「門外漢」の意味とは?ビジネス・女性への使い方や類語・対義語

「音楽に関しては全くの門外漢だ」という風に、知識がないこと・良く知らないことを言い表す際に「門外漢」という表現を用いることがあります。「門外漢」という言葉は、具体的にはどういったシーンで使うことができるのでしょう。本記事では「門外漢」の意味・由来をはじめ、ビジネスシーンでの使い方や女性への使用例など詳しく解説します。また、類語や対義語、英語訳についても触れています。

「門外漢」とは?

「門外漢」の意味は”専門ではない人”

「門外漢」の意味は、“(そのことについて)専門ではない人・専門ではないこと”です。(その分野について)知識がない人・専門ではない人を指して「門外漢」といいます。また、「直接携わったことがない人(状態)・無関係な人」という意味でも使用することができます。

「門外漢」の読み方は”もんがいかん”、由来は「弟子入り」

「門外漢」の読み方は“もんがいかん”と読みます。「門外」とは、文字通り”門の外(門の中に入れてもらえないこと)”を意味し、「漢」は”男・人”という意味を持ちます。「門」という漢字は元々、単に建物の入り口にある「門」という意味だけでなく、一族や家そのものを指す言葉でした。そこから転じて、「学び場」のニュアンスも持っています。これらの理由から、「門の外の人=弟子入りさせてもらえない(学ばせてもらえない)ために知識がない人」という意味として使われるようになったようです。

「門外漢」の使い方と例文とは?

「詳しくない」というニュアンスでよく使用される

「門外漢」という単語は、”詳しくない・よく知らない”の意味でよく用いられます。

例文
  • 洋楽は好きでよく聞くが、クラシックに関しては全くの門外漢だ
  • 彼はこの件に関しては門外漢だ
  • 門外漢な彼の意見をうのみにしてはいけない
  • 専門用語は抜きに、門外漢でもわかるように説明してほしい

女性を指して「門外漢」ということも可能

「門外漢」の「漢」には”男”という意味があることは先述した通りですが、この「漢」の字には”人”という意味もあります。「門外漢」という表現も、”詳しくはない人・専門ではない人”という意味で使われていて、男性に限定した表現ではありません。そのため、女性を指して「門外漢」と使うことも可能です。

例文
  • 才色兼備と言われる彼女でも、この件は門外漢のはずだ
  • 彼女はフランス語に関しては門外漢だ

ビジネスでは「門外漢で恐縮ですが」と使うことも多い

ビジネスシーンでは、上記の使い方に加え、「門外漢で恐縮ですが」と前置きとして使う例もしばしば見受けられます。たとえば、周囲の人にとってはありきたりな質問をする際、あるいは自分の知識のなさを詫びる際などに使うことができます。

例文
  • 門外漢で恐縮ですが、○○とはどういう意味でしょうか。ご教示願います。
  • 門外漢が恐縮ではございますが、○○の方が適しているように思います。
  • 門外漢なのでご迷惑をおかけすることもあるかとは存じますが、一日も早く戦力となれるよう精進します。

「門外漢」の類語とは?

似た意味の単語は「素人」「畑違い」

「門外漢」と似た意味の単語は“素人”です。「素人(しろうと)」とは、”専門ではない人・未熟な人・必要な技能や知識を持たない人”という意味を持ちます。また、”専門分野が違う”という意味では「畑違い」という表現もあります。「畑違い」は、単に”専門分野が違う”というだけでなく、「(その分野とは)異なる分野を専門としている・ほかに得意なことがある」という意味も含む点が特徴です。微妙なニュアンスの違いに注意しましょう。

「門外漢」は”専門外・部外者”と言い換えが可能

「門外漢」を別の言葉で言い換える場合には、“専門外”あるいは“部外者”といった単語が使用できます。「専門外」とは文字通り”専門ではない様”を表し、「部外者」とは”携わっていない”という意味の表現です。そのため、「部外者」というだけでは”知識のある・なし”までは伝わりません。

「お門違い」は異なる意味の単語

「門外漢」のように”門”を使った慣用表現には「お門違い」が挙げられます。この「お門違い」は”見当違い”という意味であるため、「門外漢」の類語ではありません。たとえば、「彼を責めるのはお門違いだ」などと使います。

「門外漢」の対義語(反対語)とは?

「門外漢」の対義語は”専門家”

「門外漢」と反対の意味を持つ表現は“専門家”です。その分野・事柄を専門としていて、精通している人を意味します。同様の意味を持つ「玄人(くろうと)」も、「門外漢」とは反対の意味の表現です。「スペシャリスト・エキスパート」といったカタカナ語も対義表現と言えるでしょう。

「門外漢」の英語訳とは?

英語では「outsider」と表現

「門外漢」は英語では“outsider”と表現します。この「outsider」には、「門外漢」の他「部外者・第三者」という和訳が宛てられることもあります。また、「those on the outside」も「門外漢」を意味する表現です。また、「私はその道に関しては門外漢だ」は、”I am not in the line.”と表現することもあります。

例文
  • An outsider has no right to interrupt.(門外漢は口に出す権利がない)
  • A is not at all in my line.(私は、Aに関しては全くの門外漢だ)

まとめ

「門外漢」は、「専門ではない人」「携わったことのない人」という意味の表現です。「門外漢」の「漢」には、「男の人」という意味もありますが、この場合は単に「人」という意味で使用されています。そのため、男性・女性を問わず幅広く使用できますが、「門外漢の人」とは使わないのが注意点です。「人」の意味も含む表現として覚えておきましょう。