「寄稿」の意味とは?使い方や例文・類語「投稿」との違いも解説

「寄稿文」「寄稿記事」などは、ほかの文章・記事とはどう違うのでしょう。本記事では「寄稿」の意味をはじめ、「寄稿する」「寄稿論文」などといった使い方を例文で解説します。併せて、「寄稿」を依頼する際のポイントや「寄稿」と類語「投稿」との違い、英語訳などについても紹介しました。

「寄稿」の意味と読み方とは?

「寄稿」の意味は”依頼を受け原稿を書き、送ること”

「寄稿」の意味は、“依頼され、原稿を書いて送ること”です。

たとえば、雑誌や新聞などの編集者に依頼され、原稿を書き、送るというのが「寄稿」で、原稿そのものを「寄稿」と呼ぶこともあります。

「寄稿」の読み方は”きこう”

「寄稿」の読み方は、“きこう”です。

「寄稿」の使い方と例文とは?

「寄稿する」「寄稿を依頼する」と使う

「寄稿」は、「寄稿する」あるいは「寄稿を依頼する」といった表現で用いられます。

例文
  • 先日のテレビ出演がきっかけで、雑誌に寄稿することになった
  • 広報から依頼を受け、社内報に寄稿しました
  • 今話題の○○教授に寄稿を依頼したが、多忙のため数か月はかないそうにない

「寄稿文」や「寄稿記事・寄稿論文」と表現することも

先述したように「寄稿」には、「寄せられた記事」という意味もあるため、書かれた文章を指して「寄稿」と使うことも可能です。しかし、実際には「寄稿文」や「寄稿記事」「寄稿論文」などの表現もよく用いられています。

例文
  • 寄稿論文の募集要項を掲載する
  • 社内報には管理職クラスの寄稿文を掲載するのが通例だ
  • 今月号の寄稿記事は○○さんの担当です

「寄稿」の類語とは?

寄稿の類語①「寄草」

「寄稿」と似た意味を持つ単語には、「寄草」という単語が挙げられます。「寄草(きそう)」には、”依頼されて新聞や雑誌に原稿を送ること”という意味があります。「寄稿」と同じ意味で使える表現ですが、一般には「寄稿」の方が良く用いられていると言えるでしょう。

寄稿の類語②「投稿」との違いは依頼の有無

「投稿」もまた”雑誌などに文章を送ること”という意味です。この「投稿」は”雑誌や新聞などの媒体に原稿を送る”以外にも、ウェブサイトなどに記事をアップロードする場合にも「投稿する」と使われることがあります。

「投稿」は「寄稿」と似た意味を持つ単語ですが、「投稿」は”自分が書いた原稿を送る”という場合に用いられる点が特徴です。「寄稿」は”依頼を受けて書いた原稿を送る”という点で異なります。ただし、自発的に「投稿」された文章であっても、相手への敬意をこめて「寄稿」と称する例もあります。

「寄稿」の英語訳とは?

「寄稿する」は英語で”contribute”

「寄稿」は英語で“contribution”を、「寄稿する」は“contribute”を使用します。動詞「contribute」を使用する場合は、”寄付する・与える”などの他の意味と明確に区別するために「contribute a report」の形で使われることが多いでしょう。また、「write for a magazine」でも”雑誌に寄稿する”という意味になります。

なお、「寄稿者」の名前を記載する場合には、「Contributed by ~(~による寄稿)」と表現します。

「寄稿」の依頼方法とは?

「寄稿」を敬語で使う場合は”寄稿していただく”

「寄稿」は雑誌や会報誌など以外に、社内報など身近なところで用いられるケースも多いものです。「寄稿」を敬語表現にしたい場合には、「寄稿していただく」の形にすることが多いでしょう。

例文
  • ぜひ、○○様に寄稿していただきたくご連絡した次第です
  • 次号の特集では、○○氏に寄稿していただく予定です

また、他人の書いた原稿を敬った表現では「玉稿(ぎょっこう)」という単語もあります。たとえば、「先生の玉稿を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます」などといった使い方が可能です。

依頼時は書いてほしいことを明確に

「寄稿」を依頼する際は、相手に書いてほしい内容を明確に伝えるのがポイントです。「○○のテーマでエッセイ風に」「○○について具体例を交えて」のように、テーマや全体のイメージを伝えることができるとよいでしょう。また、掲載する誌面の諸情報や内容、あるいは「寄稿」の条件についても、箇条書きなどで分かりやすく知らせるのが一般的です。

  • 掲載誌名とその読者層
  • 依頼内容(テーマ)
  • 原稿枚数・文字数
  • 締め切り

謝礼についても記載

「寄稿」を依頼する際は、必ず謝礼についても記載します。この場合、そのほかの条件と箇条書きにする形で「謝礼:5万円」のような記述でもよいでしょう。

もちろん、「寄稿」と名がつく場合でも謝礼を用意しない例もあります。たとえば、学会誌などでは「寄稿要綱」として複数のテーマで論文を募集することも珍しくありません。この場合、謝礼が用意されないことも多く、「特別な場合を除き、原稿料は支払いません」などと記載されています。

まとめ

「寄稿」とは、”依頼を受けて雑誌や新聞などに記事を送ること”を言います。「依頼を受けて書かれたもの」という点がポイントですが、相手への敬意をこめる意味で、自発的に書かれた文章を「寄稿」と呼ぶこともあります。なお、「寄稿」は「文章そのもの」を指しても使用できますが、「寄稿文」「寄稿論文」のように使われることも多い表現です。