「身の振り方を考える」「身の振り方を変えた方がよい」などと使われる「身の振り方」という表現。これは「将来の方針のこと」で、仕事や恋愛の悩みごとにも関わりが深い言葉です。
この記事では「身の振り方」の意味と併せて、使用例を紹介します。また、「身の振り方」の類語や英語訳についても触れています。
「身の振り方」の意味とは?
「身の振り方」の意味は”将来に関する方針”
「身の振り方」の意味は、“将来の生活・仕事などに関する方針”です。読み方は「みのふりかた」です。「これからどうやって生計を立てるのか・これからどう暮らしていくのか」といった方向性のことを「身の振り方」と言います。
仕事では退職、恋愛では別れなど「人生の節目」の意味に
「将来に関する方針」という意味の「身の振り方」は、人生の節目や転換点を迎える際に使われる表現です。そのため、「仕事」に関して言うと転職や退職を意味し、恋愛では別れを意味することもあります。
たとえば、「煮え切らない彼を待ち続けるのもいいが、そろそろ身の振り方を考えるべきじゃない?」というと、「煮え切らない彼とは別れ、別の人との結婚を視野に入れては?」というニュアンスになります。
また、ビジネスシーンでは、「大きな損失を出してしまい、部長に身の振り方を考えておくようにと言われた」という風に退職を匂わせるような表現にもできます。
「身の振り方」の使い方と例文とは?
「身の振り方を考える」と使うのが最も多い
「身の振り方」は、”身の振り方を考える”という表現でよく知られています。「将来について考える・これからの仕事について考える」といったニュアンスで使用されることの多い表現です。
- 5年やっても芽が出ないのだから、そろそろ身の振り方を考えるべきだ
- 身の振り方を考える前に、まずは目の前のことに集中したい
- うちの会社、どうやら危ないみたいだ。今のうちに身の振り方を考えておかないと…
「身の振り方を変える」「身の振り方を決める」という表現も
「身の振り方」は、”考える”以外にも「変える・決める」という表現とともに用いられることがあります。「身の振り方を変える」とすると、”将来に関する方針を変える”というニュアンスに、「身の振り方を決める」とすると”将来に関して決断をする”といったニュアンスとなるでしょう。ただし、「身の振り方」という表現は、”身の振り方を考える”という表現で使われるケースが圧倒的多数です。
「身の振り方を改める」は誤り
「身の振り方」は、「改める」という表現とともに用いるのは誤りです。「身の振り方を改める」とは言いません。違和感がないので使ってしまいがちですが、「身の振り方を考える」という言い回しが通例で、「改める」という表現とともには用いないと覚えておきましょう。
「身の振り方」の類語とは?
「身の振り方」と似た意味の表現は”進路”や”去就”
「身の振り方」と似た意味の単語には”進路”や”去就”が挙げられます。「進路」とは文字通り、”これから進んでいく道のこと”です。「去就(きょしゅう)」は、”自分の身の処し方・進退のこと”を意味します。たとえば、何らかの不祥事を受けて「今の地位にとどまるのか、責任を取って辞任するのか」に対して、「大臣の去就が注目を集める」などと使うことがあります。
四字熟語では「出処進退」が似た意味の表現
「身の振り方」と似た意味の四字熟語では、「出処進退」という表現があります。「出処進退(しゅっしょしんたい)」とは、”今の職にとどまるか、やめて退くか態度をはっきりさせる”という意味です。「出処」「進退」はいずれも、”辞職するかどうかの身の振り方”を意味する言葉で、同じ意味の単語を重ねることでその意味を強調した四字熟語です。
「身の振り方」の英語訳とは?
「身の振り方」は英語で”a plan for one’s future”
「身の振り方」を英語では、“a plan for one’s future”と表現します。また、「one’s future course」や「what to do with oneself」といった表現も、「身の振り方」の意味で使われるフレーズです。
- You should make a plan for your future.(身の振り方を考えるべきだ)
- How are you mapping out your future?(身の振り方をどう考えていますか?)
- He doesn’t know what to do with himself.(彼は身の振り方に困っている)
また、「身の振り方を決める」という表現では、「make a decision about one’s future」という表現を使うこともあります。
まとめ
「身の振り方」とは、「これから先の方針」という意味で、仕事や生活基盤など将来の方向性を意味する言葉です。主に「身の振り方を考える」という意味で使われるのが特徴で、時に退職を促したり、別れを暗に示したりする場合に用いられます。ネガティブなニュアンスとしてだけでなく、将来を見据えた積極的な判断に対しても使うことのできる表現です。