「別途」の意味とは?「別途~します」など例文と類語・英語訳

「別途ご連絡します」や「別途行う予定です」といった表現は、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。本記事ではこの「別途」について、読み方・意味をはじめ、「別途請求」「別途相談」など複数の使用例を解説しています。また、言い換えに使える類語や英語訳など関連用語についても紹介しました。

「別途」の意味とは?

「別途」の意味は”別の方面・別の扱い”

「別途」の意味は、“(今とは)別の方面・別の扱い”です。「別に」や「別のやり方で」と副詞的に使用されることもあります。今とは異なる方法・用途・扱いで何かをする場合に用いられる単語です。なお、「別途」は“べっと”と読みます。

「別途」の使い方と例文とは?

「別途」は”別に”の意味で副詞的に使われることが多い

「別途」は一般に、副詞的な使い方をすることが多いでしょう。たとえば、「別途、申請書を提出してください」というと、”(今ある書類ではなく)別に、新たに申請書を用意して提出する”というニュアンスにとることができます。他にも、「今やっているプロセスとは別のやり方で何かをする」という場合など、様々な文脈で応用できる使用方法です。

例文
  • 使用する端末は、別途用意が必要です。
  • 別途、申し込みが必要です。
  • 期間限定の特典を受けるには、別途予約が必要です。
  • その件に関しては、別途検討します。

「別途連絡します」は”別件で・別の人”の意味に

「別途連絡します」とは、”別件で連絡すること”あるいは”別の担当者による連絡”を意味します。たとえば、「懇親会の日程に関しましては、別途ご連絡いたします」というと、”懇親会の日程については(別件ですので)、別のメールで連絡します・懇親会の日程に関しては、別の方法で改めて連絡します”といった意味に解釈ができます。今回の連絡内容とは異なる用件、あるいは異なる人による連絡を指し示す表現です。

これに対し、「本件の進捗は後日連絡します・この結果を後ほど連絡します」というように、単に「後で」というニュアンスで「別途連絡します」とは使用しません。

「別途料金・別途請求」は”追加費用”を意味する

「別途料金」あるいは「別途請求」は、端的に言うと”追加費用の発生”を意味する表現です。「別途料金」とは、”提示されていない別の料金”という意味で、「離島へのお届けには別途料金が発生します」というと”離島への配送には通常料金とは別の料金(追加費用)が発生します”というニュアンスになります。同様に、「別途、請求いたします」もまた、”すでに提示されている請求額とは別に、(追加費用として)請求します”という意味です。

これに対し、「別途支給」というと”記載されている額とは別に、追加で支給される”という意味になります。たとえば、「交通費別途支給」は”交通費は(時給・月給とは)別に支給する”という意味です。

メールでも頻出ワード、敬語表現とともに使っても問題ない

「別途」という表現は、ビジネスシーンでは口頭はもちろん、メールのやり取りでもよく用いられる単語です。敬語表現とともに使用することも多いですが、その場合は「別途」の後に続く表現を敬語にします。たとえば、「別途ご連絡いたします・別途送付いたします」などとして使うと失礼には当たりません。

「別途」の類語とは?

「別途」の言い換えには”別個で・別に”

「別途」を別の表現に言い換える場合には“別個で”という単語が使用できます。「別個で(べっこで)」とは、”他とは切り離されたひとつ・異なっている様”を表す単語です。他にも、ビジネスシーンにおいては単に「別に」と表現するほか、「別件」と言い換えられる場合もあります。たとえば、「別途相談する」は”別件で相談する”とも言い換えることができます。

「別途」と「追って」には微妙な違いも

「追って」とは、”後ほど・まもなく・やがて”などの意味を持つ単語です。たとえば、「追って連絡します」などの表現でビジネスシーンでもしばしば用いられます。この「追って」は「別途」と似た使い方をするため混同しやすい表現です。

たとえば、「追って連絡します」は”(この件に関する結果などを)後で連絡する”という意味ですが、「別途連絡します」は”(この件とは関係ない)別件で連絡します”あるいは”別の者から連絡します”という意味になります。「別途」を単に「後で」のニュアンスで使用するのは誤りです。相手へ伝える際にも誤解のないよう、前後の表現に気を付けた方が無難です。

「別途」の英語訳とは?

「別途」は英語で”separately”や”extra”など

「別途」を英語で表現する場合には、“separately”を使用します。「separately」とは、”別に・分けて”という意味です。たとえば「I should consider separately.(別途検討するべきだ)」といった使い方が可能です。また、「別途料金」などは“extra fee”“additional fee”と表現します。

まとめ

「別途」とは、「別の方法で」「別で」という意味です。「別途連絡します」や「別途費用が発生します」などと日常的にもよく使用されます。ただし、「別途」を単に「後ほど」の意味合いで使うのは誤りです。「別のやり方・別の扱い」というニュアンスを含めて「別途」と使用します。