ビジネスシーンでは、「貸与機器」や「貸与品取扱誓約書」などを取り扱うことがありますが、この「貸与」の読み方とその詳しい意味を知っていますか?本記事では、「貸与」について、意味や使い方を例文で詳しく解説します。また、「貸出」「譲渡」「借用」「拝借」などといった類語・対義語や英語訳についても紹介します。
「貸与」の意味や読み方とは?
「貸与」の意味は”貸し与えること”
「貸与」の意味は、“貸し与えること”です。簡単に言うと「貸すこと」を意味し、「返却することを条件として、金品の使用を許す」という場合に使われます。
「貸与」の読み方は”たいよ”
「貸与」の読み方は、“たいよ”です。「貸与」の「貸」は、一見読みにくく感じるかもしれませんが、「賃貸(ちんたい)」にも使われている読みです。
「貸与」の使い方と例文とは?
「貸与する」「貸与される」が一般的
「貸与」は、「貸与する」「貸与される」という表現で用いられます。たとえば、「制服は無償で貸与します」というと、「制服を無料で貸します」という意味になります。
- 貸与された物品は大切に管理してください
- 営業用の携帯電話を貸与された
- 業務で使うものなので貸与してくれると助かる
「貸与機器」や「貸与品」には誓約書が伴うことも
「貸与されるもの」という意味では、「貸与品」や「貸与機器」という表現も、ビジネスシーンではよく用いられます。「貸与品」は、いずれ返却することが条件となりますが、その返却に関してや貸与中の取扱いに関して「貸与品取扱誓約書」を記載することもよくあります。
貸与品取扱誓約書
私は、以下貸与品を下記の事項を厳守して使用することを誓約いたします
貸与品
社員証 一式
制服 一式
記
1.貸与期間中は自己の責任で管理する
2.紛失や破損した場合は、速やかに報告する
3.業務以外に使用しない
4.自己の重大な過失や故意により、貸与品に損害を与えた場合、賠償又は弁償する。
令和Ο年Ο月Ο日
「貸与」の類語とその違いとは?
「貸与」の類語は”貸出”や”貸付”
「貸与」と似た意味の言葉には”貸出”や”貸付”が挙げられます。「貸出(かしだし)」とは、”金品を貸して、外部への持ち出しを許可すること”という意味の単語で、使用の許可とともに、期間が設定されるのが大きなポイントです。「貸与」もいずれは返却義務がありますが、「貸出」の方がより明確な期間設定が特徴的です。たとえば、レンタルDVDなどをイメージするとわかりやすいでしょう。「貸出」では、期間に加え、貸出物品の状態も厳しく問われます。
「貸付(かしつけ・たいふ)」とは、同じ「貸す」という単語の中でも「金銭・土地・建物・権利」などに対して使われる限定的な単語です。「貸付」の場合は、期間だけでなく、担保・金額・利率など明確な条件を書面にて取り交わす、というのが通例です。それに比べて「貸与」は、返却が条件とは言え、期日や細かい規定が不明瞭と言えるでしょう。
「譲渡」は”あげること”、「貸与」とは違う
「譲渡(じょうと)」とは、”権利や財産・法的地位などを他人に移転させること”という意味の単語です。端的に言うと、「譲渡」は”あげること・譲り渡すこと”で、返すことを条件とした「貸与」とは異なります。なお、「譲渡」においては有償・無償は問われません。
「貸与」の対義語(反対語)とは?
「貸与」の対義語(反対語)は”借用”や”拝借”
「貸与」と反対の意味を持つ単語は”借用”や”拝借”です。「借用(しゃくよう)」とは、”借りて使用すること”を意味するため、「貸す」という意味の「貸与」とは立場が逆転します。
「拝借(はいしゃく)」とは、”借用”の敬語で、謙譲語に当たります。自分が「目上の人から借りる」という行為に対して、「拝借する」と使います。「借用」と根本的な意味は同じなので、こちらも「貸与」とは反対の意味を持つ単語と言えるでしょう。
「貸与」の英語訳とは?
「貸与」は英語で”loan”や”lend”を使う
「貸与」を英語で表現する場合には、“loan”あるいは“lend”を使用します。たとえば、「私の会社では制服を貸与してもらえる」は”You lend a uniform at my company.”となります。また、「制服を貸与される」という表現では、”The company provides them with uniforms.”といった表現も可能です。
- lend-lease contract(貸与契約)
- scholarship loan(貸与奨学金)
まとめ
「貸与(たいよ)」とは、「返却することを条件として使用を許可する」ことを意味し、例えば社員証や制服、業務で使用する携帯電話やノートパソコンなどが「貸与品」の一例です。返却義務はありますが、返却期日は明確に定められていません。また、過失による破損など極端な場合を除き、返却時の状態も寛容なケースが多いのも特徴です。とはいえ、信用にもかかわりますので、「貸与品」の取扱いには注意したいものです。