「仕事で理詰めされて疲れた」「理詰めばかりする彼氏と別れたい」などに使われる「理詰め」には、どういった意味があるのでしょう。また「理詰め」の上司に対して「どう接したらいいかわからない」と悩んでいる人もいるかもしれません。
「理詰め」の意味や使い方について、例文を入れながら解説します。また、「理詰め」の類語や英語訳、理詰めの人の性格・特徴、ハラスメントとの関係にも触れていきます。
「理詰め」とは?
「理詰め」の意味は”理屈で押し通すこと”
「理詰め」の意味は、“議論などにおいて、論理や理屈で押し通すこと”です。
ここでいう「論理」とは考え方や議論の「筋道」のこと、「理屈」とは「物事の筋道」「現実を無視したこじつけの理由」のことです。これらから「理詰め」は、「議論において状況を度外視して、理屈を押し通す」という意味になります。
「理詰め」の読み方は”りづめ”
「理詰め」の読み方は“りづめ”です。
「理詰め」はネガティブなニュアンスの表現
「理詰め」という単語は、「論理」「理屈」というニュアンスから、少なからず知的な印象を受けるかもしれません。仕事がデキる人はやはり、論理的思考に基づいた判断を下すものです。
その一方で、「理詰め」の持つ「筋道を押し通す」というニュアンスは、やや強引な印象を与えます。「事情を考慮しない理屈重視」といったネガティブな印象を持たれることも多い言葉です。
「ロジカルハラスメント(ロジハラ)」という言葉もある
「ロジカルハラスメント」という言葉をご存知でしょうか。パワハラやセクハラのように、ビジネスシーンで起こりうるハラスメント(嫌がらせ)のひとつです。相手を正論で追い詰めて、精神的にもひどく傷つけてしまうことを言います。
「理詰め」であること自体は、ロジハラにはなりませんが、「相手を感情を考えずに追い詰める」状態まで深刻化してしまうと、ロジハラになりうる可能性があります。
「理詰め」の人の性格・特徴とは?
「理詰めの上司」は正論やキツい物言いをすることが多い
「理詰め」とは「理屈を押し通すこと」と説明しました。会社のようなビジネスシーンでは、特に正論を述べて意見を通そうとする上司に対して「あの人は理詰めの上司だ」といった言い方をします。
ビジネス上、論理的に事を進めることが役立つ場合もありますが、職場の人間関係においては、お互いの事情や感情を考慮した対応が求められることも多いものです。「理詰め」の相手には苦戦することも多いですが、適当に受け流したり、いったんは相手の話に乗るフリをするのもうまくやり過ごす方法のひとつです。
彼氏・彼女など恋愛関係の「理詰め」は嫌がられる
男女の恋愛関係においては、ことさら「理詰め」は嫌われやすいとも言われています。相手の感情や事情を考慮しない、「理屈のみ」の話を聞くことは苦痛につながることもあるためです。
例えば交際相手が「理詰めな性格」だった場合、「思いやりに欠ける人だ」「いつも厳しく責められているような気がする」といった印象を持つこともあるでしょう。男女関係を難しいものにしてしまうのも理詰めの人の特徴です。
「理詰め」の使い方と例文とは?
「理詰めで話す」「理詰めで追及する」と使う
「理詰め」という言葉は、「理詰めで話す」「理詰めで追及する」「理詰めで責め立てる」といった言葉とともによく用いられます。また、「理詰めの決断」とは「理詰めによって導き出された決断」という意味で、端的に言うと「論理的な思考・道理による決断」という意味になります。他にも、「理詰めの戦法」などと使われることもあります。
「理詰める」とは使わない
「理詰め」は、「理詰める」という使い方はしません。「理詰めする」、あるいは先述したように「話す」「追及する」などの動詞とともに使うのが一般的です。
また、似た表現では「理を詰める」という言い回しもあります。「理を詰める」とは、「理を尽くす」と同義とされていて、「道理を尽くす」「道理を徹する」などの意味を持つ表現です。
「理詰め」を使った例文
「理詰め」を使った例文をご紹介しましょう。
- 理詰めで話す人はどうも苦手だ
- 上司に理詰めで追及され、返す言葉がなかった
- 理詰めで責め立てるのは得策ではない
- 理詰めの決断がいつも最善の策とは限らない
「理詰め」の類語とは?
「論理的」「理論的」が似た意味の表現
「理詰め」と似た意味の言葉には、「論理的である様」「理論的である様」を意味する表現が挙げられます。具体的には、「筋道を立てて話す」「理にかなっている」「筋が通っている」「一理ある」などです。
- 確かに、上司の話は論理的で、筋が通っている
- 筋道を立てて話すことは、重要だ
- 彼の論理的な話は聞き飽きた
- 田中さんの話は一理あるが、そのやり方は強引すぎる
「理詰め」との違いは”押し通す”の意味がないこと
「論理的」「理論的」「筋が通っている」などの類語は、「理詰め」と異なるポイントがあります。それは、「理詰め」の持つような「押し通す」といったニュアンスがないことです。話や主張に筋が通っている様子を表すために使いましょう。
「理詰め」の英語訳とは?
「理詰め」は英語で”logical”や”theoretical”
「理詰め」は、「論理や理屈を押し通す」という意味の言葉で、ビジネスシーンはもちろん、あらゆる関係で用いられます。
- He does everything by logic(彼は何をするにも理詰めで行う)
- He always reasons a problem out(彼はいつも理詰めで問題を解決する)
- He reasoned her into apologizing(彼は理詰めで彼女に謝罪させた)
まとめ
「理詰め」は、「論理や理屈を押し通す」という意味の言葉で、ビジネスシーンはもちろん、あらゆる関係で用いられます。確かに、論理的に事を進めることが役立つ場合もありますが、ことさら、人間関係においては、お互いの事情や感情を考慮した対応が求められることも多いものです。
「理詰め」の相手には苦戦することも多いですが、適当に受け流したり、いったんは相手の話に乗るフリをするのもうまくやり過ごす方法のひとつです。