「ビギナーズラック」の意味とは?パチンコや釣りの使い方・類語も

競馬で万馬券を当てた人や仕事で大きな成功を収めた人に対して、「ビギナーズラック」と表現することがあります。この「ビギナーズラック」とは、具体的にはどういった人・状況に用いられるのでしょう。本記事では、「ビギナーズラック」の意味を具体例を交えて解説。また類語や対義語も紹介します。

「ビギナーズラック」の意味とは

「ビギナーズラック」の意味は「初心者が持つ幸運」

「ビギナーズラック」とは、「その分野の初心者が持っているとされる幸運」のことです。「初めてやるにもかかわらず、良い結果・成績を出すこと」「初心者には不釣り合いな成功」を指して用いられます。ギャンブルで買った場合に使用するイメージが強い人もいるかもしれませんが、様々な勝負事で用いられる単語です。

英語の「beginner’s luck」に由来するカタカナ語

日本でカタカナで使用されている「ビギナーズラック」は、英単語の「beginner’s luck」に由来します。「beginner」とは「初心者」を、「luck」は「幸運」を意味する単語です。

「ビギナーズラック」の使い方と例文

競馬やパチンコなどの賭け事や釣りで用いられる

「ビギナーズラック」は、賭け事で初心者が大当たりを引き当てた場合によく用いられます。

たとえば、「初めて馬券を買ったのに万馬券だった」「麻雀を覚えたばかりなのに難しい役で買った」といったケースは、「ビギナーズラック」と呼べるでしょう。他にも、パチンコや宝くじなども「ビギナーズラック」という表現が広く用いられるもののひとつです。

例文
  • はじめてのパチンコで勝って以来、ずっと負け続けている。ああいうのをビギナーズラックというのだろう
  • ビギナーズラックで快感を覚えて以来、ずっと競艇にはまっている
  • いまのはきっとビギナーズラックだよ!次は私が勝つ番だ
  • (褒め言葉に対して謙遜する意味で)単なるビギナーズラックですよ

賭け事以外でも、「ビギナーズラック」は釣りでもよく用いられます。たとえば、初めて釣りに行った人が大物を釣り上げた際などは「ビギナーズラック」ということができるでしょう。

仕事においては新人の手柄によく用いられる

ビジネスシーンでは、新人の手柄に対して「ビギナーズラック」という表現をよく使用します。たとえば、「新人が飛び込み営業で早速話を聞いてもらえた」「若手が今期一の大口契約をとった」など、比較的経験年数の浅い人に使うのがポイントです。

例文
  • 今回契約がとれたのは単なるビギナーズラックだ。調子に乗るなよ。
  • ビギナーズラックと言われないよう、今後も精進します。

また、新人が良い成績を収めた場合には、素直に「将来有望」と認められることもありますが、2度目・3度目に失敗した際に「こないだのは単なるビギナーズラックだったんだね。期待して損したよ」という風に揶揄されることもあるでしょう。

「ビギナーズラック」の正体は単なる偶然?

「ビギナーズラックは本当に存在するのか?」と議論されることがありますが、そもそも人の力ではどうしようもないのが「幸運(運)」の大きな特徴であって、そこには初心者(ビギナー)も熟練者(ベテラン)も関係ないともいうこともできます。

たとえば、「新人が大口契約をとった」というと「ビギナーズラック」と呼ばれがちですが、単に「タイミングのそろった案件を偶然担当した(誰が担当しても契約は取れた)」というだけかもしれません。ただ、熟練者(ベテラン)が成功するのに対し、初心者(ビギナー)が成功することは印象的に映り、記憶にも残りやすいため、より一層素敵な「幸運」に見えている、とも考えられるでしょう。

いずれにしても、「ビギナーズラック」の正体が何かは、人には計り知れない「運」だとしか言いようがありません。

「ビギナーズラック」の類語

似た意味の日本語表現は「棚からぼた餅」

「ビギナーズラック」と似た意味の慣用表現は日本語にもあります。その代表例が「棚からぼた餅」です。「棚からぼた餅」とは、「思いがけない幸運が舞い込むこと」という意味の表現で、「何の苦労もせずに幸運を得ること」の例えとしても用いられます。「初心者が努力をするまでもなく幸運に恵まれた」という意味を持つ「ビギナーズラック」に通じるものがあると言えるでしょう。会話では「棚ぼた」と略して用いられることもあります。

例文
  • 棚からぼた餅を待っているだけでは、成長もない
  • ふとした思い付きで買った宝くじでなんと10万円あたった!棚ぼたとはこのことだ

「偶然の賜物」「瓢箪から駒」も似た意味のことわざ

「棚からぼた餅」以外では、「偶然の賜物」「瓢箪から駒」などの表現も「ビギナーズラック」と似た意味を持つものとして挙げられます。

「偶然の賜物(たまもの)」とは、「偶然生じた良いこと・予期せぬ幸運」を意味する表現です。「瓢箪(ひょうたん)から駒」は「思いがけないこと」の例えで、「ありえないこと」や「冗談で言った事柄が現実になる」といった意味で用いられます。

「ビギナーズラック」の対義語

「餅は餅屋」が反対の意味を持つ表現

「餅は餅屋」とは、「その道のことは、専門家が一番上手い。専門家に任せるのが一番だ」という意味の例えです。つまり、「初心者がやっても所詮は初心者に変わりはなく、専門家にはかなわない」という意味になり、「ビギナーズラック」とは対義的表現と言えるでしょう。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」も対義的表現

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは、「虎の巣穴に入らなければ、虎の子を捕獲することはできない」という意味で、転じて「相応の危険を冒さなければ、成功を得ることはできない」ことを意味します。つまり、「何もせずに成功や利益をつかむことはできない」という意味で用いられます。これもまた、「ビギナーズラック」とは対義的表現です。

まとめ

「ビギナーズラック」とは、「初心者が持つ幸運」のことで、賭け事の他にビジネスシーンでも経験が浅い人の成功に対して使われることがあります。ただし、自分の成功を謙遜する分には問題ありませんが、実力が重視されるビジネスシーンにおいて、他人の成功に対して「ビギナーズラック」と使うのは失礼です。使用シーンには注意しましょう。