「感傷的」の意味と使い方とは?感傷的になりやすい人の特徴も解説

「ある曲を聞くと決まって感傷的になる」といった経験はありませんか。感傷的とは涙もろいさまのことで、寂しいときなどによく使われる言葉です。今回は「感傷的」の意味や使い方の他に、感傷的になりやすい人の特徴についても解説します。また「感傷的」の類義語や対義語、感情的や情緒的との違いと英語表現も紹介します。

「感傷的」の意味と使い方とは?

「感傷的」の意味は”感情に動かされやすく涙もろいさま”

「感傷的」の意味は、ある感情に動かされやすくなっていて、涙もろくなっているさま”です。とくに悲しみや辛さなどの悲哀な感情に動かされやすく感じやすくなっている状態です。

「感傷的」は悲しいときは寂しいときに使われる

「感傷的」は人が悲しい気持ちに満ちているといった状態のときによく使われます。例えば、不幸があってその悲しんでいるときや、失恋で悲しんでいるときなどです。

また寂しい気持ちのときにも「感傷的」は使われます。孤独がつらいとき、ひとりぼっちで寂しくて仕方がないときなどです。

「感傷的」は悲しみや寂しさから元気のないさまに使われる言葉であり、悲しみからやけを起こして気持ちが動揺している状態には使われません。

例文
  • 「彼のやりきれない思いを聞いていたら、感傷的になった」
  • 「あの曲を聞くと決まって感傷的な気分になる」
  • 「あの人の詩を読むと感傷的にならずにはいられない」

「感傷的」は感傷的にさせる物事にも使える

「感傷的」は感傷的な気持ちにさせる作品や物事の形容動詞としても使えます。悲しくて切なくなるストーリーの映画や小説、そうした感情にさせる歌詞に入れた曲などに「感傷的」が使われます。

例文
  • 「感傷的な曲」
  • 「あの小説には、感傷的な文章がちりばめられている」
  • 「先日観た感傷的な映画で、泣かされてしまった」

「感傷的」の類語と対義語(反対語)とは?

「感傷的」の類語は”悲哀”や”センチメンタル”

「感傷的」の類義語には、”悲哀”や”センチメンタル”が挙げられます。「悲哀」とは、悲しく、思わず同情したくなるようなことです。「感傷的」も「悲哀」のような悲しみに満ちている状態ですが、「悲哀」よりも「感傷的」の方がその悲しみを受けて心が弱っている状態が強くなります。

「センチメンタル」は感傷的の英訳でカタカナ語として頻繁に使われます。ちょっとしたことで感じやすく涙もろいさまで、感傷的と同義として使われます。

「感傷的」の対義語(反対語)は特にない

「感傷的」のように”感情に動かされて涙もろくなる”という意味と逆の意味を持つ表現(対義語や反対語)はありません。

真逆ではないけれども、感情的ではないという意味合いの言葉なら「理性的」があります。

「理性的」とは感情よりも道理や論理を重んじるさまを意味していて、「理性的に考える」や「理性的な人間」のように使われます。

「感傷的」になりやすい人の特徴とは?

繊細で人の気持ちに敏感

感傷的になりやすい人の特徴には、繊細で人の気持ちに敏感なことが挙げられます。他人の感情の揺れに共感しやすく、一緒になって悲しんだり感動したりしやすいタイプです。

感情の振れ幅が広いために、自分で自分の感情をうまくコントロールできない傾向もあるようです。また共感しやすいため、他人への気遣いができる人にも感傷的になる傾向があります。

感性が鋭い

感情の揺れに対して敏感で、感受性が鋭い人も感傷的になりやすいようです。外からの刺激を受けやすく、それに応じて自分の感情も変化しやすいのです。アーティストなどクリエイティブなことを仕事にしている方に多い傾向です。

論理的に考えるのが苦手

感傷的な人は感情的に物事を考える傾向があり、論理的に物事を考えるのが苦手な人も多くいるようです。自分の感情が優先されるため、段階を踏んで物事を考えることが二の次になるからです。

「感傷的」に似た言葉「感情的」「情緒的」との違いとは?

「感情的」との違いは表される感情の種類

「感情的」は感情に関するさまという意味で、悲しい気持ちや寂しい気持ちだけでなく、喜びや怒りなど様々な感情が表されます。気持ちの高ぶりも手伝って、様々な感情により興奮しているときに「感情的」が使われます。

「感傷的」との違いは、感傷的は感情的のように喜びや怒りは出てくることはなく、悲しみや寂しさといった感情が表れます。

「情緒的」との違いは表される感情の度合い

「情緒的」の意味は、なにかに反応して起こる微妙な感情のことです。情緒的は何かに触れたときの感情は繊細で、趣深いものです。「感傷的」との違いは、「感傷的」は涙もろい状態に限定されているのに対して、「情緒的」では繊細でさまざまな感情が表れます。

また「情緒的」の意味は下記のサイトに詳しく解説してあるのでご参照ください。

「情緒的」の意味や使い方は?「叙情的」との違いや類語なども解説

「感傷的」の英語表現とは?

「感傷的」は英語で”sentimental”

「感傷的」の英語表現は”sentimental”です。名詞「sentiment」から派生した形容詞で、感傷的と同義で悲しみや寂しさから涙もろくなるといった意味があると同時に、愛情のようなポジティブな感情から沸き起こってくる感情でも「sentimental」は使われます。

 「感傷的」を使った英語例文

「感傷的」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • “Because she is sentimental, she began to cry when he talked about his dramatic life story.”
    「彼が彼のドラマチックな人生を語った時、感傷的な彼女は泣き始めた」
  • “The song is so sentimental that I cannot avoid being emotional.”
    「とても感傷的な曲なので感情的になってしまう」

まとめ

「感傷的」とはある感情に動かされて涙もろくなる状態のことです。感情的や情緒的とも違い、感傷的は悲しく湿った気持ちに満たされたさまです。時にはそんな気分に浸るのも悪くないですよね。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。