ビジネスではよく使われる「ロードマップ」という言葉。目標達成までの工程がロードマップによって示されますが、どのようにすると効率よく作成できるのでしょうか。今回は「ロードマップ」の意味と「ロードマップ」の書き方・作り方を解説して、似た言葉である「マイルストーン」や「スケジュール」との違いも紹介します。
「ロードマップ」とは?
「ロードマップ」の意味①”ドライバー向けの詳細地図”
「ロードマップ」の意味は、“ドライバー向けの道路の詳細が記載された地図”のことです。「ドライブマップ」とも呼ばれます。
「ロードマップ」には、国道や県道、有料道路の区分や路線名、更にインターチェンジやパーキングエリアの位置などが記載されています。ドライブ計画を立てやすいように、主要観光スポットでは観光地や景勝地も併せて記載されているロードマップがあります。
ロードマップによっては、20万分の1から50万分の1までの広域地図のほかに、市街地の拡大地図などさまざまな縮尺の地図が掲載されています。
「ロードマップ」の意味②”目標に達するまでの計画案”
ビジネス用語として使われる「ロードマップ」の意味は、“事業の目標までの計画案”のことです。特にその計画を時系列でまとめた図や表をロードマップといいます。
ロードマップは社内向けの資料としてだけでなく、クライアント向けの社外用資料としても参考にされることがありますが、ロードマップは予定として作成されるので、状況に応じてその都度変更されます。
ロードマップが作成される例はいろいろとありますが、ある製品のリリースまでの計画案やある製品の新旧バージョンの移り変わりをロードマップとしてまとめたり、商品開発に関わる複数部門の連携状況をまとめたものなどがあります。
「ロードマップ」を使った例文
「ロードマップ」を使った例文をご紹介しましょう。
- 「道路地図」の意味で使った時の例文:
「ロードマップを見せて。明日のドライブの計画を練ろう」 - ビジネス用語として使った時の例文:
「今週末までに、新製品のロードマップを作成しておいてください」
「次のミーティングにはロードマップを提出するように」
「ロードマップ」の書き方・作り方とは?
ロードマップの作成手順
ビジネス用語として使われる「ロードマップ」はある事業の目標までの工程を時系列に整理して、どの時点で何をするのかを図表化します。その作成準備として、次の事柄をチェックしていきましょう。
- 目標を明確にする
達成したい目標を明確にします。「売り上げを伸ばす」といった漠然とした目標ではなく、「前年よりも2倍の売り上げが目標」のように、その内容はできるだけ具体的にすると、ロードマップは作成しやすくなります。 - 目標の達成時期
いつまでに目標を達成したいのかを明確にします。 - 現状の把握
現状がどのような状態なのかを分析します。 - 問題を洗い出す
現状の分析結果と達成したい目標を比較して、何が必要で、どんなことが問題なのかを洗い出します。そして洗い出した問題を分析して、そのための解決方法を検討します。 - 時系列で工程計画を練る
どの順番でどの問題から着手していくのかを時系列で考えていきます。目標達成したい時期から逆算して、どのタイミングで何をするのかを考えましょう。
ロードマップを書こう
一般的なロードマップは左から右に時系列を配して、目標達成するまでのプランを時間の経過に併せて示していきます。
大きなプロジェクトならロードマップを小分けすることもできます。3年先までかかるプロジェクトなら半年ごとに作成すると、より具体的なロードマップを作成できます。
またロードマップの形式に決まりはないので、見やすさを重視したロードマップを作りましょう。時系列の配置は左から右ではなく、上から下へと流れるフローチャート形式や、シンプルに計画表形式にもできます。ロードマップを見る人たちにとってわかりやすい形式を採用しましょう。
ロードマップのテンプレート
ここではEC事業の参入をモデルにしたロードマップのテンプレートを紹介します。実際の事業はより複雑な工程になりますので、簡略化されたテンプレートであることをご理解ください。
「ロードマップ」と似た言葉との違いとは?
「マイルストーン」の意味とは”通過点”のこと
ビジネス用語として使う「マイルストーン」の意味は、“目標までの全行程のうちの通過点”のことを指します。目標達成までに通過する小さな目標としても「マイルストーン」は解釈できます。事業の全体像が示す「ロードマップ」とは異なり、通過点としてマイルストーンは示されます。
また「マイルストーン」に関しては当サイトの別記事にて解説してありますので、そちらもご参照ください。
「メルクマール」の意味とは?ビジネスでの使い方と語源や類語も
「スケジュール」の意味は”予定表”
「スケジュール」とは“予定表”のことで、時間軸で具体的に立てられた計画のことです。ロードマップとの違いは、ロードマップには必ず明確な目標がありますが、スケジュールにはそうした目標がある場合とない場合があります。
「技術ロードマップ」とは?
「技術ロードマップ」で業界全体の方向性を決める
ロードマップには、製品リリースまでを図表化した製品ロードマップなど分野と目標に併せたロードマップがありますが、「技術ロードマップ」または「テクノロジーロードマップ」は、研究開発や技術の発展について将来、どのような方向性で進めていくべきかを示したロードマップを指します。
研究開発に従事している各会社が提示する技術ロードマップは企業レベルでのコンセンサスを明らかにしますが、業界団体や公共団体が提示する技術ロードマップや国が提示する技術ロードマップは業界全体に影響を及ぼします。
その目的は企業の壁を越えて業界全体がまとまることです。ロードマップで提示された指標に合せた開発研究を行うことは、特に未知の領域をテーマにしている分野で重要だと考えられています。
まとめ
「ロードマップ」とは道路地図という本来の意味から派生して、ビジネスでは目標達成までの工程という意味で、主に図表化して表されます。「ロードマップ」は技術開発、製品開発、事業計画、マーケティングなどあらゆる分野で活用されています。
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