「パースペクティブ」とは?意味と使い方を分野別に例文で解説

「パースペクティブ」は教科書の名前に採用されたこともある単語ですが、写真や建築はじめ、哲学・社会学など様々な学術分野から一般的なビジネスシーンまで幅広く使われています。本記事では、この「パースペクティブ」の詳しい意味とともに、分野別の使い方について解説します。「パースペクティブな視点」など具体的な言い回しも例文で紹介します。

「パースペクティブ」とは?

「パースペクティブ」の意味①”視点・見通し”

「パースペクティブ」の意味は、“視点・(ものの)見方・見通し”です。「考え方」という意味で「パースペクティブ」ということもあります。

「パースペクティブ」の意味②”遠近法”

「パースペクティブ」には、上記以外にも“遠近法”やその技法である“透視図法”という意味も持つ単語です。「遠近法」とは、実際に肉眼で確認したものと同じもの(見え方)にするために、近くを大きく、遠くを小さく描く技法を指します。

「パースペクティブ」は英語の”perspective”に由来

日本で使われている「パースペクティブ」というカタカナ語は、英単語の「perspective」が定着したものです。英単語の「perspective」には、「考え方」「見方」「眺望」「将来の見通し」などの意味があります。また、カタカナ語同様に、「遠近法」「透視画法」という意味でも使用されます。

たとえば、「fine perspective」は「眺めの良い景色」という和訳になり、「strange perspective」とすると「変な見方(考え方)」という意味になります。他にも、

例文
  • put in perspective : ~を視野に入れて見直す
  • keep in perspective : 正しい相関関係に置く、事実を正しくとらえておく

というイディオムでも用いられるなど、英語でも幅広いシーンで使われる単語です。

「パースペクティブ」の使い方・例文とは?

ビジネスでは「パースペクティブな視点」とよく使う

ビジネスシーンで使われる場合は、「パースペクティブな視点」という表現でよく用います。この場合の「パースペクティブ」とは、「見通しの立った」「多角的な」と訳すことができるでしょう。

例文
  • パースペクティブな視点で考えることはリスクヘッジの切り口にもなる
  • 新企画立案にはパースペクティブな視点が役に立つ
  • パースペクティブな視点は国際化が広がる社会において必要不可欠だ

「パースペクティブ」には、「視点」「考え方」という意味があると先述しましたが、この例に関しては「様々な」といった意味を充てた方が自然です。

「パースペクティブを持つ」という表現も

「パースペクティブを持つ」という言い回しにすると、「様々な立場からの視点を持つ」「様々な角度から物を見る視点を持つ」という意味になります。ビジネスシーンでは「パースペクティブな視点がない!」と叱責されるような場でも使われる表現です。

例文
  • もっとパースペクティブを持って考えるとよい資料ができるはずだ
  • パースペクティブを持つことは、人間関係にもよい効果をもたらす

哲学や心理学、社会学でもよく用いられる

「パースペクティブ」は学問分野でもよく用いられる単語です。学問や研究の分野でも「それぞれの視点」という意味で用いられることが多い一方で、心理学・哲学の分野では特に「世界を認識する視点」という意味で用いられるのが特徴です。

学問・研究における「パースペクティブ」は訳としては「視点」と端的に表現することもできますが、その意味する内容は研究者によっても異なります。研究者による「ものの見方」「物事の様々な切り口」という意味でも「パースペクティブ」は使用されることがあります。

写真・芸術における「パースペクティブ」は”遠近感”のこと

「パースペクティブ」を写真に対して使うと、「遠近感」を意味します。芸術作品でも似た意味で使用されていて、「パースペクティブ」は「遠近法」の意味となります。

「遠近法」には大きく二つの特徴があります。ひとつは、同じ大きさの物でも視点から遠いものほど小さく描くこと、もうひとつは、ある角度からの視点ではものがひずんで見えることがある、という点です。

建築においては「透視図法」のこと

建築における「パースペクティブ」も芸術作品同様に「遠近法」を意味する言葉として使われていますが、中でも「透視図法」の意味で使用されるのが特徴です。「透視図法」とは、遠近感を出し表現する技法のひとつで、「パース」という略語で用いられることもあります。「パースをとる」「パースがきつい」といった言い回しは、建築業界ではよく耳にする表現です。

まとめ

「パースペクティブ」は、「様々なものの見方・考え方・視点」の意味で用いられるカタカナ語で、ビジネスでは「パースペクティブな視点」などとよく用いられます。ただし、カメラや芸術、建築の分野では「遠近感」「遠近法」を表す言葉となり、意味が大きく異なる点に注意したい単語です。