「ちなみに」の敬語やビジネスでの正しい使い方とは?意味も解説

「ちなみに」という言葉を普段からよく使うという方は多いかもしれません。しかし、「ちなみに」をビジネスシーンで目上の人に使う場合にはフランクになりすぎないよう配慮が必要です。「ちなみに」の使い方を、例文や類語を交えてわかりやすく解説します。

「ちなみに」の意味とは?

「ちなみに」は補足を述べる時に使う接続詞

「ちなみに」は、先に述べた事柄に対して、補足となる情報を示す際に使う接続詞(文章をつなぐための言葉)です。

「ちなみに」は、動詞の「ちなむ(因む)」からきた言葉で、「関係があること」を意味します。たとえば、「上期の販売データを表にしております。ちなみに、括弧で示したのは前年同時期のデータです」というように、関係性のある情報を付け足す際に使います。

「ちなみに」は敬語と一緒に使える

「ちなみに」は、単語そのものが敬語ではありませんが、敬語表現と同じ文章で使うことができます。

一方で、「ちなみに」は話し言葉としてよく用いられることもあり、敬語と併用しても、ややカジュアルな雰囲気が残るのは覚えておきたいポイントです。そのため、人によっては敬意が乏しいという見方をされることもあります。

敬語として使えないわけではありませんが、「ちなみに」の使用には少し注意が必要です。

「ちなみに」のビジネスシーンでの正しい使い方

ビジネスでは「ちなみに申し上げますと」

ビジネスシーンでの「ちなみに」は、「ちなみに申し上げますと」という言い方が適切です。「ちなみに」だけでは、ややカジュアルな印象を与えることがあるため、丁寧な言葉を足すのが無難です。「ちなみに申し上げますと、今回は定価の10%オフでご案内しております」というように使います。

また、「ちなみにですが」や「ちなみになのですが」という言い方も間違いではありませんが、「申し上げます」という謙譲語を使用した方がビジネスシーンの敬語表現としてはおすすめです。

「ちなみに」をより丁寧に言う

「ちなみに申し上げますと」という言い方の他にも、「ちなみに、念のために申しますと」という言い方も丁寧です。

「ちなみに」と同様に使えますが、「念のために」という言葉のニュアンスを考慮すると、既出の情報に使うのがベターです。たとえば、相手がすでに知っているかもしれない情報や、すでに案内済みの情報を補足として提示する際の表現になります。

「ちなみに」の丁寧な言い換え表現

「ちなみに」の類語「ついでながら」

類語は「ついでながら」です。「ちなみに」よりも丁寧な表現で、相手への配慮・恐縮のニュアンスを含む言葉です。ビジネスなどの改まった場での表現としては、「ちなみに」よりも「ついでながら」を好む人もいます。

一方で、「ついで」という音の響きが、「何かを行うとき、あわせて別のことを行う」という意味の「ついで」を連想させるため、ないがしろにされたと思う人もいるようです。感じ方には個人差があるため実に難しい部分ですが、相手に応じた使い分けが必要です。

「補足致しますと」「付け加えますと」という言い換えも可

「ちなみに」という表現には、ややカジュアルさが残ることは前述しましたが、「ちなみに」という単語を使いたくないという場合は、「補足致しますと」や「付け加えますと」というように、より具体的に言い換えることもできます。

たとえば、「こちらが本日の会議資料です。補足致しますと、先月の売り上げデータについては末尾に添付しています」という風に使うことが可能です。

「ちなみに」の使い方における注意点

話題を転換する「ちなみにですが」は誤用

「ちなみになのですが、お酒はお好きですか?」や「ちなみにですが、明日の送別会は19時スタートです」というように、「ちなみに」を話題の切り口や話題の切り替えに使うことがありますが、こうした使い方は誤用の可能性があります。

そもそも、「ちなみに」は、前に示した情報と関係性のある事柄を付け足す際に用いる接続詞です。「話題の切り替え=関係のないこと」を述べることになりますので、「ちなみに」は不適切です。このような場合には、「ところで」という言葉が適しています。

ただし、言葉は時代とともに変化するものです。本来は「ちなみに」を話題の切り替え時に使うのはNGですが、誤用が定着しつつあるので、今後は意味が追加される可能性もあります。

「ちなみに」は質問文には使えない

同じく、「ちなみに、甘いものはお好きですか?」というように、質問文で使うのも誤りです。前後の文脈にもよりますが、「ちなみに」が不要だったり、「ところで」が適切だったりする例が大半です。

たとえば、「旅行のお土産です。ちなみに、甘いものはお好きですか?」という会話では、「ちなみに」は不要です。また、「京都旅行のお土産です。ちなみに、京都に行かれたことはありますか?」の場合は、「ところで」が正しい接続詞になります。

「ちなみに」の使いすぎには要注意

情報を付け足す際に便利な「ちなみに」という言葉ですが、多用すると、文章全体が読みづらく、内容も分かりにくくなります。目安は、メールの本文に1回です。2回以上「ちなみに」という単語があると、情報が散乱しているような印象を与えてしまします。

メール全体の読みやすさを考慮するのであれば、「ちなみに」を多用して羅列するのではなく、簡潔にまとめるようにします。箇条書きにしてシンプルに記載するのもおすすめの方法です。

「ちなみに」の英語表現とは

「ちなみに」は英語で「for your information」「on a side note」

「ちなみに」を英語で表現する場合、「for your information」が適切です。「for your information」とは「ご参考までに」という意味で、日本語の「ちなみに」と同じように情報を付け足す際に使うことができます。

また、「on a side note」も「ちなみに」という意味の英語表現です。「as a side note」という言い方もあります。

まとめ

「ちなみに」は先に述べた情報と関連性のある情報を付け足す際に用いる接続詞です。敬語表現と一緒に使うことはできますが、人によってはフランクだと感じられることもあります。「ちなみに申し上げますと」や「ついでながら」といった言い換えを活用するなどして、相手によって言い回しを変えてみるのがおすすめです。