「信用」と「信頼」の意味の違いとは?使用例や類語・英語表現も

「信じる」という意味を持つ単語に「信用」と「信頼」があります。「人を信用する」「人を信頼する」という表現にはどのような違いがあるのでしょう。本記事では「信用」と「信頼」の詳しい意味をはじめ、使い方や詳しい違いについて解説しました。また、「信用」「信頼」の類語や英語訳についても触れています。

「信用」の意味とは

「信用」とは「信じて用いること」という意味

「信用」とは、「信じて受け入れること」「信じて用いること」という意味です。「それまでの行いや業績などからその人や物を信じ、受け入れる様」を「信用する」と表現します。

「信用」の例文

「信用」は「信用する」以外にも、「信用を得る/失う」や「信用を取り戻す」などといった表現でよく用いられます。

例文
  • これまでの努力によって、顧客の信用を得ることができた
  • 失った信用を取り戻すのは大変だ

また、株取引における用語のひとつ「信用取引」は、現金などの委託保証金を担保とし証券会社より借り入れ、株の売買を行う手法を意味します。

「信頼」の意味とは

「信頼」の意味は「信じて頼ること」

「信頼」とは、「信じて、頼りにすること」あるいは「頼りにできるとして信じること」という意味です。「信じ、頼りにする気持ち」を指して「信頼」ということもあります。たとえば、「ある人物を高く評価し、すべて任せられる」という気持ちを持つことが「信頼する」と言えるでしょう。

また、お互いが信じあい、頼りにしあう関係性のことは「信頼関係」と呼ばれます。

「信頼」の例文

「信頼」は先の「信頼関係」などのほか、「信頼する」「信頼できる」などの表現で用いられます。

例文
  • 課長からはとても信頼されている
  • 彼は経験は浅いものの、信頼できる人物だ
  • 信頼にこたえられるよう努力するしかない
 
 

「信用」と「信頼」の違い

違いは「実績に基づくもの」か「主観的なもの」か

「信用」と「信頼」の大きな違いは、「根拠や実績にもとづくものなのか」それとも「単に主観的な感情なのか」という点でしょう。

「信用」は、これまでの実績など何らかの根拠に基づいた、いわば「評価」とも言うことができます。何らかの過去があってこそ「信用する」ことができるのです。これに対し、「信頼」は、「信じる」ことから生まれた感情で「信じることから生まれた期待」を意味します。「信頼」するにも、何らかの根拠は当然ありますが、(先の保証のない)未来に対して「信じて頼る」というのが「信頼」の持つ意味の大きな特徴であり、相違点です。

一般に、「信頼」してもらうためには「信用」ありきということが多いですが、実績がなくても人柄や感覚などをもとに「信頼」に至ることもあります。

ビジネスには「信頼しても信用するな」というフレーズも

ビジネスシーンで名言のように語られるフレーズに「信頼しても信用するな」という表現があります。

「信頼」することはビジネスの取引はもちろん、人間関係においても重要です。しかし、「信頼しています」と相手に期待をしても、必ずしも期待通りの結果が帰ってくるという保証はありません。このように、何かあった時に「信用していたのに‥‥」と落胆したり、責任転嫁したりする姿勢に警鐘を鳴らすのが「信頼しても信用するな」というフレーズです。

「信用しても信頼するな」は未来に対する教訓

一方で、「信用しても信頼するな」というフレーズもビジネスにおける教訓のひとつです。この「信用しても信頼するな」は、「(過去の実績から相手を)信用しても、(これから先のことを無条件に)信頼してはいけない」という意味で用いられます。「信用に足る条件があっても、本当に信頼できるかどうかを見極める視点をもつこと・自分で判断することが大切だ」という意味にもとることができるでしょう。

「信用」や「信頼」の類語

似た意味の表現は「信じる」「頼る」「任せる」など

「信用」と似た意味を持つ表現には、「信じる」「頼る」や「任せる」などが挙げられます。また、「信頼」と似た意味では、「あてにする」「頼りにする」などの表現があります。

「信用」と「信頼」は厳密には意味が異なりますが、類語には似たような単語が並びます。

「信念」の意味は「正しいと信じる心」

「信用」や「信頼」と似た表現に「信念」が挙げられます。「信念」とは、「正しいと信じる自分の考え」や「宗教を信じる気持ち」という意味の単語です。たとえば、「信念を貫き通す」「固い信念を持つ」などといった表現が可能です。

「信念」は人や事物に対して用いられるのではなく、自分自身の気持ち・考えを意味する表現です。そのため、「信用」や「信頼」とは異なる意味の単語となります。

「信頼」と「期待」は異なる意味の表現

「信頼を裏切る」「期待を裏切る」のように、「信頼」と「期待」は似たような使い方をされることが多いでしょう。確かに、「信頼」という単語には、「信じて頼る」というその意味に「期待」のニュアンスを含む場合もあります。しかし、「期待」は「当てにして心待ちにすること・望みをかけて待ち受けること」という意味であり、同じ意味の単語として使うことはできません。

例文
  • ご期待に沿えるよう頑張ります
  • ルーキーの活躍に期待している

「信用」と「信頼」の英語表現

「信用」は英語で「credit」

「信用」を意味する英語は「credit」や「credence」が挙げられます。「信用できない」という意味では「discredit」を使うこともあります。

例文
  • gain credit 信用を得る
  • That’ll discredit you hopelessly. そんなことをしていたら信用を失うよ

一方で、「信用にかかわる」「信用がある」などを英訳する場合には「評判」という意味の「reputation」を使った表現がよく用いられます。

例文
  • That restaurant has a high reputation.(あのレストランは信用のある店だ)
  • My reputation is at stake.(私の信用が危うい)[at stake:危うくなる、かかっている]

「信頼」は英語で「trust」

一方、「信頼」を意味する英単語は「trust」です。「rely on」も「信頼する」のニュアンスで使用される表現です。

例文
  • He is a man we can trust.彼は信頼できる男だ
  • He can be relied on.彼は信頼できる
  • trust relationship 信頼関係

まとめ

「信用」とは、「信じて受け入れること・用いること」という意味で、「信頼」は「信じて頼ること」という意味です。いずれも「信じる」というニュアンスを含みますが、「信用」はこれまでの業績などの根拠に対して行われるもので、「信頼」はこれから先に対する感情を意味します。「信用」と「信頼」は言葉の意味こそ似ていますが、本記事でもふれたように、ビジネスシーンでは分けて考えるべき教訓として受け継がれているようです。