「総合職」と「一般職」の違いは?年収・男女比や専門職との違い

求人情報の募集職種には「総合職」「一般職」の文字を見かけることがあります。本記事では、この「総合職」と「一般職」の業務の違いをはじめ、年収や男女比などそれぞれの特徴について詳しく解説します。また、「専門職」「技術職」といったその他の職種や英語訳(英語表記)についても併せて紹介します。



「総合職」と「一般職」の定義

「総合職」とは「基幹業務に取り組む職」

「総合職」とは、「総合的な判断を必要とする職」を意味し、主に「基幹業務に取り組む職」を指します。わかりやすい言い方をすると、将来には企業の中核を担う「幹部候補生」ともいえるでしょう。

入社後、様々な部署・業務を経験し、ゆくゆくは管理職になることを期待されているのが「総合職」です。企業によって異なりますが、部署の異動を伴うことが多いのも「総合職」の大きな特徴でしょう。

「事務系総合職」と「技術系総合職」という分類も

「総合職」は「事務系総合職」あるいは「技術系総合職」という呼び方をされることもあります。これらは、事務系(人事・経理・総務など)と技術系(研究・開発・設計など)の区別はあるものの、それぞれの分野で幅広い業務を担当する職種を意味します。「総合職」同様に、「事務系総合職」や「技術系総合職」も各分野内の幹部候補生として位置づけられる職種です。

「一般職」は「補助的な業務を担う職」

「一般職」とは、「一般事務」に代表されるような「定型的・補助的な業務を担う職」を指します。営業部・総務部など部署によって実際の業務は異なるものの、資料の作成や庶務業務など「総合職」のサポート的役割を担うのが「一般職」です。業務範囲がさほど広くなく、マニュアルで対応できるような仕事、という表し方も可能です。

「雇用機会均等法」施行時に作られた職種概念

上記の「総合職」や「一般職」という考え方は、「雇用機会均等法」の施工時(1986年)に生まれたもので、男女のくくりをなくし、意欲や適性・能力などによって評価・管理を行うべく、導入されたものです。当初は、大企業を中心として導入されましたが、現代においては、幅広く受け入れられていて、特に新卒採用においては学生の最初の選択肢として選ばれています。

「総合職」と「一般職」の特徴・違い

「総合職」と「一般職」は業務内容が一番の違い

「総合職」と「一般職」の一番の違いは、業務内容です。たとえば、顧客営業を担当するような営業職が「総合職」の代表的な例で、「一般職」はそのサポート役として事務作業を担う「営業事務」となります。「一般職」は部署を問わず事務的作業を担当し、「総合職」を支えるポジションであるのが大きな特徴です。

「総合職」は売上や経営につながるような「判断」を伴う仕事と例えられることもあります。

キャリアアップの概念も異なる

「総合職」は将来、課長や部長などといった役職に就くことも想定されているため、キャリアアップが見込めます。一方、「一般職」でも昇格がないわけではありませんが、「総合職」とは入社の段階から階級に差があることも多いのが一般的です。そのため、昇格試験までの道のりも「総合職」とは異なる場合が多いでしょう。

給与・年収は「総合職」の方が期待できる

「一般職」はどうしても仕事の範囲が狭く、かつ業務量も「総合職」に比べて少ないため、給与(基本給)が低い傾向にあります。「職能資格制度(従業員の職務遂行能力を判定し、レベルに応じて等級化する制度)」の昇級試験を受ける場合でも、業務上の成果を上げることが条件となりますが、目に見えた評価がしづらい「一般職」は「成果」の面からも昇給には不利なのが実状です。

転勤の有無にも差がある

「総合職」は基本的に、部署の異動があります。将来的に会社の基幹部門を担う人材を育てるため、また、適材適所を見極めるためにも「総合職」は数年ごとに部署異動が行われることが多いでしょう。全国、あるいは海外転勤を伴うこともあります。

一方、「一般職」は定型業務を担うことが多く、業務内容が大きく変わることはありません。部署移動を伴うこともありますが、あらかじめ定められたエリアを越えて転勤を求められることはないでしょう。

