「暗黙の了解」の意味とは?例文と仕事やスポーツの具体例を紹介

「有給取得はやむを得ない場合のみ」などという「暗黙の了解」が存在する企業は、日本にはまたまだ存在するかもしれません。本記事では「暗黙の了解」の意味や使い方をはじめ、野球やビジネスシーン、あるいは社会に広く存在する「暗黙の了解」の具体例を紹介しました。併せて、「暗黙の了解」の類語や英訳にも触れています。

「暗黙の了解」の意味とは

「暗黙の了解」は「言葉にせずとも了承している事柄」

「暗黙の了解」とは、「言葉にしなくても、当事者間で理解・了承されている事柄」「黙っていても、誰もが了解している様」という意味です。仲間内・職場内など特定の場における限定的な共通理解・相互理解に対しても「暗黙の了解」と使うことができます。

「暗黙(あんもく)」には、「口に出さずに黙っている」という意味があります。

一般的な常識・マナーに対しても「暗黙の了解」と使う

「暗黙の了解」は、その場の全員が共有するルールに対しても用いられるため、例えば、社会の「常識」と言われる事柄や一般的なマナーを指すこともあります。

たとえば、公共交通機関の優先席に対するマナーが問いだたされることがありますが、この「高齢者には席を譲るべきだ」という考えも「暗黙の了解」ということができるでしょう。

「暗黙の了解」の使った例文

「暗黙の了解」を会話の中で使う場合には、次のような使い方が可能です。

例文
  • どの企業にも、暗黙の了解は存在する。
  • 我が家では休日の人が夕飯を作るというのが、夫婦の暗黙の了解だ。
  • なんでも暗黙の了解で片づけるのではなく、細かな心配りも大切だ。

「暗黙の了解」の具体例

仕事・ビジネスマナーも「暗黙の了解」のひとつ

社会には、「暗黙の了解」と呼ばれるような事柄が多数存在します。ビジネスマナーもそのひとつです。

たとえば、新入社員研修で「電話は3コール以内でとるべき」「電話は新人がとるものだ」などの話を聞かされたという人も多いのではないでしょうか。これらは、ビジネスにおける「暗黙の了解」のマナーとなっている場合があります。

また、企業独自の「暗黙の了解」あるでしょう。たとえば、本来有給休暇は労働者の権利として認められていますが、中には「先輩社員の許可を得てから勤怠上の申請をすべき」という「暗黙の了解」がある企業もあります。その他、「残業して当たり前」「上司が帰るまでは退社すべきではない」なども「暗黙の了解」的なビジネスマナーとして挙げられます。

野球ではサインの盗み見などが良い例

スポーツの世界にも「暗黙の了解」が存在します。たとえば、野球では、「捕手のサインを盗み見てはいけない」という「暗黙の了解」が良く知られています。これは、プレイヤーはもちろん野球ファンならだれもが知っているような「暗黙の了解」です。

「空気を読む」は日本の代表的な「暗黙の了解」

ビジネスシーンやスポーツだけでなく、たとえば「エレベータは降りる人が先」といった社会における「暗黙の了解」も多数存在します。中でも、日本社会で根強いと言われるのが「空気を読む」ことです。

日本では、その場の空気を読み、それに合う言動をすることが期待されますが、こうした空気を読むことや相手の意思を察知し行動に移すことを指しても「暗黙の了解」と使うことがあります。たとえば、「二次会はカラオケに行こう!」と盛り上がっているシーンで、ひとりだけ帰ろうとすると、「ここは付き合うのが暗黙の了解だろう」などと言われたりもします。

暗黙の了解を破ると「非常識」と思われる懸念も

「暗黙の了解」は、そのコミュニティの人々にとってはいわば「常識」です。そのため、「暗黙の了解」を破ると非常識、あるいはマナー違反などと白い眼を向けられることもあります。また、先述したように「空気の読めないやつ」というレッテルを貼られることもあるでしょう。

ただし、有給の取得や残業の例のように、中には悪しき習慣が「暗黙の了解」として受け継がれているケースもあります。ネガティブなものは、徐々に改善ができるのが理想的です。

「暗黙の了解」の類語とは

「暗黙の了解」と「決まり」の違い

「暗黙の了解」は「口にしないこと」「口にしてはいけないこと」というニュアンスを含む点が大きな特徴です。「言わなくてもみんなが知っていること」とも言うことができるでしょう。

これに対し、いわゆる「決まり・決まり事」と呼ばれるものは、「口にしても良いもの」「口にして説明しなければ理解が得にくい事柄」などを指す点で厳密には異なります。

「暗黙の了解」の類語は「不文律」

「暗黙の了解」と似た意味の表現には「不文律」が挙げられます。「不文律(ふぶんりつ)」とは、「明文化されていない法律」という意味で、「名言されていないルールやしきたり」も意味する単語です。「暗黙の了解」に対し、「不文律」は「掟」というニュアンスが強い表現で、「規則」とまでは言えないような事柄に対しては「暗黙の了解」を使うことが多いでしょう。

「暗黙のルール」という表現を使用することも

「暗黙の了解」と似た表現では「暗黙のルール」も挙げられます。文字通り、「文書に書かれてはいないものの、誰もが守っているきまり」という意味です。「暗黙のルール」は先述の「不文律」と近いニュアンスということができます。ただし、現実には細かい区別をなしに、ほぼ同義として「暗黙の了解」「暗黙のルール」と使われることも多い表現でしょう。

「阿吽の呼吸」も似た意味の表現

何かを行う際に、ぴったりと息が合う様や気持ちが一致する微妙なタイミングを指して、「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」と表現することがあります。この「阿吽の呼吸」もまた、「口にしなくても共有されている相互理解」というニュアンスから、「暗黙の了解」と似た意味の表現として挙げられるでしょう。

「暗黙の了解」の英語表現とは

英語で暗黙の了解は「tacit understanding」

「暗黙の了解」は英語では「tacit understanding」と表現されます。「tacit 」には「暗黙の・言葉に表さない」という意味があり、「tacit agreement」としても「暗黙の了解」の意味になります。

また、「口に出さない」という意味の「unspoken」を用いた「unspoken agreement」や、「暗黙の・言外の」という意味の「implied」を用いた「implied agreement」なども「暗黙の了解」の意味で使用可能な表現です。

まとめ

「暗黙の了解」とは、「言葉にしなくても、当事者間で理解・了承されてる事柄」を意味します。社会や仕事には様々な「暗黙の了解」が存在しますが、空気を読み周囲に合わせた言動をとることは日本の代表的な「暗黙の了解」として紹介されることもあります。「暗黙の了解」を破ると非常識と言われることもありますが、慣習に左右されすぎない判断力も必要かもしれません。