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「自分本位」の意味と使い方とは?例文や類語・その特徴も解説

「自分本位に生きる」とはどういった生き方だと思いますか?本記事では「自分本位」の意味と使い方、「自分本位な人」の特徴について解説します。また、「自分本位」の類語・対義語や英語訳についても紹介しました。

「自分本位」とは?

「自分本位」の意味は”自分を中心として物事を考えること”

「自分本位」の意味は、“自分を中心として物事を考えること(その姿勢)・自分を他人よりも優先して考えること(行動すること)”です。「自己中心的」あるいは「自己中(自己チュー)な性格」ということがありますが、まさにそのような考え方を「自分本位」と言います。読み方は「じぶんほんい」です。

「自分本位」が正しい表記、”自分本意”は誤り

「自分本位」は、「本意」の漢字を使用されることがありますが、これは誤りです。「自分本意」という単語はありません。

「本意」とは、「本当(本来)の意図・気持ち」という意味の単語で、「私の本意ではない」といった使い方をします。「じぶんほんい」は「自分を中心とした物事の考え方」を意味する単語ですので、「本意」では意味を成しません。誤字に注意しましょう。

「自分本位」の使い方と例文とは?

「自分本位な人」「自分本位な生き方」と使う

「自分本位」は”自分本位な人”や”自分本位な生き方”という風に、自己中心的な様を表す際に用いられます。

例文
  • 自分本位な行動をされると迷惑だ
  • 自分本位な行動は慎んでほしい
  • 自分本位な人と仕事をすると疲れる
  • 自分本位な生き方も時には必要だ
  • たまには自分本位に生きて、リラックスしてみるのもよい

「自分本位な会話」は相手の話を聞かない様を表す

「自分本位な会話」とは、”相手の話を聞かず自分中心で進められる会話・相手の発言よりも自分の発言を優先した会話”を指す表現です。たとえば、相手の発言を途中で遮って自分の話をする・相手の興味のない話を延々と続ける、などといった会話の進め方は、「自分本位な会話」と言えるでしょう。

「自分本位」の類語とは?

「自分本位」の類語は”自分勝手”や”利己的”

「自分本位」と似た意味の単語には”自分勝手”や”利己的”が挙げられます。「自分勝手」とは”人の迷惑を考えず、自分の都合だけを考えること”を意味します。「身勝手」もまた、似た意味の表現です。

一方、「利己的」とは、”自分の利益だけを追い求めようとすること・追い求めること”という意味で「利己的な人」などと使います。「利己主義(自分の利益・快楽のみを考え行動するやり方)」や「エゴイズム」も似た意味の表現として挙げられます。

「自己中心的」は言い換えには注意が必要

冒頭でも少し触れましたが、「自分本位」は「自己中心的」と言い換えることができます。しかし、厳密には少し意味合いが異なり、「自分本位」は”他人より自分を優先する”というニュアンスがあるのに対し、「自己中心的」は文字通り”自分の考えを中心(基準)とする”ことを意味します。たとえば、「良かれと思って手助けをしたのに相手に迷惑がられてしまった」というのは「自己中心的」ではありますが、「自分本位」とは言えません。

「自己本位」も似た意味の表現のひとつ

「自己本位」とは、夏目漱石にまつわる言葉のひとつとして知られています。その意味は「自分を判断・行動の基準におくこと」ですが、夏目漱石は他人にも「自己本位」を認めた点が特徴です。つまり、他人は他人でまた「判断・行動の基準を自己とする」と認めているため、自分だけでなく他者も尊重する思想へとつながっている点が評価されています。なお、「自己本位」は夏目漱石の思想のひとつとして有名な言葉ですが、日常的には「自分本位」という単語を使う場合がほとんどです。

「自分本位」の対義語とは?

「自分本位」の対義語は”利他”

「自分本位」と反対の意味を持つ単語には”利他”が挙げられます。「利他(りた)」とは、”自分の利益を顧みずに、相手の利益を考えること”という意味の単語で、「利己(りこ:自分だけの利益を考えること)」の対義語にあたる単語です。また、「他人の利益を第一の目的として行動する考え方」という意味を持つ「利他主義」という言葉もあります。

「自分本位」の対義的な表現には”他人本位”も

「自分本位」と反対の意味を持つ表現には、”他人本位”という表現もあります。文字通り、「他人のことを優先して考える」という意味を持つ表現です。ただし、「自分本位」ほど広く知らている言葉ではないと言えるでしょう。「自分本位」の対義的表現として用いるのであれば、先に挙げた「利他」の方がベターです。

「自分本位な人」の特徴と対処法とは?

仕事も恋愛も、自分のメリットで行動しがち

「自分本位な人」というのは、仕事でも恋愛でも自分のメリットを優先して行動するのが大きな特徴です。たとえば、自分の評価が上がる仕事は率先して手伝うが、そうでない場合には助け舟を出さない、というケースもあります。自分の利益・メリットを優先し、相手のために労力をかけるのを嫌がる、というのが「自分本位な人」の特徴と言えるでしょう。

「自分本位な人」は自分の機嫌で人との接し方が変わる

人間に喜怒哀楽は不可欠ですが、だからといって自分の感情で人に八つ当たりすることはスマートではありません。しかし、「自分本位な人」は気分の落ち込みや苛立ちなどで人との接し方が変わりやすいという傾向が挙げられます。自分の機嫌・感情を優先しがちなのも、「自分本位な人」の特徴です。

時間や約束事にルーズな傾向も

時間厳守はビジネスパーソンとしての基本ですが、自分のことを優先しがちな「自分本位な人」は、時間や約束事にルーズな一面を持ちます。遅刻やドタキャンが多いのに、言い訳が目立ち、相手の迷惑を考えられないのが特徴です。

「自分本位」にならないためには聞く姿勢が大切

「自分本位な人」というのは、自分のことを中心に考えてしまうため、どうしても周囲が目に入りません。「自分本位」な姿勢を改めるには、まず相手の話を聞くことが大切です。相手の話をじっくりと聞くことで、様々な価値観が耳に入ります。それによってさらに、「自分本位」な態度から抜け出せるかもしれません。

「自分本位な人」とは適度な距離を保つのがベター

一方、「自分本位な人」への対処法としては「適度な距離を保つ」のが得策です。「自分本位な態度は改めた方がいい」と正そうとしても、聞く耳をもってもらえないことも多いものです。用件だけを手短に伝え、その場を後にする・わがままには耳をかさず、きっぱりと断る、という態度も大切です。

「自分本位」の英語訳とは?

「自分本位」を英語にすると”self-centered”

「自分本位」は英語で“self-centered”と表現します。「self」には”自己”の意味が、「centered」は”中心の・中心に置かれた”という意味の単語で、この二つを組み合わせることで「自分を中心に考える姿勢」というニュアンスを表します。また、「自分の利益を優先する・自分のことだけを考える」という表現では、”look after [take care of] number one”や”puts self first”といった表現を使うこともあるようです。

例文
  • She is always self-centered.
  • You always look after number one.
  • You always put self first.

まとめ

「自分本位」とは、「自分を中心とした物事の考え方」「他人よりも自分を優先した考え方・行動」という意味で、「自分本位な人」という表現は、自分勝手でわがままな態度を批判する場合にもよく用いられます。しかし、「自分本位」が必ずしも悪いとも限りません。自分の意見や考えを持ち、それに従って生きることは、自分らしく生きるために必要なことでもあります。適度に「自分本位」になれるのがいいのかもしれません。