「直近」とは?使い方例文や「間近」「最近」との違い・類語も解説

「直近12ヶ月では~」や「直近の売り上げは~」とビジネスシーンでよく用いられる「直近」とは、どういった意味の言葉なのでしょう。「直近」の詳しい意味とその定義、使い方について解説します。「間近」「最近」との違いや対義語、英語訳についても触れています。

「直近」とは?

「直近」の意味は”すぐ近く・最も近く”

「直近」の意味は、“すぐ近く・最も近く”です。ビジネスシーンでは「最も近い時期」、つまり「最新の・最近の」の意味で使われることも多いのが特徴です。

「直近」には、具体的に「○日前」あるいは「〇時間前」「〇ヶ月間」といった期間の定義はありません。「直近」と呼ばれる期間はその文脈で異なり、「前月」だったり「1年前」だったりするためその都度判断が求められます。

「直近」の読み方は”ちょっきん”

「直近」の読み方は“ちょっきん”です。なお、「直近」は”ちょくきん”とは読みません。「ちょっきん」とつまる音で読むのが正しい読み方です。

「直近」は場所にも使うことができる

「直近」という言葉は、日程や時間、期間だけでなく、場所に対しても使うことができます。たとえば、「直近の駅」というと「一番近い駅(最寄り駅)」という意味になり、「直近のATM」というと「一番近いATM」という意味です。

「直近」の使い方と例文とは?

「直近の」「直近では」とビジネスで広く使える

「直近」という単語は、「直近のデータ」「直近の売上」のように「最新の~」の意味で使われることが多いのが特徴です。また、同様のニュアンスで「直近では~です」という風に、「直近では」という表現もよく見聞きします。

例文
  • 直近の売上データを資料に使う
  • 直近では、2018年度の情報を入手することができます

また、株価で用いられる「直近高値」とは、「現在よりも高い、最近の高値」という意味です。「直近安値」は同様に、「現在よりも安い、最近の安値」という意味になります。

「直近12ヶ月」と期間を入れて使うことも可能

「直近」は具体的な期間とともに使うこともできます。たとえば、「直近12ヶ月」とは、「最も近い12ヶ月間」という意味です。たとえば、2019年5月1日に言われた場合、その前日から12ヶ月さかのぼり、2018年5月1日~2019年4月30日を意味します。

また、「直近」は過去だけでなく未来のことにも使うことができます。たとえば、「直近1週間くらいで空いている日を教えてください」というと、「1週間以内の空いている日で最も近い日を教えてください」という意味です。同様に、「直近の木曜日が空いています」は「一番近い木曜日が空いています」の意味になります。

「直近の目標」は近い目標の意味に

「直近の目標」は、「最も近いうちに達成したい(達成すべき)目標」という意味になります。つまり、現在最も取り組むべき目標が「直近の目標」ということになります。

例文
  • 直近の目標は、新規契約を1件とることです
  • 直近の目標はただ掲げるだけでなく、期日を設定することも大切だ

「直近にならないと」は”直前”の意味に

ビジネスシーンでは「直近にならないとわかりません」というフレーズを使うこともあります。この場合、「直前にならないとわかりません」というニュアンスです。たとえば、「イベントの詳細は直近にならないと入手できない」というと、「イベント直前まで詳細は分からない」という意味になります。
ただし、「直近」は明確な定義があるわけではないので、1週間前とも1日前ともとることができます。明確な期日を使った方が親切でしょう。

「直近の上司」のように人間関係に使うことも可

「直近」は人間関係の「近さ」について使うことも可能です。「直近の上司」というと、「最も近い上司」つまり「直属の上司」という意味になります。

例文
  • 直近の上司とウマが合わなくて困っている
  • 特別親しいわけではなかったが、直近の知り合いということで呼び出された

「直近」と「間近」の違いとは?

「間近」には”最も近い”の意味はない

「間近(まぢか)」とは、文字通り”間が近いこと”を意味する単語です。「間が近い」の「間(ま)」とは、時間や距離のこと。たとえば「イベントが間近に迫る」「最寄り駅の間近だ」といった使い方をします。イメージとしては「目の前に迫っている」ことを表します。

「直近」との違いについて、「間近」には「最も近い」という意味はありません。そのため、近さの度合いとしてより近い(=至近距離)の場合には、「直近」のほうが適切でしょう。

「直近」の類語とは?

類語①「最近」は基準となる日に最も近いこと

「直近」と似た意味の単語には、「最近」が挙げられます。「最近」とは、「基準となる日・位置に最も近いこと」を意味する単語です。

ただし、時間的な事柄に限定して使用する点が「直近」とは異なります。場所に関して「近いこと」を言いたいときには使えません。

類語②「近々」は未来に対してのみ使う表現

「直近」と似た意味の単語には「近々」という単語も挙げられます。「近々(きんきん・ちかぢか)」とは、「近い将来・近いうちに」と時間的・距離的な事柄に言及する際に使用できます。

「直近12ヶ月」のように、過去の事柄に使うことはできませんが、「近々(ちかぢか)飲みに行かない?」「近々で(きんきんで)空いている日を教えて」のように近い未来を表す際によく用いられます。

「直近」の対義語とは?

「直近」の対義語は”将来”や”そのうち”

「直近」と反対の意味を持つ単語は「将来」や「そのうち」が挙げられます。「将来」とは、「これから先・未来」を意味する単語で、「すぐ近く」を意味する「直近」とは対義的な関係にあります。

「そのうち」は、「少し先・そう遠くはない未来」を意味する単語です。「そのうちやる」というと、「もう少ししたらやる」という意味になります。ただし、厳密な期間が設定されたわけではないため、後回しにしているという印象を与える表現になります。

「直近」の英語表現とは?

「直近」は英語で”immediate”や”earliest”を使う

「直近」を英語で表現する場合は、“immediate”“earliest”という単語が用いられます。「immediate」には”即時の・ごく近い”の意味があり、たとえば、「直近の午後」は”immediate afternoon”と表現します。

「earliest」には、”早期の・初期の・早く”という意味があります。たとえば、「直近で空いている午後」という場合には”the earliest available afternoon”という表現が可能です。

「最新の」の意味で使う場合は”latest”

「直近のデータ・直近の情報」のように、”最新の”の意味では、「latest」という英単語を使用します。たとえば、「the latest data(最新データ)」や「the latest news(最新ニュース)」として使うことができます。

まとめ

「直近」は「すぐ近く」という意味の言葉で、「現在からすぐ近く=最新」の意味でもよく用いられます。「直近」は近い未来を意味するだけでなく、「直近12ヶ月」のように過去の事柄を指しても使うことができますが、具体的な期間の定義があるわけではありません。誤解のないように使うためには、具体的な日時を添えた方がよいケースもあります。