「二面性」という単語は、「彼女は二面性がある」「二面性がある人は怖い」などと人に対して使うほか、「二面性を理解すべきだ」という風に物事に対しても使われます。本記事ではこの「二面性」という単語の意味について詳しく解説するとともに、その使用例を紹介します。また、「二面性」のある人の特徴や類語・英語訳など関連用語についても触れています。
「二面性」の意味とは?
「二面性」の意味は”相対する二つの性格”
「二面性」の意味は、“そのものがもつ相反する二つの特徴・性格”のことです。物事に対して「二面性」と使う場合には”相反する二つの特徴・性質”という意味ですが、人の性質・性格に言及する場合には、「表面的には分からない裏の性格・特徴」という意味にもなります。
「二面性」の使い方と例文とは?
「二面性がある人」と人に対して使うと”裏表がある人”の意味
「二面性」はよく、人に対して「二面性のある人」「二面性がある」といった表現で用いられます。この場合、「裏表のある人・人によってころころと態度が変わる人」という意味となります。
- 二面性がある人は怖いとすら感じる
- 二面性のある彼女と付き合ってから女性不信だ
- どんなにいい顔をしたって二面性があることはすぐにばれる
「二面性がある」という表現は主にネガティブな意味合いで用いられますが、「二面性がある人」でもその裏の顔を知らない人から見ると、単なる「いい人」に見えることもあります。
「二面性」を物事に対して使うと”正反対の性質”の意味
人ではなく、物事に対して「二面性がある」というと”正反対の性質を持っている”というニュアンスになります。
- 損得の二面性を考慮して判断すべきだった
- 表面的には分からなくても、物事に二面性はつきものだ
「二面性」がある人は怖い?特徴とは?
男性・女性問わず、人によって態度が変わる
「二面性がある」と言われる人は、人によって態度が変わるのが一番の特徴です。たとえば、「Aさんには穏やかな口調で接するのに、Bさんには冷たい態度をとる」というのは「二面性がある」人の大きな特徴でしょう。もちろん、人間である以上、気分によって態度が変わることはありますが、目の前の人によって急に調子が変わる・変えられるというのがポイントです。
陰口を言うのも二面性がある人の特徴
「二面性がある」とされる人は、陰口が多いのも特徴として挙げられます。たとえば、「さっきまでAさんと仲良く話していたのに、Aさんが席を外した途端、周囲に悪口を言う」というような人は、「二面性がある」と言われます。表の顔と裏の顔、そのふたつがよく表れている例です。
「二面性を持つ人」との恋愛は裏の顔に気を付けたい
「二面性を持つ人」との恋愛は裏の顔に要注意です。自分が知っている交際相手は、表の顔であり、裏には異なる素顔を秘めているかもしれません。とはいえ、恋愛において「相手によく思われたい」と試行錯誤することは、誰しもよくあるものです。そのため、必ずしも「二面性を持つ人」とは言えないケースもあります。
「二面性」が人間関係を円滑にすることも
「二面性がある」と言われる人は、一般には「裏表のある人」というネガティブなニュアンスで使用されますが、人によって態度を変えることで、結果的に人付き合いがスムーズになるというよい効果が表れることもあります。また、「ころころと態度を変える」というその姿は、表現を変えれば「臨機応変に振舞える」という特長ともいえるでしょう。
「二面性」の類語とは?
「二面性」の類語は”裏がある”や”腹黒い”
人に対して使われる「二面性がある」という表現は、”裏がある”や”腹黒い”と言い換えることができます。「裏がある」の「裏」とは、「裏の顔がある」と同義で、「表向きの態度とは異なる心中を持っている様」という意味の表現です。一方「腹黒い」には、「心の中に何か良からぬ企みを持っていること・陰険・意地が悪い」などの意味があります。
「八方美人」も似た意味の表現
「八方美人」とは、”誰からも悪く思われないように要領よく人付き合いをする人・誰にでもよい顔をする人”という意味の四字熟語です。一般にネガティブな意味で使われることの多い表現です。
「二面性がある人」は”良く思われたい”という心理から「八方美人」なふるまいをすることも多く、「八方美人」と「二面性がある人」は似たようなニュアンスで使われています。
「二面性」と「二重人格」はニュアンスが異なる
「二面性がある人」のことを、「二重人格だ」と表現することがあります。「二重人格」とは、「自分の中に二つの人格を持つこと」という意味です。一方、「二面性がある人」は人格はあくまでもひとつで、性格に「二面性」がある様を表しています。フランクな会話では、「人によってがらりと態度が変わる様」を「まるで異なる人格のようだ」という例えとして「二重人格だ」ということもありますが、厳密には異なると覚えておきましょう、
「二面性」の英語訳とは?
「二面性」は英語で”two-faced”
「二面性」を英語で表現する場合には“two-faced”を使用します。たとえば、「彼は二面性がある」の英訳は、”He’s two-faced”となります。また、同様の意味では「have two faces」や「double sided(両面)」「double-faced(表裏がある・不誠実な)」という表現も可能です。
- Some people have two faces.(二面性を持つ人もいる)
- Her personality is double sided.(彼女は二面性がある)
まとめ
「二面性」とは「そのものが持つ相反する二つの性質・特徴」という意味です。あらゆる物事に対して使うことができますが、人の性質に言及する際に「二面性のある人」と使うと、「裏表のある人」という意味のネガティブなニュアンスとなります。