「体系化されたメソッド」「体系化する能力が必要」などと使われる「体系化」とは、具体的には何を意味するのでしょう。本記事では「体系化」の意味について例文を挙げながら解説するとともに、言い換えに使える類語や英語訳についても触れています。また、「体系化」のやり方についても簡単に紹介しています。
「体系化」の意味や読み方とは?
「体系化」の意味は”ひとつにまとめてわかりやすくすること”
「体系化」の意味は、“ひとつにまとめ、わかりやすくすること”です。
「体系化」の”体系”には、「秩序をもって統一した全体・矛盾のないかたまり」という意味があります。この「体系」に”かわる・別のものになる”という意味の「化」を付けた「体系化」は、”(個々のものを)秩序をもって統一したもの・矛盾なくまとめたもの”といったニュアンスになるのです。
「体系化」の読み方は”たいけいか”
「体系化」の読み方は“たいけいか”です。
「体系化」の使い方と例文とは?
「体系化する」「体系化された」という表現でよく使う
「体系化」は、「体系化する」や「体系化された○○」といった言い回しでよく用いられます。
- 独自に体系化したメソッドを提案する
- 体系化された情報を共有する
- 体系化と言われても、その方法が分からない
- これまでのノウハウが体系化されていないため、業務の引継ぎができない
- 体系化する能力はビジネスにおいて重要だ
「体系化」の良い例は参考書やマニュアル
「体系化」とは、端的に言うと「秩序立ててまとめたもの・わかりやすくしたもの」という意味になりますが、その良い例が参考書やマニュアルです。
参考書は、様々な知識・情報をわかりやすくまとめたもので、関連する情報やより深い知識など、必要な情報が手に入るようになっています。
マニュアルもまた同様で、ただわかりやすく説明するだけでなく、どこを見れば知りたい情報があるのか、秩序だてて統一されています。
「体系化」の類語とは?
「体系化」と「構造化」の違いは不明確
「体系化」と似た単語に「構造化」が挙げられます。「構造」とは、「全体を成り立たせている組み立て」という意味の言葉で、「構造化」は「物事を要素に分解し、詳細化すること」という意味です。一般に「構造化」という場合は、物事を「上位」と「下位」に分解することが多いのが特徴ではありますが、「構造化」が「体系化」につながることもあります。そのため、「体系化」と「構造化」を明確に定義分けすることは難しいようです。
「編成」や「編制」が言い換えに使える表現
「体系化」を別の単語に言い換える場合には「編制」や「編成」といった単語が活用できるでしょう。「編制」とは、「組織を定めること」という意味の言葉で、「部隊の編制」のように使うことができます。一方の「編成」は、「ばらばらのものをまとまりのある組織とすること」という意味の単語で、「番組編成」などと使われます。いずれも、「秩序立ったまとまりにする」というニュアンスを持つため、「体系化」と似た意味の単語と言えるでしょう。
他にも、「組織化」「組み立て」などの単語も「体系化」の言い換えとして使える場合があります。
「体系化」のメリット・デメリットとは?
「体系化」の一番のメリットは効率アップ
「体系化」することの一番のメリットは、効率化と言われています。たとえば、業務の「体系化」としてマニュアルを作成することで、特定の人だけでなくスタッフ全体が仕事がしやすくなります。また、ビジネスでよく言われる「知識の体系化」は、知識を効率よくインプットすることにつながると言われています。
「体系化」になれるまでは時間・頭脳を使うのがデメリット
「体系化」は効率アップにつながりますが、「体系化する」という行為そのものに慣れないうちは、時間も労力もかかるのが「体系化」のデメリットと言えるでしょう。情報収集も時間がかかりますし、その分類にも手間がかかるものです。
自分が「体系化」したものを数日を置いて見直すと、改善点に気づくこともあります。繰り返し実践することが「体系化」の上達方法です。
「体系化」の方法とは?
「体系化」する際はまず目的を明確に
「体系化」とは、個々の情報をわかりやすくまとめることです。そのため、情報収集に飛びつく人もいますが、まずやるべきことは目的を明確にすることです。目的が明確でないと、その後の情報収集が非効率的になります。
たとえば、「業務を体系化し、無駄な業務を省く」という場合には、業務内容を洗い出すだけでなく、業務過多を感じるスタッフや業務に不満を持つスタッフからの情報収集を意識する、という方法も浮かび上がります。まずは、何を体系化したいのか、また何のために体系化するのか、その目的を明確にすることから始めましょう。
情報収集ではその引用元も記録
情報を集めたら、分類したりまとめたりする作業にうつります。情報を集める際には、その情報の種類や情報元を明らかにしておくのがポイントです。情報を入手した際にはわかっていたことも、後で見返すと忘れていることも意外と多いものです。まとめ上げることを考えても、情報を集める際に既に種類分けや分類を考えておくと役に立ちます。
似た情報をまとめ、ラベリングして完了
集めた情報は順に整理し、最終的にそれぞれのグループを章立てにしたり、名前を付けたり(ラベリング)します。この時、当初に設定した目的に見合うものになっているかどうか確認し、足りない分は再度情報を集めたり、分類しなおしたりする必要があります。
「体系化」の英語訳とは?
「体系化」は英語で”systematize”
「体系化」を英語にすると“systematize”となります。「systematize」は、”体系”の英語訳「system」の動詞形です。たとえば、”We should systematize our knowledge(知識を体系化すべきだ)”などといった使用が可能です。
まとめ
「体系化」とは、「ばらばらのものを秩序だってまとめること」を意味します。「体系化」という単語を用いることで急に難解な響きになりますが、参考書やマニュアルのように、目的に沿って情報をまとめ上げること・分類し秩序だったものとして並べることが「体系化」です。慣れないうちは手間もかかりますが、インプット・アウトプットともに効率アップが見込める手法なので習得しておくと便利です。