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「心づもり」の意味と使い方とは?類語・言い換え表現も例文で解説

ビジネスシーンでは「異動の話が出ているので心づもりをしておくように」や「心づもりしておきます」などということがあります。この「心づもり」について、意味や使い方を例文で解説します。また、「心づもり」の言い換え表現や類語、英語訳についても触れています。

「心づもり」の意味とは

「心づもり」とは「心の中で考えておくこと」

「心づもり」とは、「心の中であらかじめ考えること」「心の中にある予定・計画」という意味です。たとえば、「ああしよう」「こうなるだろう」とあらかじめ心中で考えていた結果や予測などを指して「心づもり」と言います。あらかじめ予想しておいたイメージともいうことができるでしょう。

漢字で書くと「心積もり」「心積り」

「心づもり」を漢字で書くと、「心積もり」あるいは「心積り」となります。この場合の「積もり」とは、「~するつもりである」などと同じ意味を持ち、「そうしようと思っている」という意図などを表しています。

「心づもり」の使い方と例文

「心づもりをする」「心づもりがある」などと使う

「心づもり」は、「心づもりをする」あるいは「心づもりがある」の形で使用することができます。たとえば、「心づもりをする」とは、ある程度自分の中で予測しておくことを意味します。「心づもりがある」は、自分の中でそうする予測ができている・イメージがあるといったニュアンスです。似た表現では、「心づもりしておく」も挙げられます。

例文
  • 次のプロジェクトリーダーは君に任せようと思っているので心づもりをしておいてくれ。
  • 昇進の心づもりはあるのに、なかなか声がかからない。
  • そろそろ部長から詰問されそうだ。その心づもりで準備しておこう。

「心づもりしておきます」は「了承し、準備する」の意味

「心づもりしておきます」と相手に返答する形で使用した場合は、「そのように準備しておきます」というニュアンスになり、相手の発言に対する了承の意味を含む表現となります。

たとえば、「異動の話が出ている」に対して「心づもりしておきます」と使った場合、「異動の件について承知し、かつ、正式な辞令についてあらかじめ心の準備をしておく」といったニュアンスにとることができるでしょう。正式な引継ぎ、とまではいかなくとも、「頭の中ではある程度の段取りを考えておきます」という意味合いにとることもできます。

相手に「心づもりをお願いします」と使うと「考えておいて」の意味

一方、相手に対して「心づもりをお願いします」というと、「近いうちにそうなることが予想されるので、考えておいてください」という意味です。先述した「心づもりをしておいて」という表現を丁寧にした形と言えるでしょう。

たとえば、「人事部では来週から残業時間削減をより強く推進します。管理職の皆様もぜひその心づもりをお願いいたします」というと、「残業時間削減を念頭においてください」といったニュアンスです。

人の最期に対して「心づもりをする」と使うことも

「心づもり」は、「最期」が近いことの婉曲表現として用いられることもあります。先述の「心づもりをお願いします」を人の最期に対して使った場合、「死期が近づいているため、心の準備・覚悟をお願いします」という意味です。

例文
  • 両親も高齢だ。長男の私はもしもの際の心づもりをしておくべきなのだろうが中々想像できない。
  • 葬儀の心づもりをしておくことは、先に旅立つもののせめてもの配慮なのかもしれない。

「心づもり」は敬語表現とともに使用可

「心づもり」という表現に敬語の形はありませんが、ビジネスシーンでよく用いられるように、敬語と共に使用することは可能です。たとえば、「心づもりしておきます」や「心づもりをお願いします(お願いいたします)」なども敬語表現として使う際の一例と言えるでしょう。

また、「重々に心づもりしておきます」などと使うと、「十分に・念を入れて」という意味が加わります。敬語表現とは異なりますが、相手に対する真摯な姿勢を示した表現して使うことができるでしょう。

「心づもり」の類語・言い換え表現とは

似た意味の表現は「心算」

「心づもり」と似た意味の単語には「心算」が挙げられます。「心算」とは、「心の中で思っている考え・計画」という意味の単語で、「しんさん」と読むほか「つもり」と読むことも可能です。「つもり」と読む場合は、「心づもり」の「つもり」と同様に、「実際にはそうなっていないが、そうなったような気持ち」という意味になります。

他には、「内心」や「胸の内」などが「心づもり」と似た意味の単語と言えるでしょう。

「心づもり」は「覚悟」「心構え」と言い換えられる場合も

「心づもり」は、「覚悟」や「心構え」と言い換えられる場合もあります。人の最期に対して使う場合がその代表例で、「もしものことを考え、心づもりをしておいてください」は、「もしもの事態を想定し、覚悟をしておいてください」あるいは「もしもの時を想定し、心構えをお願いします」などという風に言い換えることができます。

ただし、「覚悟」は、主に悪い事態に対して予測し心の準備をすること」を意味しますので、好意的な結果が想定される場合には使用することができません。

「腹づもり」は否定的なニュアンスを伴うので注意

「心づもり」と似た意味の表現に「腹づもり」があります。

「腹づもり」とは、「これから先のおおよその計画・予定」という意味の単語で「心づもり」と似た意味を持つ単語です。ただし、「腹づもり」はややネガティブなイメージを持たれる点で異なります。

たとえば、「彼はどういう腹づもりなのだろう」は「彼はどういった魂胆なのだろう」と下心があるようなニュアンスで伝わります。もちろん、「将来は家業を継ぐ腹づもりだ」という風に、単なる「予定・計画」という意味で使うこともありますが、文脈に注意が必要な表現と言えるでしょう。

「心づもり」の英語訳

「心づもり」は英語では「expectation」

「心づもり」を英語で表現する場合には、「expectation」や「anticipation」といった単語を使用することができます。いずれも「予想・予期」などの意味を持つ単語です。「心づもりをする」と動詞として使う場合には、「expect」や「anticipate」を使用します。

また、「心づもりがある=準備ができている」と意訳し、「be ready to~」という表現を使うこともあります。たとえば、「I am ready to retire.」は「引退する心づもりはできている」と和訳することができるでしょう。

一方で、「心づもりをしてください」「心づもりをお願いします」などは、「覚えておいてください」というニュアンスを伴うため「keep something in mind」と意訳される場合があります。「考えておいてね」という意味の「Give it a thought」といった表現でも日本語に近いニュアンスを出すことができます。

まとめ

「心づもり」とは、「心の中であらかじめ考えておくこと」という意味の表現で、ビジネスシーンでは「心づもりしておいて」や「心づもりしておきます」などの会話表現でも用いられます。簡単に言うと「そのつもりで」という風に、予定を共有したり確認したりする場面でも用いられることがあるでしょう。よく見聞きする表現なのでぜひ覚えておきたいワードです。