「昨今」の意味と「近年」との違いとは?使い方や類語を解説

「昨今の日本では~」や「昨今の情勢を鑑みて~」という風に、ビジネスシーンでは「昨今」という表現を使うことがあります。本記事では、この「昨今」の詳しい意味とともに、「昨今においては」など使い方を例文で紹介します。また、「昨今」と似た意味を持つ「近年」や「最近」「今日(こんにち)」との違いや類語、英語訳についても解説しました。

「昨今」の意味とは

「昨今」は「この頃」の意味、読み方は「さっこん」

「昨今」とは、「この頃・近頃」という意味の単語で、「さっこん」と読みます。昨日今日など、比較的現在に近い過去から今現在までを含めて言い表す際に「昨今」と使います。

また、「昨今」の「昨」は、「さく」と読むことが多いですが、「昨今」の場合は「さっ」とつまる音で読みます。「さくこん」とは読まないように注意しましょう。

「いつから」という定義はない

「昨今の日本では~」と言われると、具体的にどの程度の期間をイメージしますか。実は、「昨今」には「いつから・どの程度前から」という明確な定義はありません。あくまでも、近い過去から現在までを「漠然」と意味する表現です。たとえば、「昨今は慌ただしい日々を過ごしている」というと1か月程度の印象を受けますが、「昨今の技術の進歩は目覚ましい」というと、数年間をイメージするでしょう。その時々で、「昨今」の意味する期間の読み取りが必要です。

「昨今」の類語とその違い

「近年」は「ここ数年間」の意味

「昨今」と似た意味の単語に「近年」が挙げられます。「近年」は、「ここ数年間」の意味で使われる単語で、「近い過去である数年間」を指します。「近年にはなく、豊作だ」というと、「ここ数年ではない程の豊作だ」という意味です。

「昨今」と「近年」は似たような使い方をされますが、「昨今」は「近年」よりも指し示す範囲が狭いと言えるでしょう。「昨今」は思い出せる範囲での数年間というニュアンスになるため、「過去3年」という場合には「近年」という表現がベターです。

「最近」は「昨今」に近い意味の表現

「昨今」と似た表現には「最近」もあります。「最近」は「基準とする日時に最も近いこと」という意味の単語で、「昨今」と近い意味で、「近ごろ」という意味で使用することができます。「最近」の方がその時期がはっきりしているのが特徴で、「昨今」の場合は、いつ頃のことかはっきりしない漠然としたニュアンスを伴う点で異なります。また、「昨今」がやや硬い表現であるのに対し、「最近」は日常会話でも使いやすい点も特徴です。

「今日」は「今の時代・現代」の意味

「今日」は、「きょう」という読みの他に「こんにち」という読みがあります。「こんにち」と読む場合には、「今の時代・現在」という意味で使われることが多いのが特徴です。たとえば、「今日の日本では~」「今日においては~」のような使い方ができます。一般に、「昨今」よりも「今日」の方が幅広いニュアンスを持つとされてはいますが、厳密な使い分けはありません。

「昨今」の使い方と例文

ビジネスでは「昨今の情勢では~」とよく使う

「昨今」はよく、「昨今の情勢では~」や「昨今の情勢を鑑みて~」といった表現で用いられます。これは、「近ごろの情勢」という意味で、社会情勢や業界の動向などを踏まえた話題を繰り広げる際などによく見聞きする表現です。

例文
  • 昨今の情勢では、環境問題への高い関心が伺える
  • 昨今の情勢を鑑みて、当社でも働き方改革に踏み切った

「昨今の日本」「昨今においては」も頻出表現

「昨今の情勢」のように、社会の風潮などに言及する場合には「昨今の日本」あるいは「昨今においては~」といった表現もよく用いられます。

例文
  • 昨今の日本では、学力低下が問題視されています。
  • 昨今においては、若者の車離れが深刻です。
  • 昨今においては、これまでに例のない災害が起こることが増えている
  • 昨今、働き方改革という言葉をよく耳にするが、実際にその成果を感じたことはない

また「昨今の○○」という表現もよく目にする形で、「昨今の若者」「昨今の医療」「昨今の業績」など、「ここ最近の○○」という風な意味で使うことができます。

「昨今」は会話ではなく文章で使うのが主

「昨今」は、日常会話で用いられる単語というよりは、文章や改まった場で用いられる硬い表現です。たとえば、政治家の演説のようなスピーチのほか、ビジネスシーンではプレゼンテーションなど複数の人を前に話をするような場で主に用いられる単語と覚えておきましょう。

「昨今」の英語訳

「昨今」は英語では「recently」

「昨今」は、英語では「recently」を使用します。「recently」は、「最近」という意味の単語で、ほかにも「nowadays」や「these days」も似た意味の表現です。また、「lately」にも、「最近・近頃」という意味があります。

例文
  • Nowadays prices of commodities are very high.(昨今の物価は非常に高い)
  • Recently, it is very rare for us to see a scene like this.(昨今、こうした光景を見かけるのは非常に珍しい)

まとめ

「昨今」は「近ごろ」という意味の単語で、近い過去から現在を含む表現として用いられます。「近年」よりも近い過去を表す単語であり、「最近」の方が意味合いとしては近いと言えるでしょう。「昨今」はやや硬い表現なので、話し言葉としては不向きですが、ビジネスシーンではプレゼンテーションなど改まった場で使用することができます。ぜひ活用してみてください。