「品行方正」の意味とは?使い方・例文解説と類語・対義語も紹介

「品行方正な人」「品行方正に生きる」など、その人の行いを褒める際に用いる表現に「品行方正」があります。また、「品行方正はつまらない」と言われることがありますが、なぜなのでしょう。本記事では「品行方正」の詳しい意味と使い方をはじめ、「品行方正な人」の特徴についても解説しました。また、類語や対義語、英語訳についても紹介します。

「品行方正」の意味とは?

「品行方正」の意味は”行いや心がきちんとしている様”

「品行方正」の意味は、“行いがきちんとしている様・行動や心が正しく、立派である様”です。「品行」とは、”道徳的観点から見たおこない”を意味し、「方正」とは”正しいこと・きちんとしていること”を指します。この二つを重ねることで「品行方正」は”日々の行動や生活が道徳的で正しい様・しっかりと整っている様”を意味します。なお、「品行方正」は“ひんこうほうせい”と読みます。「ひんぎょうほうせい」と読むのは誤りです。

「品行方正」の使い方と例文とは?

「品行方正に努める」「品行方正に生きる」などと使う

行動をはじめとした日々の行いが正しい様を表す「品行方正」は、「彼は品行方正だ」という風に人格に言及する際に用いることができます。また、「品行方正」であることは理想的とされることも多いため、「品行方正に努める」や「品行方正に生きる」という表現でもよく用いられます。

例文
  • 品行方正に努めているつもりだが、ままならないこともしばしばだ
  • 品行方正に生きることはそう簡単ではない
  • 彼女は品行方正なイメージで人気の清純派女優だ

教育目標として「品行方正」を掲げる学校も

「品行方正」を教育目標、あるいは校訓として掲げる学校もあります。「お行儀のよい校風」というイメージを持つかもしれませんが、「品行方正」は”行いだけでなく心も正しく、立派である”というのが本来の意味です。行動だけなく、生徒の心の成長にも言及した校訓と言えるでしょう。

「品行方正な人はつまらない」と言われることも

「品行方正な人」は一般には褒め言葉として用いられ、具体的には次のような人を指します。

  • 社会的マナーをきちんと身に着けている
  • 何事にも真面目に取り組む
  • 悪口を言わない
  • 感情的にならない

このように、「品行方正」の持つ「清らかで正しい」という印象から、絵にかいたような「優等生」をイメージされることもあります。そのため、「品行方正な人=真面目過ぎてつまらない」というからかいの対象となることもあるようです。

「品行方正」の類語とは?

似た意味の四字熟語は「謹厳実直」

「品行方正」と似た意味を持つ四字熟語には、“謹厳実直(きんげんじっちょく)”が挙げられます。「謹厳実直」とは、”人柄が慎み深く、真面目で正直なこと”という意味です。たとえば、「きわめて真面目で正直・軽々しい行動をとることなく、誠実である」という人を指して「謹厳実直」と言います。「真面目過ぎる」というややネガティブなニュアンスで使われることもあるようです。

「聖人君子」も似た意味の表現

「聖人君子(せいじんくんし)」という表現もまた、人格を褒め称える表現のひとつです。「聖人君子」とは、”品位があり、知恵も教養も備えた非常に優れた人・高潔な人”という意味で、「非の打ちどころのないほどの素晴らしい人物」を指します。人格の素晴らしさ、徳の高さに言及した表現ではありますが、褒め言葉というよりは皮肉めいた表現として使われることも多いでしょう。

「品行方正」の言い換えには”誠実”や”礼儀正しい”など

「品行方正」を別の言葉に言い換えるならば、“誠実”“礼儀正しい”などの具体的な表現がベターです。先に挙げた四字熟語で言い換えるよりも、真面目な様や行いの正しさを的確に伝えることができるでしょう。

「品行方正」の対義語とは?

反対の意味の四字熟語は「品性下劣」「悪逆無道」

「品行方正」と反対の意味を持つ表現は、“品性下劣”“悪逆無道”が挙げられます。「品性下劣(ひんせいげれつ)」とは、”人柄が卑しく、言動などが下品であること”です。品性に欠ける様を表し、ネガティブなニュアンスで用いられます。「悪逆無動(あくぎゃくむどう)」には、”非道徳的な悪い行い・道理に背いた残虐な言動”という意味があります。「悪逆無道な行為」などといった使い方が可能です。

また、これら以外にも「卑劣・野蛮」などといった単語も「品行方正」の対義的表現として用いることができるでしょう。

「品行方正」の英語訳とは?

「品行方正」は英語では”polite”を使う

「品行方正」を英訳する場合には、”礼儀正しい”という意味の「polite」を使用するとよいでしょう。「polite」には”礼儀正しい”という意味の他”丁寧・上品な・教養のある”などの意味があります。たとえば、「a polite man」で”礼儀正しい人・品行方正な人”というニュアンスとなります。また、”礼儀正しく思いやりのある”という意味を持つ「courteous」を使って、”品行方正”のニュアンスを出すこともできるでしょう。「a courteous person」などの表現で使用できます。

まとめ

「品行方正」とは、”行動や心が正しく、きちんとしている様”という意味の四字熟語です。たとえば、「日々の言動が道徳的で正しく、整っている様」を指して「品行方正」と言います。「品行方正な人」「品行方正に生きる」などといった使い方ができますが、一方で「品行方正=真面目過ぎてつまらない」というニュアンスで用いられることもあるようです。基本的には褒め言葉として使用して問題のない表現ですが、からかいの対象となることも覚えておきましょう。