のその会社の関する考え方をまとめたものとという違いがあります。

ただし結果として「社是」と「経営理念」として表されることが似てしまうことがあるのですが、それぞれは違うものだと覚えておきましょう。 

「社訓」を浸透させるために会社で行われていること

「社訓」が額縁に入れて飾られている

「社訓」は額縁に入れられて飾られていることが多くあります。「社訓」は社員が守るべき事柄がまとめられているので、社員の目につきやすいオフィスの壁などに掲げられます。

朝礼で社訓の唱和や暗記には批判的な声も多い

社訓を社内に浸透させるための手段として、朝礼や会議の前などに教訓を唱和する、または社員に社訓を暗記させる会社も見られます。しかし社訓を唱和することや暗記には意味がないなどと異議を唱える声も多く聞かれます。

社訓は唱和や暗記するよりも、普段の社員の仕事ぶりから社訓を反映したアドバイスとして伝えたほうが効果的であるとする考え方もあります。

「社訓」の英語表現

「社訓」は英語で「motto」が使える

「社訓」の英訳にはいろいろとありますが、そのうちのひとつとして「motto」が挙げられます。カタカナ語にもなっている「モットー」は「信念や目的を表す短い文やフレーズ」という意味で、社訓と解釈することもできます。

またもう少しかしこまった英訳なら「corporate philosophy」や「company mission statement」があります。どちらのフレーズも企業理念と訳されることもありますが、実用的には社訓として用いられます。

「社訓」をつかった英語例文

  • “Our company’s motto is displayed on the wall in the office.”
    「わが社の社訓はオフィスの壁に飾られている」
  • Employee morale is raised by the company mission statement.”
    「社訓によって社員の士気が上がる」

まとめ

「社訓」とは「その会社の社員が守るべきこと」という意味です。「社是」とは違って個々の社員に向けられた教訓で、「社訓」には経営理念が反映されています。「社訓」を社内に浸透させるために額に入れて飾られたり社員によって唱和されることもあります。