「スーパークールビズ」とは?「クールビズ」との違いや服装も紹介

温室効果ガス削減のための施策としてはじまった「クールビズ」はもはや耳馴染みのある単語となりましたが、そのさらに上をいく「スーパークールビズ」を知っていますか?

本記事では、「スーパークールビズとは何か?」や「スーパークールビズ」を実施する期間、服装におけるシャツや靴選びのポイントについて詳しく解説します。

「スーパークールビズ」とは?

「スーパークールビズ」は”クールビズ”を強化した取り組み

「スーパークールビズ」とは、“クールビズに特化した取り組み”のことです。2012年に、環境省が提唱しました。そのきっかけとなったのが前年におきた東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故です。これにより、首都圏では夏季の電力不足が大きな問題となり、その電力不足解消の意味も込めて「スーパークールビズ」提唱に至ったとされています。

「スーパークールビズ」の期間は例年5月~9月

「スーパークールビズ」の期間は、従来の「クールビズ」の期間と相違ありません。年度によって前後した過去もありますが、概ね5月1日から9月末までということが多いようです。先の震災後数年間は、10月末までとした例を踏まえると、今後も気象状況や電力供給などによっては前後することが考えられます。

そもそも「クールビズ」とは?

2005年に環境省が提唱した温室効果ガス削減施策のひとつ

「クールビズ」は、地球の温暖化を受けて、温室効果ガス削減施策のひとつとして2005年に環境省が提唱しました。夏場の冷房使用(室温28度)を抑えても快適に働くことができるライフスタイル・服装を目指したのが始まりです。また、年々気温上昇が激しくなることから、熱中症の予防のためにも軽装を推奨する声が上がっています。

「スーパークールビズ」における服装のポイントとは?

公務員でもポロシャツ・アロハシャツの着用が可能

「スーパークールビズ」では、”冷房の設定温度を28度にしても快適に過ごせる”という従来の指標に加え、「冷房を使わなくても仕事に取り組める服装を」が推奨されています。そのため、「クールビズ」ではノーネクタイ・ノージャケットにとどまらず、官公庁の職員もポロシャツやアロハシャツの着用が可能となりました。

沖縄県では、アロハシャツに似たシャツ「かりゆしウェア」を推進するなど、観光アピールにも活用されています。

男性・女性問わずTシャツ×デニムの軽装も場合によっては○

「スーパークールビズ」では、無地のTシャツにジーンズといった軽装も認められています。ただし、ダメージジーンズなどだらしない印象を与えるような服装はNGです。また、公務員に限っては「執務室(つまり事務所内)のみ可」となっていて、来客応対にあたる人や窓口対応する人は不可となっています。

一般企業においても、この辺りは賛否が分かれるところで、夏場に限らず比較的カジュアルな装いを認める企業は増えていることから、夏場の軽装にも寛容になっているようです。その一方で、日ごろはスーツあるいはビジネスカジュアルといった企業では、「スーパークールビズ」と言えど、Tシャツ・ジーンズまで許可するところは少ないかもしれません。

内勤なら靴はサンダルでも問題ない

「スーパークールビズ」では足元も軽装が認められています。執務室などオフィス内部に限り、サンダルでも勤務可能となったのです。ただし、人目に付く場所や来客応対する場合には、TPOを考え装いを変えるべきとされています。

女性の場合は過度な露出は控えるべき

暑さに対応した服装となると、ノースリーブをイメージする人もいるかもしれませんが、過度な露出はマナー違反です。ノースリーブをはじめ、胸元が広く開いたトップスや肩が出るような衣服は「スーパークールビズ」でもビジネスシーンには不向きです。

また、女性ではストッキングの着用も必須です。暑さ対策とはいえ、ストッキングをはかずにスカートを履くのはやめましょう。

ポイントは「相手に失礼なく快適に過ごせること」

「スーパークールビズ」では、公務員の「クールビズ」の服装が大きく緩和されたことが当時話題となりました。一般企業でも、積極的に取り入れる企業とそうではない企業と様々ですが、ポイントは「相手に不快感を与えずに、冷房なしでも快適にすごせるかどうか」です。そのため、単にファッション性を目的とした軽装は好ましくありません。また、最低限のマナーは守るのも当然です。

近年ではビジネス向けの「機能性衣料」も多数販売されています。汗をかいてもさらりと着こなせるシャツ・ひんやりとした質感が気持ちいい衣料のように通気性・吸水性などに優れた衣料も多いものです。積極的に活用することで、見た目よりも快適に過ごせるかもしれません。

「スーパークールビズ」におけるその他の取り組みとは?

「クールビズ」は服装に限ったことではない

「クールビズ」も「スーパークールビズ」も、その運用にあたっては誰もが服装に目が行きがちです。しかし、「スーパークールビズ」はあくまでも温室効果ガス削減・使用電力削減を目的として実施されていますので、エアコンの使用や生活の仕方にも工夫が必要です。

たとえば、室内に差し込む日光を遮ることで、室温の上昇を防ぎ、エアコンの効きをよくすることができます。そのために、西日除けのブラインドや遮蔽効果のある「緑のカーテン」の活用が呼びかけられています。また、冷房をつける前に換気をし、室内の熱気を程よく逃がすことも冷房効率アップにつながります。

まとめ

「スーパークールビズ」とは、従来の「クールビズ」を強化したもので、より軽装での勤務を公務員にも認めています。ただし、ビジネスシーンでは相手に与える印象も大切です。暑さ対策とはいえ、相手に不快感を与えることのないよう、最低限のマナーは守りたいものです。同じTシャツを着用していても、頭髪などの身だしなみひとつで与える印象も変わります。見た目全体で清涼感のある装いを心がけることがビジネスパーソンとしては大切かもしれません。