「一般職」は男性より女性が多い

本来、「総合職」と「一般職」という制度は、性差をなくすために導入された制度ですが、その導入から数十年たった今でも「総合職」では男性が多く、「一般職」は女性が大半というのが実状です。ただし、採用の段階で男性(あるいは女性)のみとするような運用は禁止されているため、男性が「一般職」に応募しても問題があるわけではありません。

「一般職」から「総合職」への入社後の転換は難しい

「総合職」と「一般職」は採用段階でコース分けされていることが多く、入社後もそのコース内で部署異動をすることになります。社内試験などを突破して「一般職」から「総合職」へと転換することが可能な企業もありますが、実際には「難しい」と言われることの方が多いようです。

一方、「総合職」から「一般職」への転換の方が容易ではありますが、一度転換すると「総合職」には戻れないケースも多いものです。入社時の選択がついて回る、と覚えておいたほうがよいでしょう。

国家公務員でも特徴はほぼ同じ

「総合職」と「一般職」というコース分けは、一般企業だけでなく国家公務員にもあります。「総合職」と「一般職」の大まかなイメージは一般企業と同じで、「総合職」は「幹部候補として中核業務」を、「一般職」は「事務処理を主な業務」とします。ただし、国家公務員という仕事柄、それぞれ次のような特徴が出ます。

*総合職
政策の企画・立案、法律の制定・改定などを担う。いわゆる「キャリア官僚」として、様々なポストの経験を積む

*一般職
政策の実行・運営を担う。各省庁の出先機関で業務にあたる(厚生労働省…東京労働局など、財務省…税関など)

「総合職」や「一般職」以外の職種

「技術職」はモノづくりを担う職

「総合職」や「一般職」以外には、「技術職」が挙げられます。文字通り、「技術者」と呼ばれる仕事が該当します。たとえば、機械工学・電子工学・情報工学などの知識を持つ人が従事するような、開発・設計・製造に関する業務が「技術職」です。大学や専門学校などで学んだ人をはじめ、専門知識を持つ人が従事します。開発・設計・製造以外にも、モノづくりの根幹となる「研究職」も一種の技術職と言えるでしょう。

「専門職」は専門性に特化した職

「専門職」とは、文字通り「専門性の高い職種」を指す言葉で、たとえば国家資格を必要とする医師や弁護士、警察官などが該当します。また、国家資格の有無にかかわらず、長期にわたって専門的な技術を身に着けた人しかつけないような職種も「専門職」と呼ばれます。たとえばプログラマーなどIT分野では「専門職」と呼ばれる仕事は多数存在します。先述した「技術職」も「専門職」のひとつと言えるでしょう。

「総合職」と「一般職」の英語訳

「総合職」「一般職」は日本独特の表現

英語で「総合職」と訳されるのは、「generalist」です。一般職は、「general staff(general service jobs)」と表現することができます。ただし、「総合職」や「一般職」という職種の概念は、日本独特の考え方です。より忠実に英訳するのであれば、「major career path(総合職・基幹職)」「minor career path(一般職)」といった表現も可能です。

欧米諸国では、単なる「事務スタッフ」ではなく「秘書」「受付」「総務事務」「人事」など具体的な仕事内容・所属部署を用いて表現するのが一般的です。以下に、職種の英語表現の一例を紹介します。

例文
  • specialist(専門職)
  • administrator(管理者、担当者)
  • professional staff(専門職)
  • regular service employees(公務員)
  • general office work(一般職)
  • secretary(秘書)
  • receptionist(受付)
  • accounting clerk (経理担当)

まとめ

「総合職」は企業の基幹業務を担うような幹部候補スタッフ、「一般職」は主に事務業務を担うサポートスタッフを指します。部署の異動や転勤の可能性などを考慮すると変化の多い「総合職」ですが、昇給の可能性・チャンスも多いのが特徴です。入社後に転換することを可能とする企業もありますが、そう簡単なことでもありません。どういった働き方がしたいのかを十分に考えたうえでの選択が求められます。