「一貫性」の意味は?使い方や類語との違いもわかりやすく解説!

「一貫性がある」「一貫性がない」と表現することがありますが、この「一貫性」とはどのような状態を表すのでしょう。本記事では、「一貫性」の意味とその使い方を例文で分かりやすく解説します。また、似た意味を持つ「統一性」や「整合性」との違いについて、さらに「一貫性」の対義語、英語訳なども併せて紹介します。

「一貫性」の意味とは?

「一貫性」の意味は”矛盾がないこと”

「一貫性」の意味は、“始めから終わりまで、矛盾がないこと・筋が通っていること”です。たとえば、始めから終わりまで、一つの考えによる主張や同じ方法を貫き通す様に対して「一貫性(一貫性がある)」と表現します。

「一貫性」の使い方や例文とは?

「一貫性がある」「一貫性がない」と使う

「一貫性」という単語は、「一貫性がある」または「一貫性がない」という表現で使用されることが多いでしょう。「一貫性がない」は、「一貫性を欠く・一貫性に欠ける」と表現することも可能です。

例文
  • 説明に一貫性がないと説得力も生まれない
  • あの政治家の主張は一貫性があり、好感が持てる
  • コンセプトが一貫性に欠けるのが、売り上げが伸びない理由だと思う

性格・人柄に対して使うことも

「一貫性」は、性格や人柄に対して使うこともできます。たとえば、確固たる自分の意見を持っていてブレない人・何事もやり遂げる人などを指して「一貫性がある人」といいます。貫き通す強い意思を持っているため、周囲からの信頼が厚いのも「一貫性がある人」の大きな特徴です。

「一貫性がない人」は主張がコロコロ変わるのが特徴

一方、「一貫性がない人」は、考え・主張・態度がコロコロと変わりやすいのが一番の特徴です。たとえば、他人の意見に流されやすい・その場しのぎの発言が多く計画性がない・人によって言動が変わる、などの特徴も挙げられます。また、その時の気分で言動・態度が変わることが多いことから、責任感も弱い傾向にあります。そのため、人に対して「一貫性がない」というとネガティブな表現です。

「一貫性の原理」は心理学用語のひとつ

「一貫性の原理(coherence principle)」とは、「一貫した行動をとりたい・最初にとった言動を最後まで貫きたい」という心理状況を意味する表現です。たとえば、「ダイエットをしている」と宣言した手前、途中で「つらいからやっぱりやめようと思う…」と言い出しづらくなることがあります。この「言い出しづらい」という心理状況が「一貫性の原理」です。「一貫した行動をなるべくとりたい」という気持ちを指します。

「一貫性の原理」はマーケティングへの応用も

「一貫性の原理」はマーケティングにも応用されます。たとえば、特定の商品をシリーズとして販売するという手法でも「一貫性の原理」を利用することができます。シリーズ化することで、「すべて揃うまでなんとなく購入を続ける・どうせならすべて揃えたい」という顧客心理をつかむことができるのです。他にも、商品の購入を考えている人により高額な商品を勧める、あるいは関連商品を勧めるといった販売戦略も「一貫性の原理」を応用した手法です。

「一貫性」と「整合性」の違いとは?

「整合性」の意味は”矛盾がないこと”

「一貫性」の類語として、しばしば「整合性」という単語が挙げられます。「整合性」とは、簡単に言うと「矛盾がないこと」を意味し、「無矛盾性(むむじゅんせい)」と同じ意味を持つ単語です。たとえば、「情報の整合性をとる」というと、「複数の情報がつじつまがあうか、矛盾していないかを確認する」という意味になります。

「一貫性」と「整合性」は”比較する対象”が異なる

「一貫性」と「整合性」はともに”矛盾がないこと”を意味する単語ではありますが、厳密に言うと使用シーンが異なります。「一貫性」は、同じ物事を時間の流れで比較する場合に使いますが、「整合性」は異なる物事を比較する際に使います。先述の「情報の整合性をとる」は「複数の種類」を比較していますが、「情報には一貫性がある」というと「過去に得た情報と直近で得た情報」のように時系列で比較する、というニュアンスです。

「一貫性」の類語とは?

「一貫性」の類語は”統一性”

「一貫性」と似た意味の単語は”統一性”です。「統一性」とは、”ひとつに組織化されていること”を表します。「統制が取れていて乱れがない様」を表す際に”統一性がある”とし表現します。「統一性に欠ける」もよく耳にします。

「一貫性がある」は”筋が通る・理にかなう”との言い換えも

「一貫性がある」という表現は、”筋が通っている・理に適っている”とも言い換えることができます。いずれも、「理屈にあっていて矛盾がない様」を意味する表現です。他にも、「理屈に合う・道理に合う・筋道が通る」などの表現も言い換えとして使うことができるでしょう。

「一貫性」の対義語とは?

「一貫性」と反対の意味の言葉は”支離滅裂”

「一貫性がある」の対義義的表現としては、”一貫性がない”や”一貫性に欠ける”という表現を用いることが多いのですが、これを異なる単語で表現する場合には「支離滅裂」という表現を使うことが可能です。「支離滅裂(しりめつれつ)」とは、”まとまりがなく、筋道も通っておらずバラバラな様”という意味です。「一貫性」のように”一つの方針・主張が継続しているわけではなく、めちゃくちゃだ”という場合に使用することができます。

「一貫性」の英語訳とは?

「一貫性」は英語で”consistency”を使う

「一貫性」を意味する英語表現は“consistency”が挙げられます。「consistency」は、”人の思考・行動などの一貫性・言行一致”を意味します。「一貫性がある」という意味では”consistent”を、「一貫性がない」という意味では”inconsistent”を使用します。

例文
  • Your way of thinking is consistent.(君の思考は一貫性がある)
  • Your behavior is very inconsistent.(君の行動は実に一貫性に欠ける)
  • His conduct lacks consistency.(彼の行動は一貫性に欠ける)

また、「一貫性」のある・なしを表す際に使える単語には、次のようなものがあります。

  • ordered(整然とした)
  • logical(論理的な)
  • coherent(首尾一貫した)
  • plausible (もっともらしい)
  • incoherent (支離滅裂)

まとめ

「一貫性」とは、「始めから終わりまで矛盾がない様」を表す単語で、物事の様子から人の言動まで幅広く用いられる単語です。一般に「一貫性のある」「一貫性がない」といった表現でよく用いられます。似た意味の単語「整合性」が異なる物事を比較して「矛盾がない様」を表すのに対し、「一貫性」は一つの物事を「はじめからおわりまで」と比較する際に用いる点が特徴です。