「戒告」の意味とは?戒告処分の影響や訓告・譴責との違いも解説

「戒告」は懲戒処分のひとつ「戒告処分」として知られていますが、この「戒告」という単語には、3つの意味があります。本記事では、「戒告」の詳しい意味をはじめ、その使用例について解説します。また、戒告処分を受けた後のボーナスや転職活動への影響、「訓告」や「譴責(けんせき)」など他の懲戒処分との違いについても言及しています。

「戒告」の意味とは

「戒告」の意味は「強く戒めること」

「戒告(かいこく)」とは、「過失や失態、非行などを強く戒めること」という意味の単語です。「戒める(いましめる)」とは、「過ちを犯さないように注意を与える・こらしめる・制止する」という意味です。「戒告」は、「戒める」と「告げる」の意味を重ねることで、「言葉で注意を伝える」というニュアンスになります。

「戒告」は公務員の懲戒処分のひとつでもある

「戒告」は、国家公務員法に定められている懲戒処分のひとつでもあります。公務員に違法行為、あるいは非法行為があった場合に、口頭あるいは文書での警告が行われる処分を「戒告処分」と呼びます。世間一般では、この「公務員の戒告処分」を指して「戒告」と使う場合が多いでしょう。なお、国家公務員法に定められた懲戒処分のうち、「戒告」は最も軽い処分にあたります。

「戒告」には「行政の代執行通知」の意味もある

「戒告」には、上記二つの意味のほかに、「行政上の義務履行を催告する通知」としての意味もあります。「行政から求められた義務を期限内に行わなかった場合に、行政側が自ら代執行を行う」という通知のことを「戒告」といいます。

「戒告」の使用例

「戒告」は先述したように、「戒告処分」の意味で使われることが多いでしょう。なお、「戒告」は国家公務員法に定められた懲戒処分のひとつですが、一般企業でも用いられることがあります。

例文
  • 会社より戒告処分を受けた
  • 社員の不正を受けて、戒告処分を言い渡した

また、「口頭で注意する・戒める」というニュアンスで「素行の悪さについて戒告する」という風に使うことも可能です。ただし、この場合は「戒告処分」の意味にもとれるため、文脈から判断が求められます。

「戒告処分」になるとどうなる?

「戒告処分」が決まると「戒告書」を渡される

就業規則に定めた「懲戒の理由」に該当する場合、「戒告処分」を言い渡されることがあります。この場合、「戒告書(戒告処分通知書)」が渡されます。この「戒告書」には、戒告処分となった理由、注意事項などが記載されているのが通例です。ただし、「戒告」が「口頭で注意する」というニュアンスを含むように、「戒告書」を伴わない例もあります。

「戒告」の記録はボーナスに影響を与えることも

「戒告処分」を受けたという記録は、人事にて管理されます。そのため、退職するまで「戒告処分を受けた」という事実は人事考課に影響すると考えられます。たとえば、直近の賞与(ボーナス)には、必ずといっていいほど影響が懸念されます。また、昇進においても、戒告処分を受けたことのない人の方が優先的に選ばれると言えるでしょう。

転職時の履歴書には記載義務はない

「前職で戒告処分を受けた」ということは、履歴書の賞罰欄に記載しなければならないかというと、必ずしもそうではないようです。近年では、「強制されるべきではない」という考え方が主流となっています。ただし、転職面接では、退職理由などともに賞罰歴についても質問が及ぶことがあります。その際には申告が求められます。

「戒告」のほかは?懲戒処分の種類

「懲戒処分」は「戒告」から「懲戒解雇」まで

「懲戒処分」は、「戒告」の他にも様々なものがあります。一般企業の場合、「懲戒処分」は企業が就業規則によって定めるもので、軽いものから「戒告」「譴責(けんせき)」「減給」「出勤停止・停職」「降格」「論旨退職(ゆしたいしょく)」「懲戒解雇」の順に重くなります。

「懲戒処分」で一番重いのは「懲戒解雇」、つまり「クビ」です。このひとつ軽い処分にあたる「諭旨退職」は、事例としては懲戒解雇に相当するものの、本人の反省の度合いなどの情状を酌量し、退職願を出せば「自主退職」として扱う、という場合に使用されます。

「戒告」と「譴責(けんせき)」では「戒告」が軽い?

「譴責(けんせき)」とは、「戒告」と同様に、文書あるいは口頭で注意を行う処分のことですが、「始末書」などの提出が求められるため、「戒告」よりも重い処分と見られています。ただし、「譴責」と「戒告」の運用には企業によって差があるのが実情で、「戒告」でも「始末書」の提出を求めるところもあります。そのため、「どちらが重い処分か?」という点も企業によるところが大きいと言えるでしょう。

「戒告」と「訓告」「厳重注意」の違いは法律の有無

「戒告」と似た処分に「訓告」というものがあります。「戒告」が国家公務員法に定められているのに対し、「訓告」は法律に定められた懲戒処分ではありません。そのため、慣例としては「訓告」の方が軽い処分とみなされています。なお、「訓告」よりも軽い処分とされるのが「厳重注意」です。「厳重注意」もまた、法律には定められてはおらず、一般企業においても「本人に反省を促す」ことを目的として行われることが多いでしょう。

また、「懲戒処分」は「就業規則」において定められているものに限って有効となりますので、「厳重注意」について就業規則に明記していない場合には、「注意」にとどめ、本人に不利益(減給や人事考課など)が発生しないような配慮が必要です。

「戒告」の英語訳

「戒告」は英語で「warning」「reprimand」

「戒告」は英語では「warning」や「reprimand」を使用します。「warning」は「警告」、「reprimand」は「失跡・譴責・戒告」などの意味があります。「戒告処分」という意味で使用する場合は、「a formal warning [reprimand]」といった表現も挙げられます。また、「戒告を与える」は、「give somebody a warning」や「warn [caution] somebody against something」といった表現が可能です。

まとめ

「戒告」には複数の意味がありますが、主に懲戒処分のひとつとしての意味で使用されます。国家公務員法に明記された懲戒処分のひとつですが、一般企業でも就業規則で「戒告」の処分について定める例も少なくありません。「戒告」は懲戒処分の中でも軽い処分とされていますが、その影響はのちの人事考課や昇給・賞与査定などに及ぶこともあります。処分としては軽くても、人事記録として残りますので、「戒告」を受けた後はより一層誠意をもって勤務することが求められます。