「人格者」の意味とは?人格者の特徴や類語・世界的な偉人も解説

「人格者」というとどのような人をイメージしますか?本記事では、「人格者」という単語の意味と例文解説をはじめ、類語や英語訳など関連用語を紹介します。また、「人格者」の特徴や「人格者といえば?」「人格者になるには?」についても触れています。

「人格者」の意味や例文とは?

「人格者」の意味は”優れた人格を持つ人”

「人格者」の意味は、“優れた人格を持つ人・人柄の優れた人”のことです。「人格者」に明確な定義があるわけではありませんが、たとえば「人から好かれるようなふるまいの出来る人・行動が尊敬できる人」を指して「人格者」と使うことが多いでしょう。

「人格者」を使った例文

「人格者」という単語は、褒め言葉として用いられます。

例文
  • 彼のような人を人格者と呼ぶのだろう
  • 社長は経営手腕に優れているだけでなく、社員への接し方も尊敬すべきところが多い。まさに人格者だ。
  • 人格者になりたいのなら、まず先入観や偏見を捨てるべきだ

「人格者」の特徴とは?

「人格者」は正義感が強いのが特徴

「人格者」と呼ばれる人は、正義感がとても強いのが特徴です。曲がったことが嫌いで、ダメなことはダメとはっきりと線引きする性格です。その正義感から、困っている人に手を差し伸べないと気が済まない、という性質もあります。

また、時間やルールを守るといった約束事にも厳格です。既存のマナー・ルールはもちろん、相手が不快に思うようなことはせず、相手の立場に立って物事を考えるのが「人格者」と言えるでしょう。

誰に対しても平等で、損得勘定で行動しない

「人格者」は特定の人にだけ手を差し伸べるのではなく、誰に対しても平等に接するのも大きな特徴です。上司にだけいい顔をする、という風に損得勘定で判断することもなく、基本的に見返りも求めません。どんな人にも親切心を忘れないのが「人格者」です。また、損得に限らず、感情で動かないというのも「人格者」の特徴です。状況を冷静に判断し、公平に人と接することができる、そういう精神的な余裕を備えた人物と言えるでしょう。

責任感も強く、向上心も高い

「人格者」は、任されたことはきちんとやり遂げる責任感・努力を重ねる向上心を持ち合わせています。「人格者」として周囲に認められながらもなお、「より良くしよう」と向上心を胸に責任を全うする姿は、多くの人に信頼される所以ともいえるでしょう。

「人格者」と言われた偉人は誰?

人格者といえば「ネルソン・マンデラ」

南アフリカアで勧められた人種隔離政策「アパルトヘイト」の廃止を訴え続けたネルソン・マンデラ氏(1918年~2013年)は、世界的に有名な「人格者」のひとりです。彼は、国家反逆罪で終身刑の判決を受け、およそ27年の獄中生活を経ながらも、1991年のアパルトヘイト撤廃まで尽力したことで知られています。その結果、彼は1993年にノーベル平和賞を受賞、1994年から1999年まで南アフリカ共和国の大統領に選出されました。

「マザー・テレサ」も人格者

もうひとり、世界的に有名な「人格者」を挙げるならば、貧困や病に苦しむ人の救済に尽力した「マザー・テレサ(1910年~1997年)」でしょう。貧困と病気に苦しむ都市コルカタ(旧カルカッタ)で学校や孤児院、ホスピスなどを開設し、人道援助活動家の象徴ともいえる存在となりました。彼女はその活動だけでなく、「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから」で始まる人生訓でも知られています。

「人格者」の類語とは?

「人格者」の類語は”善人”や”真人間”

「人格者」と似た意味を持つ表現には“善人”“真人間”が挙げられます。「善人(ぜんにん)」とは、文字通り”善良な人・正しい行いの出来る人”という意味の単語です。「真人間(まにんげん)」は、”真面目な生き方をしている人・正しい生き方をしている人”を指します。いずれも、「優れた人格を持つ人」を意味する「人格者」と似た意味を持つ単語と言えるでしょう。

「多重人格者」は全く異なる意味の言葉

「人格者」と似た表現に、”多重人格者”がありますが、「多重人格者」は類語ではありません。「多重人格」とは、”一人の人間に複数の人格(自我)が存在する状態”のことで、精神疾患のひとつとされています。この「多重人格」を持つ人が「多重人格者」です。「人格者」の文字を含む表現ですが異なる意味と覚えておきましょう。

「人格者」になるには?

自分の考えをしっかりと持ちながらも、謙虚さを忘れない

「人格者」となるにはまず、自分の考えをしっかりと持つことが大切です。「自分はこうありたい」「この考えを貫きたい」というようなぶれない芯を見つけましょう。ただし、その信念を他人に押し付けるのはNGです。

「人格者」となるには、謙虚さ・素直さも必要です。人に指摘されたときに、「でも~」「だって~」と自分が正しいと主張していては「人格者」とは言えません。間違っていた場合には素直に謝る謙虚な心が大切です。

また、自慢をしないのも「人格者」としての基本です。「自分の活躍でうまくいった!」という場合でも、その手柄をアピールするようなことはしないのが「人格者」と言えるでしょう。

誰とでも積極的にコミュニケーションをとる

「人格者」は誰にでも平等に接するのが大きな特徴です。まずは、誰とでも積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。状況をよく見て、孤立している人に対して積極的に声掛けができるとなおよいです。誰とでもうまく接することができるだけでなく、全員が不快な思いをせずに過ごせるように配慮ができるのは「人格者」と呼べるでしょう。

「人格者」になろうと張り切りすぎないのもポイント

「人格者」を意識すると、どうしても完璧な人間を目指し、張り切りすぎてしまう人がいます。しかし、「人格者」とは一朝一夕になれるものではありません。また、「人格者」と呼ばれる多くの人が、意識せずに「人格者」としての行動をとっているものです。

まずは、身の回りをよく確認し、積極的にコミュニケーションをとってみる・困っている人がいたら声をかける、といった日々の心がけから始めてみましょう。

「人格者」の英語訳とは?

「人格者」は英語で”integrity”を使う

「人格者」を英語で表現する場合には、“integrity”を使用します。「integrity」には、”誠実さ・高潔”といった意味があります。「man of integrity」で”人格者”という意味になります。また、「性格」という意味の”character”を使って表現することも可能です。「character」には単に”性格”という意味以外に、「人格・品性」などの意味もあります。「a person of character」で”人格者”の意味となります。

まとめ

「人格者」とは、「優れた人格を持つ人」を指す言葉です。明確な定義はありませんが、困っている人に手を差し伸べられる人・社会貢献活動に従事している人など、行動が尊敬に値する人に対して「人格者」とよく用いられます。また、「人格者」は自分の能力・功績を自慢するのではなく、ただひたむきに努力を重ねる人に使われるのも大きなポイントです。