相手に書類を精査してもらったり、納品物に傷や汚れなどの不備がないかチェックしてもらったり、ビジネスシーンでは何かと「確認」を依頼することが多くなります。そんなときによく使うフレーズが「ご確認」です。単語としては簡単な言葉ですし、普段から頻繁に耳にする言葉ではありますが、意外と間違った使い方をしていることも。ビジネスシーンで恥をかかないためにも、「ご確認」の正しい使い方についてご紹介します。
「ご確認」の正しい使い方とは
「ご確認」の使い方は、「ご確認ください」や「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」などです。よく使われる5つのパターンをご紹介します。
①基本の「ご確認ください」
最も基本的な「ご確認」の使い方です。口頭またはメールどちらでも利用でき、また社内・社外どちらの相手に対しても使うことができます。
②少し丁寧に「ご確認願います」
「ご確認願います」は、「ご確認ください」より多少丁寧な印象を与えます。「ご確認をお願いします」にすると少し砕けた印象になります。
③表現を和らげる「ご確認のほど」
「ご確認のほどお願いいたします」のように使用します。ともすると「ご確認ください」には「確認を強制されている」というきついイメージを相手に与えかねませんが、「ほど」を付けることで少々へりくだった、柔らかい表現に変えることができます。
例えば、トラブルが続き怒らせてしまっている顧客などに使用するといいでしょう。
④上司や顧客には「ご確認いただけるでしょうか」
こちらも「ご確認のほど」同様、相手に強制という印象を与えるのを避け、依頼の意味合いを強めることができます。顧客や上司との会話やメールに用いると効果的でしょう。
⑤しっかりチェックしてほしい時は「お確かめください」
基本的には「ご確認ください」と同義ですが、「確認」がその内容を認めるという意味を持つのに対し、「確かめる」にはその内容が確実に正しいかどうかを調べるといったように微妙なニュアンスの違いがあります。
たとえばクレジットカード会社などでは、サービスの利用規約や注意事項などは「ご確認ください」、名前や住所などの個人情報は「お確かめください」を用いるなど、業種によっては状況に応じて「確認」と「確かめる」を使い分けています。
「ご確認」の類義語と使い分け方とは?
「ご確認」にはいくつかの類義語があります。状況に応じて使い分けることでより正確に相手に意図を伝えることができます。
何かを収めてほしいときは「ご査収」
「ご査収」は、書類や製品を相手に納めてもらいたい場合に用います。書類をメールに添付して提出する場合や、製品を郵送した後にそれを伝えるメールなどで使うといいでしょう。「ご査収ください」「ご査収願います」といったように使用します。
「ご査収」の使い方は以下の記事も参考にしてください。
「ご査収」の意味と返事の仕方とは?使い方の例文と類語も解説
さらっと読んでほしいときは「ご一読」
「ご一読」は書類や文書を、正誤チェックや内容の精査などはせずにさらっと流し読みしてもらいたい場合に用います。文書の内容についてはこれから詳細に説明するので、事前に目次だけとりあえず目を通しておいてほしい時などです。
「ご一読ください」「ご一読願います」といったように使用します。
「ご確認」のよくある間違った使い方
社会人歴数10年というベテラン社会人のメールの中でも、たびたび「ご確認」の誤用を目にすることがあります。中でもありがちな間違いについてご説明します。
「ご確認してください」は誤り
ついつい使ってしまいがちな「ご確認してください」ですが、これは日本語として誤りです。「ご確認」は「確認」の謙譲語であるのに対し、「してください」は「して」の尊敬語です。謙譲語と尊敬語が組み合わさり二重敬語になってしまっているのです。
納めるものがないのに「ご査収ください」は誤り
上にも書いた通り、「ご査収」は何かを納めてもらいたい場合に用います。そのため、何も納めるべきものがない場合に「ご査収」を使うのは誤りです。
「ご確認いたします」は正しい
自分が確認することを伝えるのに「ご確認いたします」は誤りではないかと考えている方は多いようですが、実はこれは正しいのです。「ご確認」は「確認」の謙譲語なので自分の行動に対して使っても問題はありません。
自分が「確認した」場合の使い方とは
相手に確認を依頼するだけでなく、自分が確認したことを相手に伝えなければならない場合もあります。依頼内容に応じて以下のように使い分けるといいでしょう。
「確認いたしました」
相手からの依頼内容が書類のチェックなど、確認のみの場合に用います。
「受領いたしました」
相手からの依頼内容が確認の上、提出物や納品物など対象物を受け取ることを含んでいる場合に用います。
まとめ
普段よく使う言葉だからこそ、正しく使いたい「ご確認」という表現。状況や相手に応じて言い回しを変えることでより正確にニュアンスを伝えることができる表現ですので、正しい使い方をマスターして、ビジネスシーンで実際に使えるようにしましょう。