「ケースバイケース」の意味とは?例文や類語をわかりやすく解説

ビジネスシーンでは、「ケースバイケースで対応する」のように「ケースバイケース」というカタカナ語が用いられることがあります。本記事ではこの「ケースバイケース」の詳しい意味と使い方について、例文でわかりやすく解説しました。また、「ケースバイケース」と似た意味の表現や英語「case by case」との違いについても触れています。

「ケースバイケース」の意味とは

「ケースバイケース」は「個別の事情に応じて」という意味

「ケースバイケース」とは「個別の事情に応じて」あるいは「その場に即して」という意味です。個々の事情に合わせた対応や場に即した対応・処理を行う場合などに用いられます。

たとえば、原則通り・マニュアル通りではないことが「ケースバイケース」です。英語の「case by case」という表現に由来します。

「ケースバイケース」の使用例

「状況に応じて」の意味で「ケースバイケースで対応する」と使う

「ケースバイケース」は「その時の事情・状況に合わせて~する」という文脈で用いられることが多いのが特徴です。たとえば、「対応する」「処理する」「応対する」などとともに使います。

例文
  • 当日の客の入りを見て、ケースバイケースで対応しましょう。
  • お客様の要望に合わせて、ケースバイケースで柔軟に対応してください。
  • トラブルになりそうな場合は、すぐに社員を呼んでください。ケースバイケースの対応はこちらで行います。
  • ケースバイケースに応対するにしても、最低限のマニュアルは必要だ。
  • ケースバイケースに柔軟に動けることは彼の強みだ。

日本語では「時と場合による」の意味で用いられるも

日本語として用いられる「ケースバイケース」は、「状況に応じて」という意味だけでなく、「時と場合による」という意味で用いられることもあります。たとえば、相手の問いに対して「時と場合によっては~する」「時と場合によって異なる」と回答するような場合がその良い例です。

例文
  • いつもお弁当を持参しているのですか?-ケースバイケースです。外出予定がない場合は作るようにしています。
  • 花束をもらったら女性はやっぱりうれしいものなの?-ケースバイケースかな。もらう相手にもよるかも。

この「時と場合による」というニュアンスは、文脈によっては「状況によって」という意味にもとることができます。たとえば、「納期はケースバイケースで異なりますが、最短2週間でも可能です」という表現では、どちらの日本語でも言い換えることができるでしょう。

「ケースバイケース」の類語

似た意味の四字熟語は「臨機応変」

「ケースバイケース」と似た意味を持つ表現は日本語にもあります。そのひとつが「臨機応変」です。「臨機応変(りんきおうへん)」とは、「その場の状況に応じた行動をとること・適切な処置をすること」という意味です。

例文
  • 接客業では臨機応変な対応が求められる。
  • ビジネスパーソンとして臨機応変に対応するスキルは重要だ。

また、そのほかの表現では、「状況次第で」や「条件次第で」のように「~次第で」といった言い回しも「ケースバイケース」と類似の意味を持ちます。

カタカナ語では「フレキシブルに」も似た意味の表現

「ケースバイケース」は「柔軟に」とも言い換えることができますが、この「柔軟に」という意味を持つカタカナ語が「フレキシブル」です。「フレキシブル」とは、英単語の「flexible」に由来する表現で、元々は「柔軟性がある・曲げやすい・伸縮自在」などの意味を持ちます。

たとえば、「フレキシブルに対応する」とは「状況に応じて柔軟に対応する・柔軟に応対を変える」といった意味になり、「ケースバイケースで対応する」と似たニュアンスとなります。

英語「case by case」と日本語の違い

英語で「時と場合による」は「depend」を使うことが多い

「ケースバイケース」は英語の「case by case」に由来するカタカナ語ですが、英語の「case by case」は「1件ずつ」といったニュアンスを含みます。たとえば、「Whether it is A or not is case-by-case.(Aかそうでないかは、ケースバイケースです)」のように、「1件ずつの事情で異なる」という意味で用いられるのが通例です。

そのため、日本語で言うところの「時と場合による」という意味を英語で表現したい場合には「depend」という単語が適していると言えるでしょう。

例文
  • Do you usually take the train to work?ーIt depends.(いつも電車で通勤しているの?-時と場合によります)

まとめ

「ケースバイケース」とは、「状況に応じて」や「時と場合による」という意味で用いられるカタカナ語です。たとえば、「ケースバイケースで対応する」というと「状況に応じた柔軟な対応をとる」というニュアンスになります。似た意味のカタカナ語では、「柔軟に」という意味を持つ「フレキシブル」も挙げられます。併せて活用してみてください。