「自制心」の意味とは?「自制心」の使い方と類語・英語訳を解説

「自制心がない」や「自制心を保つ」などと使われる「自制心」という単語には、どのような意味があり、どう使うのが正しい使い方なのでしょう。本記事では「自制心」という単語について、例文を交えながら解説するとともに、類語や英語訳も紹介します。また、「自制心がない」と言われる人の特徴や「自制心の鍛え方・養い方」についても簡単に触れています。

「自制心」の意味とは?

「自制心」の意味は”自分を制御する心”

「自制心」の意味は、“自分の欲望や感情を制御する心”です。「自制心」は誰もが持っているもので、自分の欲望や感情をコントロールする気持ちやそのための精神力を指す場合もあります。

たとえば、糖質制限中だから甘いものを食べたいという欲求を我慢する気持ち、理不尽な上司への怒りを抑える気持ちが「自制心」です。また、「自分の感情を抑え、気持ちを外に出さないようにする」というニュアンスも持ちます。

「自制心」の使い方と例文とは?

「自制心」は弱い・強い/低い・高いと表現する

「自制心」という単語は、その程度を表す”弱い・強い”、あるいは”低い・高い”といった表現とともによく用いられます。

例文
  • 会社でついむきになってしまい、自分の自制心の低さに呆れている
  • 新発売のコンビニスイーツを迷わず手に取ってしまうくらいに私の自制心は弱い
  • 自制心が強い彼はどんなに忙しくても愚痴ひとつこぼさない

「自制心の欠如」とは”自制心がないこと”

「自制心の欠如」あるいは「自制心が欠如している」とは、”自制心がないこと”を意味する表現です。「自制心がない」とはつまり、自分の欲望や感情のままに行動してしまう・自分で自分がコントロールできない、という意味になります。

例文

彼は全くもって自制心が欠如しているとしか言いようがない

「自制心を働かせる」「自制心を保つ」は我慢の意味

「自制心を働かせる」あるいは「自制心を保つ」とは、”自分の自制心を活用し、心を制御している”という意味です。簡単にいうと、「我慢している」というニュアンスにとることができます。

例文
  • あまりに理不尽な物言いに抗議しそうになったが、自制心を保つことができた
  • 自制心を働かせることで、結果的にはプラスになることが多い
  • ここはビジネスの場なのだから、彼女はもっと自制心を働かせた方が良い

「自制心を養う」「鍛える」もよく目にする表現

「自制心がない人」の中には、「強い自制心を手に入れたい」と思う人もいるかもしれません。そのような場合には、「自制心を養う」あるいは「自制心を鍛える」といった表現を使用します。自己啓発本などでもよく目にする表現です。

「自制心」の類語とは?

「自制心」と似た意味の単語は”克己心”

「自制心」と似た意味の単語には”克己心”が挙げられます。「克己心(こっきしん)」とは、”自分に打ち勝つ心・自分の欲望を抑える心”という意味の単語です。「欲望に打ち勝つ強い意思をもって物事にあたる」というニュアンスの表現です。「自制心」も似た意味を持ちますが、「自制心」は”コントロールする”というニュアンスがあるため、若干意味合いが異なります。

「自制心」の類語には”理性”や”我慢”も

「理性」とは、”感情や本能ではなく、道理に基づいて思考・判断する能力”のことです。この「理性」は人間に本来備わっているとされる能力で、「理性を保つ・失う」などと使われるのが特徴です。

また、日常的に良く用いられる「我慢」も「自制心」の類語と言えるでしょう。「我慢」とは言わずもがな、「耐え忍ぶこと」を意味します。「自制心」同様に、自分の気持ち・感情をコントロールする心の動きを表す単語です。

「自制心」の英語訳とは?

「自制心」は英語で”self-control”

「自制心」を英語にすると“self-control”となります。日本でもカタカナ語として「セルフコントロール」と使うことがあるため、耳馴染みがある人も多いでしょう。「自制心を働かせる」は”exercise self-control”、「自制心を失う」は”lose self-control”と表現します。

「自制心がない人」の特徴とその鍛え方とは?

「自制心がない人」は感情の起伏が激しい

ビジネスパーソンとして、あるいはひとりの社会人として、「自制心があること」は必須項目ですが、「自制心がない」と言われる人にはどのような特徴があるのでしょう。「自制心がない」と言われる人はまず、感情のコントロールができないのが特徴です。すぐに声を荒げたりする人・どこでも泣き出す人は、まさにその典型的な例です。「自制心」がある人は、周囲の状況や迷惑が考慮できるため、感情のままに暴走することはありません。

「自制心がない人」は約束事・ルールにルーズ

「自制心がない人」は約束事にルーズです。基本的に自分の都合を優先する傾向にあるため、時間や規則、社会的なルールを守るのが苦手です。また、相手の迷惑を顧みないので、約束当日のドタキャンも多いのが特徴です。

口先ばっかりで三日坊主なのも特徴の一つ

「自制心がない人」は、継続することが苦手です。三日坊主で終わることも多いため、「口先ばっかり」と言われることも多いでしょう。忍耐力がないだけでなく、物事にチャレンジする際も感情任せで計画性がなく、その結果、継続が困難になるとも考えられます。

「自制心」には脳の働きが関係しているという説も

「自制心」が欠如するのは、育ってきた環境も影響していると言われていますが、その一方で「自制心」の働きには脳が関係しているという説もあります。「実行機能」と呼ばれる、行動や思考を制御する脳の能力によって「自制心」が成り立っているとされているほか、脳と関係の深い「ストレス」によっても「自制心」は左右されると言われています。

「自制心」を鍛えるには一呼吸おいて考える癖を

「自制心」を鍛えるためには、感情や欲望に流されないよう、発言や行動の前に一呼吸おいて考える癖をつけるのが良いでしょう。一呼吸おくことによって、考えるタイミングが生まれ、冷静になることができます。もちろん、自分の感情を優先することも大切ですが、ただ流されるのではなく、自分で決断するというのがポイントです。

また、ストレスによっても「自制心」が失われることがあります。ストレス発散を心がけるほか、規則正しい生活・健康的な食事によって脳の働きもよくなると言われています。

まとめ

「自制心」とは、文字通り「自分を制御する心」のことです。「自制心がない人」は、感情的になったり、欲望のまま身勝手な行動に走ったりと、ビジネスパーソンとして信頼のおけない人物になりがちです。「自制心」は冷静な判断にも役立つものですので、ビジネスシーンでは重宝されます。