「唖然」の意味とは?類語「呆然・愕然」との違いや英ご表現も解説

「あまりの出来事に彼女は唖然とした」というと、どのような表情をイメージしますか?本記事では、「唖然(あぜん)」の詳しい意味をはじめ、「呆然」や「愕然」など類語との違い、英語訳について解説しました。場面や心理状況による使い分けのポイントも紹介します。

「唖然」の意味とは

「唖然」は「驚きあきれて、声も出ない様」という意味

「唖然」は、「思いがけない出来事に驚きあきれ、声も出ない様・呆気にとられる様」という意味です。

「唖然」は「あぜん」と読みますが、「唖(あ)」の字には「言葉が話せない」という意味があります。そこから、「唖然」とは「あきれて言葉を失う様・絶句すること」といった様子がイメージできるでしょう。単に「驚く」という意味に留まらないのが大きなポイントです。

「唖然」の使い方と例文

想像を超える出来事に対し「唖然とする」と使う

「唖然」は、「唖然とする」の形で用いられるのが一般的で、想定外の出来事に驚きあきれる様を表す際に使用します。「唖然として~する(した)」「唖然とした○○」という表現もよく見聞きします。

例文
  • この映画の予想だにしない結末には、見た人の多くが唖然としている
  • 唖然とした表情というのは、まさに今の彼のような表情を言うのだろう
  • その場にいた全員が唖然として言葉を失った

「唖然」はいい意味でも使用できる

「唖然」は、一般に「あきれて声も出ない」というネガティブな意味合いで知られていますが、本来は「良い意味で驚き言葉が出なかった」という場合にも用いられます。たとえば、「彼女の語学力には唖然とした。独学とは思えないほど素晴らしいスピーチだった」という風に、「想像を超えるすばらしさに驚き、言葉が出なかった」という意味合いでも使うことができるのです。ただし、ポジティブな意味合い・ネガティブな意味合いの両方とも、少々驚いた程度のことには使わない点では共通しています。

「唖然と立ち尽くす」はどちらの意味にもとれる表現

「唖然」は良い意味・悪い意味のどちらのニュアンスでも使用されることは先述した通りですが、たとえば「あまりの出来事に彼女は唖然とし立ち尽くしていた」という文章単体ではどちらの意味か判別がつきにくいでしょう。そのため、前後の文脈から意味を読み解く必要があります。裏を返すと、「唖然」を使う場合には、誤解を与えないような配慮も必要です。

「唖然失笑」は「驚きあきれ、思わず笑ってしまうこと」

「唖然」は「唖然失笑」の形で用いられることもあります。「失笑」とは、「おかしさに耐えきれず、吹き出してしまうこと・思わず笑ってしまうこと」という意味です。つまり、「唖然失笑」とは、「驚きあきれ、思わず笑ってしまう様(こと)」という意味になります。
なお、「失笑」は「笑えない程呆れる」という意味で覚えている人も多いですが、正しくは「(笑ってはいけないような場面で)思わず笑ってしまう」という意味です。これを機に覚えておきましょう。

「唖然」の類語とその違い

「呆然」は「唖然」よりもショックが大きい

「唖然」と似た意味の単語に「呆然」が挙げられます。「呆然(ぼうぜん)」とは、「予想外の出来事に呆気にとられてぼんやりする様」という意味です。驚いた時の様子を表すという点では「唖然」と似ていますが、「呆然」は「驚きのあまり何もできずにぼーっとする様」を表すため、「唖然」よりもショックが大きい場合に使用すると言えるでしょう。「言葉が出ない」という「唖然」に対し、体が動かない程驚く場合に「呆然」は用いられます。

「愕然」は「唖然」よりも強い驚きを示す

「愕然」もまた、「唖然」と似た意味を持つ単語です。「愕然(がくぜん)」とは、簡単に言うと「非常に驚く様」を意味します。「思いがけない出来事に慌て驚く」という意味があり、「唖然」や「呆然」よりも強い驚きを示す表現とされています。ただし、「言葉が出ない」「体が動かない」といった身体の状態は伴わないません。「信じがたいほどの出来事」など強い驚きを示したい場合に用いられます。

「呆気にとられる」「開いた口が塞がらない」も類語

「唖然」を別の言葉に言い換えたい場合には「呆気にとられる」や「開いた口が塞がらない」などといった表現に置き換えることができます。「呆気(あっけ)にとられる」とは、「予想外の出来事にアッと驚くこと」を意味し、「開いた口が塞がらない」とは「激しく驚き、呆れてしまうこと」を指します。他にも、「呆れてものも言えない」なども「唖然」の言い換えにも使える表現です。

「唖然」の英語表現

「唖然」は英語で「astound」を使う

「唖然とする」を英語で表現したい場合には「astound」という単語を使用することができます。「be astounded by」の形で「驚きあきれる・唖然とする」の意味となります。「驚く=surprise」と認識している人も多いですが、「astound」は「suprise」よりも強い驚きを示し、「あきれる」というニュアンスを含む点が特徴です。

例文

I was astounded by this situation.(私はこの状況に唖然とした)

また、ひどく驚く様・衝撃を受ける様を表す「be shocked by」に対しても「唖然とする」の和訳が宛てられることがあるようです。

まとめ

「唖然」とは、「驚きあきれて声も出ない様」を意味します。たとえば、予想外の出来事に驚いて言葉も出ない状況に「唖然とする」と使用します。これに対し、「呆然」は「驚きぼーっとする(体が動かない)様」を、「愕然」は身体的な特徴は問わず「非常にびっくりする様」を表します。いずれも似た意味がありますが、微妙なニュアンスの違いがありますので、状況に合わせて使い分けができると良いでしょう。