「リアリスト」は「現実主義者」とも呼ばれますが、「彼はリアリストだ」というどういった人をイメージしますか?本記事では「リアリスト」の詳しい意味をはじめ、「リアリスト」と呼ばれる人の特徴についても紹介します。また、「リアリスト」と似た意味を持つ表現や対義語についても触れています。
「リアリスト」とは?
「リアリスト」の意味は”現実主義者”
「リアリスト」の意味は、“現実主義者”のことです。「現実に即して物事を考える人・現実に即して物事に対応(処理)する人」を指して用いられる表現です。「実際家」と呼ばれることもあります。たとえば、「彼はリアリストだ」というように、人の主義・思想や考え方を表します。
芸術においては「写実主義者」、哲学においては「実在論者」
「リアリスト」は一般には”現実主義者”を指しますが、芸術の分野においては「写実主義者」を指します。「写実主義者」とは、”現実をそのままに再現しようとする立場”のことです。一方、哲学の分野における「リアリスト」は”実在論者”を意味する表現として用いられます。
「リアリスト」の英語表記は”realist”
日本でカタカナで用いられる「リアリスト」は、英単語の”realist”が定着したものです。「リアリスト」という単語は、”利益主義”のニュアンスで用いられることもありますが、その場合は「utilitarian(功利主義者)」を使用するとより的確な表現となるでしょう。
「リアリスト」の特徴とは?
「リアリスト」は真面目で計画性が高いのが特徴
「リアリスト」と呼ばれる人は、今置かれた状況を的確に判断し、正しい行動をとろうと考えるような、真面目な人が多いのが特徴です。また、時間や場所などをしっかりと押さえ、滞りなく進むよう計画的に物事を進めるのが得意です。
結果を重視する人が多い
「リアリスト」は、結果を追い求める傾向が強いのも大きな特徴です。より良いものを生み出すため、あるいはより高い精度のものを完成させるため、といった目的意識が「リアリスト」の計画性の高さにつながっているともいえるでしょう。
感情に惑わされないのも大きな特徴
「リアリスト」な人は、感情的にならない冷静な対処・応対ができるという特徴も挙げられます。自分の機嫌・感情によって対応に差が生まれることもありません。たとえば、人を評価するような場面でも、私的感情を抜きに冷静かつ中立的な判断ができるでしょう。その冷静さがかえって冷たい・無慈悲であるといった印象を持たれることもあります。
恋愛では「つまらない」と思われることも多い
「リアリスト」の真面目な性格は異性から見ても魅力的に映るかもしれませんが、一方で恋愛関係においてはそのまじめさが仇となることもあるようです。
何事も計画を立てて進めたがる性格も、回を重ねるごとに窮屈に感じてしまったり、「つまらない」と思われてしまったりとマイナスに働く懸念もあります。「ノリ」を嫌うのも「リアリスト」の性質のひとつで、盛り上がりに欠けるかもしれません。また、必要以上に干渉したり、管理したりする側面もあるようです。
「リアリスト」のシビアな視点はビジネス向き
「リアリスト」の計画性の高さ・結果を求める姿勢は、ビジネスパーソンとして重宝されます。「リアリスト」は常に結果を求める姿勢が強いことは先述しましたが、そのために冷静かつシビアに判断できるからです。その分、同僚への要求も高いものになりやすいため、メンバーとの調和が課題となることもあります。
「リアリスト」の類語とは?
「リアリスト」の類語は”現実主義・功利主義”
「リアリスト」の類語は、“現実主義”あるいは“功利主義”が挙げられます。「現実主義」は「リアリスト」の和訳としても用いられる表現です。一方、「功利主義(こうりしゅぎ)」とは、文字通り「功利(功名と利益)」を第一とする考え方を意味します。
なお、「功利主義」は、ベンサム(英)によって唱えられた「最大多数の最大幸福」に代表されるような、「幸福」を人生や社会の最大の目的とする倫理感・政治学説を指す表現としても用いられます。
「無宗教」や「無神論者」とも似た意味を持つ
「リアリスト」は、現実にある目の前の事柄しか信用しないという意味で、「無宗教」や「無神論者」と共通する部分があると言われることがあります。
「無宗教」とは、”特定の宗教を信仰しない・宗教そのものを持たないという立場”を意味し、「無神論者」とは”神が存在しないことを主張する立場”を意味します。そのため、「リアリスト=無宗教・無神論者」というわけではありませんが、「無宗教」あるいは「無神論者」は「リアリストだ」という風に表現されることがあるようです。
「リアリスト」の対義語とは?
反対の意味を持つのは「ロマンチスト」や「夢想家」
「リアリスト」と反対の意味を持つのは“ロマンチスト”です。「ロマンチスト(ロマンチシスト)」とは、”現実離れした甘美な空想を好む人”を意味します。同じ意味の単語に「夢想家」があり、”現実出来そうもないことばかりを考える人”を指します。現実的で利益を追求する「リアリスト」に対し、希望・理想・夢など非現実的なことを考えるのが「ロマンチスト」と言えるでしょう。
まとめ
「リアリスト」とは、現実に即して物事を考えたり対処したりする人のことを言います。その場の状況を考慮し、冷静かつ中立的に対応する姿勢や結果を求める姿勢はビジネスパーソンとしては重宝されますが、一方で人間関係においてはシビアで冷たいという印象を持たれることもあるようです。